中1理科|水溶液の濃度【Step 1b】
中1 理科|水溶液の濃度|Step 1b
この記事でわかること
- 飽和水溶液は「その温度でこれ以上溶けない液」で、温度が変われば溶ける量も変わる
- 溶解度は水100gに溶ける溶質の最大質量(g)で、温度と水の量の両方に左右される
- 溶解度曲線では硝酸カリウムと食塩で温度変化による溶解度の増え方が大きく異なる
※ この記事は上の授業動画の内容をテキストで整理したものです。
学習マップ
この単元の位置づけです。
中1理科 水溶液の濃度②
溶解度・飽和水溶液・溶解度曲線
「これ以上は溶けない」を
“数字”で扱えるようになる回
「もう溶けない」から始まる3つの疑問
【場面】夏休みの自由研究
塩水に卵を浮かべる実験
水 200g に食塩を加えていく…
Q. もう溶けないの?
Q. 水を増やせばまた溶ける?
Q. 温めればまた溶ける?
| 食塩を加える量 | ようす |
|---|---|
| 少し | 全部溶けて透明 |
| どんどん | まだ溶ける |
| 限界を超える | 底に溶け残り → 上の液 = ? |
水200gに食塩を少しずつ加えていくと、最初はすべて溶けて透明を保ちますが、ある量を超えると底に溶け残りが現れます。この現象から3つの疑問が自然に生まれます。①本当にもう溶けない? ②水を増やせばまた溶ける? ③温めれば溶ける? この3つの疑問がそれぞれ**飽和水溶液**・**溶解度**・**溶解度曲線**に対応しています。
飽和水溶液とは
【飽和水溶液】
その温度で、これ以上溶質が
溶けない状態の水溶液
限界まで溶かした“上の液”が飽和水溶液
★『温度』とセットで決まる
・20℃で飽和した食塩水でも
温めると、もう少し溶ける物質もある
・『絶対に溶けない液』ではない
**飽和水溶液**とは、ある温度でこれ以上**溶質**が溶けない状態の水溶液のことです。食塩を限界まで溶かしたとき、底の溶け残りを除いた上澄みの液がこれにあたります。飽和は「温度とセット」で決まるため、温度を上げればさらに溶ける場合があります。「もう絶対に溶けない液」ではなく、””その温度では””これ以上溶けない液”というニュアンスで理解してください。
溶解度とは
【溶解度】
ある温度の水 100g に溶ける
溶質の最大の質量(g)
例) 60℃の硝酸カリウム
→ 水100g に 約110g 溶ける
= 溶解度 約110g
★『水100g』『温度』2つの前提
・水 50g なら → 半分の目安
・水 200g なら → 2倍の目安
・温度が違えば値も違う
**溶解度**とは、ある温度の水**100g**に溶質が最大で何g溶けるかを示す質量(単位:g)です。例えば「60℃における**硝酸カリウム**の溶解度は約110g」とは、60℃の水100gに最大110gが溶けることを意味します。水の量が2倍の200gになれば溶ける最大量も2倍になり、温度が異なれば溶解度の値そのものが変わります。「溶解度110g」とだけ覚えるのでは不十分で、「60℃の水100gに対して」という前提込みで使える数字です。
溶解度曲線の読み方
【溶解度曲線】
温度と溶解度の関係を表すグラフ
・横軸:温度(℃)
・縦軸:水100gに溶ける溶質の質量(g)
→ 縦に線を引き、曲線とぶつかる
高さがその温度での溶解度
★物質ごとに線の形が違う
・硝酸カリウム…温度↑で急に増える
・食塩…温度を上げてもほぼ水平
(全く変わらないわけではない)
**溶解度曲線**は、温度と溶解度の関係をグラフで表したものです。横軸が温度(℃)、縦軸が水100gに溶ける溶質の質量(g)です。知りたい温度から垂直に線を引き、曲線との交点の高さがその温度での溶解度になります。物質によって線の形が大きく異なり、**硝酸カリウム**は温度が上がるほど溶解度が急増(20℃:約32g → 60℃:約110g)しますが、**食塩**はほぼ水平でほとんど変化しません。
よくある誤解3選
| × よくある誤解 | ○ 正しい理解 |
|---|---|
| 温度↑なら、どの物質も大きく多く溶ける | 食塩はほぼ変わらない。物質ごとに違う |
| 飽和水溶液は『絶対に溶けない液』 | “その温度では”。温度が変われば変わる |
| 溶解度は水の量と無関係 | 水100g が基準。水が2倍なら目安も2倍 |
よくある誤解を3点整理します。①「温度を上げればどの物質でも溶解度が大きく増える」→食塩のようにほぼ変わらない物質もあります。物質によって異なります。②「飽和水溶液はもう絶対に溶けない液」→正しくは””その温度では””これ以上溶けない液”で、温度が変われば溶ける量も変わります。③「溶解度は水の量と無関係」→溶解度は水**100g**基準の数字なので、水量が変われば実際に溶ける量も変わります。
確認問題①
【問1】(選択)
20℃の水100gに食塩を少しずつ加えてかき混ぜたところ、ある量を超えると食塩が溶けずに底にたまるようになった。
このとき、底にたまった食塩を取り除いた上の水溶液を何というか。
ア 溶液 イ 溶媒
ウ 飽和水溶液 エ 溶質
【問題】20℃の水100gに食塩を限界まで溶かし、底の溶け残りを除いた上の水溶液を何というか。(ア 溶液 / イ 溶媒 / ウ 飽和水溶液 / エ 溶質) 【正解】**ウ 飽和水溶液**。「その温度でこれ以上溶けない状態の液」という定義に合致します。なお、溶質=溶けている物質(食塩)、溶媒=溶かす液体(水)、溶液=溶けた状態の液全般は「役割」を示す言葉で、液の「状態」を表すウが正解です。
確認問題②
【問2】(空欄)
次の文の空欄に語句または数値を答えなさい。
『溶解度とは、ある温度の水(①)gに溶ける溶質の最大の質量のことである。例えば60℃における硝酸カリウムの溶解度は約110gで、これは60℃の水100gに硝酸カリウムが最大で約(②)gまで溶けることを意味する。』
【問題】「溶解度とは、ある温度の水①gに溶ける溶質の最大の質量。60℃における硝酸カリウムの溶解度は約110gで、水100gに最大②gまで溶ける」①・②に入る数値は何か。 【正解】①**100**、②**110**。溶解度の基準は常に水**100g**で、60℃の硝酸カリウムの溶解度110gがそのまま最大質量になります。
確認問題③
【問3】(選択)
下の溶解度曲線のグラフについて、横軸(x軸)と縦軸(y軸)が表しているものの正しい組み合わせはどれか。
ア 横:水100gに溶ける質量 / 縦:温度
イ 横:温度 / 縦:水100gに溶ける質量
ウ 横:温度 / 縦:水の質量
エ 横:溶質の種類 / 縦:温度
【問題】溶解度曲線の横軸・縦軸の正しい組み合わせはどれか。(ア 横:溶ける質量、縦:温度 / イ 横:温度、縦:溶ける質量 / ウ 横:温度、縦:水の質量 / エ 横:溶質の種類、縦:温度) 【正解】**イ**。横軸が温度(℃)、縦軸が水100gに溶ける溶質の質量(g)です。アは軸が逆、ウは縦軸を水の質量と誤っており、エは横軸を溶質の種類としている点が誤りです。
確認問題④
【問4】(○×)
下の溶解度曲線を見て、次の文が正しければ○、誤っていれば×を答えなさい。
『食塩は、温度を20℃から60℃まで上げても、水100gに溶ける質量がほとんど変わらない。』
【問題】「食塩は20℃から60℃に温度を上げても、水100gに溶ける質量がほとんど変わらない」この文は○か×か。 【正解】**○**。食塩の溶解度は20℃:約36g→60℃:約37gでほぼ変化しません。一方、硝酸カリウムは約32g→約110gと急増し、物質によって温度変化への応答が大きく異なります。
まとめ
★これが言えたら今日はOK
①『その温度でこれ以上溶けない液』
= 飽和水溶液
②『水100gに溶ける最大の質量』
= 溶解度 (温度とセット)
③ 温度↑で急に増える物質と、
ほぼ変わらない物質がある
| 用語 | ひと言で言うと |
|---|---|
| 飽和水溶液 | その温度で限界まで溶けた液 |
| 溶解度 | 水100gに溶ける溶質の最大質量 |
| 溶解度曲線 | 温度と溶解度の関係を表すグラフ |
**飽和水溶液**:その温度でこれ以上溶けない状態の液。**溶解度**:水100gに溶ける溶質の最大質量(温度とセットで決まる)。**溶解度曲線**:温度と溶解度の関係を表すグラフ(横軸=温度、縦軸=溶ける質量)。用語の暗記だけでなく、「飽和って何の限界?」「溶解度って何g中の何g?」と中身まで言えるようにしておくと、応用問題でも対応しやすくなります。
よくある質問
飽和水溶液と普通の水溶液はどう違うのですか?
普通の水溶液はまだ溶質を追加で溶かせる状態ですが、飽和水溶液はその温度でこれ以上溶けない状態の水溶液です。温度が変わると「飽和」かどうかも変わります。
水の量が変わると溶解度の値も変わりますか?
溶解度の値自体は変わりません。水100gを基準にした定義なので、水が2倍の200gになれば実際に溶ける量は2倍になりますが、溶解度の数値は同じです。
食塩と硝酸カリウムで溶解度の変化が大きく違うのはなぜですか?
物質の化学的な性質によって、温度に対する溶けやすさの変化が異なるためです。硝酸カリウムは温度上昇で急激に溶けやすくなりますが、食塩はほとんど変化しません。
この単元の授業
- Step 1b(この記事)
- Step 1c(準備中)


