中1理科|植物の分類【Step 1b】
中1 理科|植物の分類|Step 1b
この記事でわかること
- 植物はふえ方(種子か胞子か)によって種子植物とシダ・コケ植物の2グループに大別される
- シダ植物には維管束があるが、コケ植物には維管束がなく水は体の表面全体から吸収する
- コケの仮根は水を吸う器官ではなく体を固定する支持器官にすぎない
※ この記事は上の授業動画の内容をテキストで整理したものです。
学習マップ
この単元の位置づけです。
シダとコケ
——花が咲かないのに、どうふえる?
答えのカギは『胞子』と『維管束』。
シダとコケ——どんな植物か
雨上がりの公園
・日陰の石の上 → 緑のフカフカ=コケ
・花壇のかげ → まっすぐ伸びる葉=シダ
どちらも『花を咲かせない』
→ どうやってふえてる?
→ 体のつくりも違うのはなぜ?
- タンポポ・アサガオは花→種子でふえる(小5)
- でもシダ・コケは花も種子も見当たらない
- シダ:茎と葉がはっきり見える
- コケ:地面にへばりついて区別がない
花も種子もないのに、なぜ仲間が増えていくのでしょうか。またシダは根・茎・葉がはっきり区別できますが、コケは全体が地面に密着していて区別がつきません。「ふえ方の謎」と「体のつくりの違い」が今回のテーマです。
植物の分類——前回のおさらい
植物全体は2つに分かれる
①種子でふえる(前回学習)
→ 被子植物・裸子植物
②胞子でふえる ← 今回はこっち!
→ シダ植物・コケ植物
植物は大きく「**種子でふえる**」と「**胞子でふえる**」の2グループに分かれます。種子でふえるグループが**種子植物**(被子植物・裸子植物)で、前回の内容です。今回はもう一方の「**胞子**でふえる」グループ——シダ植物とコケ植物を扱います。
維管束とは何か
【ルール】
維管束(いかんそく)
=水・養分の通り道となる管の束
・水:根→茎→葉へ運ぶ
・養分:葉→体全体へ運ぶ
※心臓のようなポンプはない
その通り道が**維管束(いかんそく)**です。水を運ぶ管と養分を運ぶ管が束になって茎の中を通り、根で吸収した水を葉へ届け、葉でつくった養分を体全体へ運びます。「管の束」だから**維管束**——漢字の構成がそのまま意味を表しています。維管束の有無は植物の分類における重要な判断基準です。
シダ植物の特徴
【シダ植物】
・根・茎・葉の区別 → あり
・維管束 → あり
・ふえ方 → 胞子
(葉の裏の胞子のうから放出)
・生える場所 → 湿った林の中など
シダ植物には**根・茎・葉の区別**があり、**維管束**も備えています。根で吸収した水は維管束を通じて体全体に運ばれます。ふえ方は**胞子**で、葉の裏の**胞子のう**から胞子を放出して仲間を増やします。湿った林の中などに多く見られます。
コケ植物の特徴
【コケ植物】例:ゼニゴケ・スギゴケ
・根・茎・葉の区別 → なし
・維管束 → なし
・水の吸収 → 体の表面全体から
・仮根 → 体を岩や土に固定する役割
(水を吸う役割ではない!)
・ふえ方 → 胞子(胞子のうから)
コケ植物は根・茎・葉の区別がはっきりせず、**維管束もありません**。水を運ぶ管がないため、体の表面全体からじわじわと水を吸収します。そのため、湿った日陰でなければ生きられません。
**仮根**は岩や土に体を固定するだけの「支持器官」で、水を吸い上げる役割はありません。ふえ方はシダと同じく、**胞子のう**から胞子を放出します。
シダとコケの比較
同じ『胞子でふえる』なのに
体のつくりは大きくちがう
分かれ目は『維管束の有無』
→ あり:シダ植物
→ なし:コケ植物
シダ植物は根・茎・葉の区別があり**維管束あり**、コケ植物は区別がなく**維管束なし**です。水の吸収方法もシダは根から、コケは体の表面全体から行います。ふえ方(胞子)だけが共通で、体のつくりを決定的に分けるのが**維管束の有無**です。
植物分類の全体図
『維管束』は分類のあちこちで活躍
・被子/裸子/双子葉/単子葉
→ みんな維管束あり
・シダ植物 → 維管束あり
・コケ植物 → 維管束なし ← ここだけ!
(双子葉=輪/単子葉=ばらばら:前回)
植物は「**種子でふえる**(被子植物・裸子植物)」と「**胞子でふえる**(シダ植物・コケ植物)」に大別されます。維管束の観点では、種子植物・シダ植物は維管束を持ちますが、**コケ植物だけが維管束なし**です。「維管束がない植物は?」と問われたら答えはコケ植物——テストでも頻出のポイントです。
確認問題①:維管束の定義
【問1】
『維管束』とは何のことですか。
最も適切なものを1つ選びなさい。
- ア:胞子をつくって放出するための袋
- イ:植物の体の中を通る、水や養分の通り道となる管の束
- ウ:植物が地面に体を固定するための毛のような部分
- エ:種子の中にあって、発芽のための養分をたくわえている部分
ア 胞子をつくって放出するための袋 イ 水や養分の通り道となる管の束 ウ 体を地面に固定するための毛状の部分 エ 種子の中に養分をたくわえている部分
解答①
正解:イ
維管束=水・養分の通り道となる管の束
・ア → 胞子のう
・ウ → 仮根
・エ → 種子の養分(小5で学習)
- 『管の束』というキーワードで覚える
- 水の管+養分の管をひとまとめにしたもの
確認問題②:シダとコケの維管束
【問2】 ○か×で答えなさい
『シダ植物には維管束があるが、
コケ植物には維管束がない。』
- ○:正しい
- ×:まちがい
- ヒント:シダとコケの体のつくりを思い出そう
解答②
正解:○
シダ植物 → 維管束あり
コケ植物 → 維管束なし
同じ『胞子でふえる』でも
体のつくりは大きく違う!
| 項目 | シダ植物 | コケ植物 |
|---|---|---|
| 根・茎・葉の区別 | あり | なし |
| 維管束 | あり | なし |
| 水の吸収 | 根から | 体の表面 |
確認問題③:シダのふえ方
【問3】
シダ植物のふえ方として
正しいものを1つ選びなさい。
- ア:花を咲かせて受粉し、種子をつくってふえる
- イ:花粉を風で飛ばし、別の花の柱頭につけてふえる
- ウ:葉の裏などにある胞子のうから胞子を放出してふえる
- エ:地面に伸ばした仮根から新しい個体を生やしてふえる
ア 花を咲かせて種子をつくる イ 花粉を風で飛ばして受粉する ウ 葉の裏の胞子のうから胞子を放出する エ 仮根から新しい個体を生やす
解答③
正解:ウ
シダ植物 → 葉の裏の胞子のうから胞子
・ア → 種子植物(前回)
・イ → 花粉(受粉:小5)
・エ → 仮根は『支える』だけで
新しい個体は生やさない
- 種子植物:花→受粉→種子
- シダ・コケ:胞子のう→胞子
- 『胞子』と『種子』は別物
確認問題④:コケの仮根のはたらき
【問4】
コケ植物の『仮根』のはたらき
として正しいものを1つ選びなさい。
- ア:土から水や養分をたくさん吸い上げる
- イ:コケ植物の体を岩や土に固定して支える
- ウ:胞子をつくって遠くまで飛ばす
- エ:葉でつくられた養分を体じゅうに運ぶ
ア 土から水や養分を吸い上げる イ 体を岩や土に固定して支える ウ 胞子をつくって遠くまで飛ばす エ 葉の養分を体全体に運ぶ
解答④
正解:イ
仮根=体を岩や土に固定して支える
・ア → ふつうの植物の根
(コケは表面全体から水を吸う)
・ウ → 胞子のう
・エ → 維管束
- コケは水を運ぶ管(維管束)なし
- → 水を吸う専用の根も不要
- → 湿った場所でしか生きられない
まとめ
【今日のポイント】
①植物全体は『種子』か『胞子』で大別
②シダ・コケはどちらも胞子でふえる
③分かれ目は『維管束』
シダ:あり/コケ:なし
④コケの仮根は『支える』だけ
| 項目 | シダ植物 | コケ植物 |
|---|---|---|
| 区別 | 根・茎・葉あり | 区別なし |
| 維管束 | あり | なし |
| ふえ方 | 胞子(胞子のう) | 胞子(胞子のう) |
①植物は「種子でふえるか・胞子でふえるか」で大きく2グループに分類される。②シダ植物とコケ植物はどちらも**胞子**でふえる仲間。③シダには**維管束あり**、コケには**維管束なし**——これがシダとコケを分ける決め手。④コケの**仮根**は「体の支持・固定」のみが役割で、水の吸収は体の表面全体から行われます。
よくある質問
シダ植物とコケ植物はどちらも「胞子でふえる」のに、なぜ別々に分類されるのですか?
ふえ方は同じでも体のつくりが異なるためです。シダ植物には根・茎・葉の区別と維管束がありますが、コケ植物にはどちらもありません。この体のつくりの違いによって別グループに分類されます。
コケの仮根と、ふつうの植物の根はどう違うのですか?
ふつうの植物の根は水や養分を吸収する器官ですが、コケの仮根は体を岩や土に固定して支えるだけです。コケには維管束がないため水を体内で運ぶ仕組みがなく、水は体の表面全体から直接吸収しています。
「胞子」と「種子」はどう違うのですか?
種子は花が咲いて受粉した後にできる生殖器官で、発芽に必要な養分を含んでいます。胞子はより小さな粒で、花や受粉を必要とせず胞子のうから直接放出されます。シダ・コケは胞子でふえ、種子植物は種子でふえます。
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