中学1年

比例 y=ax とは? 関数・変域・比例定数が負の数のときを中1向けに解説

栞先生

※ この記事は上の授業動画の内容をテキストで整理したものです。

この記事でわかること

  • 「\(\displaystyle y\) は \(\displaystyle x\) の関数である」とはどういうことか。関数かどうかの見分け方
  • 変域(\(\displaystyle x\) がとる値の範囲)を、\(\displaystyle ≦\)・\(\displaystyle ≧\)・\(\displaystyle <\)・\(\displaystyle >\) を使って書く方法
  • 比例定数が負の数でも比例になるわけと、表・1 組の値・身の回りの場面から比例の式を作る方法

小学校で習った比例を思い出そう

比例は小学校でも習いました。「片方が増えると、もう片方も増える関係」と覚えている人も多いと思います。まず、小6 の例で確かめてみましょう。

1 本 60 円の鉛筆を \(\displaystyle x\) 本買ったときの代金を \(\displaystyle y\) 円とします。

\(\displaystyle x\)(本)123
\(\displaystyle y\)(円)60120180
x 123 y 60120180 ×2 ×2 ×3 ×3

\(\displaystyle x\) が 1 から 2 へ 2 倍になると、\(\displaystyle y\) も 60 から 120 へ 2 倍になります。\(\displaystyle x\) が 1 から 3 へ 3 倍になると、\(\displaystyle y\) も 60 から 180 へ 3 倍です。

\(\displaystyle x\) が 2 倍、3 倍になると、\(\displaystyle y\) も 2 倍、3 倍になる。 これが小6 で習った比例でした。式で書くと \(\displaystyle y=60×x\) です。

中学では、この比例を新しい言葉で言い直します。それから、負の数まで広げていきます。最初に出てくる言葉は「関数」です。

「関数」とは? 見るのは 1 つだけ

「関数」は、名前を聞いただけでは何を見ればいいのか分かりにくい言葉です。でも、見ることは 1 つだけです。

【決まり】関数
\(\displaystyle x\) の値を 1 つ決めると、\(\displaystyle y\) の値がただ 1 つに決まるとき、「\(\displaystyle y\) は \(\displaystyle x\) の関数である」という。

鉛筆の例:本数を 4 本と決めると、代金は 240 円の 1 つに決まります。だから、代金は本数の関数です。

体育館の例:体育館に 10 人来たとします。その中でめがねをかけている人は何人でしょう。2 人かもしれないし、3 人や 5 人かもしれません。人数とめがねの人の数には、関係がありそうに見えます。でも、10 人と決めても 1 つに決まらないので、関数ではありません。

鉛筆の本数 → 代金 x=4(本) y=240(円) 1 つに決まる 体育館に来た人数 → めがねの人の数 x=10(人) 2 人 3 人 5 人 … 1 つに決まらない

この図の上の段は、\(\displaystyle x=4\)(本)から矢印が 1 本だけ出て、\(\displaystyle y=240\)(円)に届く様子です(1 つに決まる)。下の段は、\(\displaystyle x=10\)(人)から矢印が何本も出て、2、3、5…に分かれる様子です(1 つに決まらない)。

見るのは「関係がありそうか」ではありません。「\(\displaystyle x\) を決めたら \(\displaystyle y\) が 1 つに決まるか」 です。

問1 関数かどうかを選ぶ

この見方を使ってみましょう。

問1 次のうち、\(\displaystyle y\) が \(\displaystyle x\) の関数であるものをすべて選びなさい。
ア 1 本 60 円の鉛筆を \(\displaystyle x\) 本買ったときの代金 \(\displaystyle y\) 円
イ 身長 \(\displaystyle x\) cm の人の体重 \(\displaystyle y\) kg
ウ 周の長さが 20 cm の長方形の、縦の長さ \(\displaystyle x\) cm と横の長さ \(\displaystyle y\) cm
エ 絶対値が \(\displaystyle x\) である数 \(\displaystyle y\)(\(\displaystyle x\) は正の数とする)

ウ x cm y cm 周の長さ 20 cm

ウの長方形は、縦が \(\displaystyle x\) cm、横が \(\displaystyle y\) cm で、周の長さが 20 cm です。迷ったら、\(\displaystyle x\) に数を 1 つ入れてみると考えやすくなります。

答え ア、ウ

ア \(\displaystyle y=60x\) で 1 つに決まる → 関数
イ 身長 150 cm でも体重はいろいろ → 関数ではない
ウ 縦 3 cm → 横 7 cm \(\displaystyle y=10−x\) → 関数(比例ではない)
エ 絶対値 3 の数は 3 と −3 → 関数ではない

【注意】
「関係がありそう」だけで選ばない
関数でも比例とはかぎらない。比例は関数の中の 1 つの種類

1 つずつ見ていきます。

  • ア:本数を決めれば、代金は \(\displaystyle y=60x\) で 1 つに決まります。関数です。
  • イ:背が高いほど重そう、と感じて選びたくなるかもしれません。その感覚は自然です。でも、身長が同じ 150 cm の人を何人か集めても、体重はいろいろです。\(\displaystyle x\) を決めても \(\displaystyle y\) が 1 つに決まらないので、関数ではありません。
  • ウ:周が 20 cm なので、縦と横をたすと、その半分の 10 cm です。縦を 3 cm に決めれば、横は 7 cm に決まります。式は \(\displaystyle y=10−x\) で、関数です。
  • エ:絶対値が 3 の数を考えると、3 と −3 の 2 つがあります。1 つの \(\displaystyle x\) に \(\displaystyle y\) が 2 つあるので、関数ではありません。
ウ 3 cm 7 cm 3+7=10 (周の半分) エ x=3 3 −3 1 つに決まらない

左はウの長方形に縦 3 cm・横 7 cm を書き入れた図です(\(\displaystyle 3+7=10\) が周の半分)。右はエの図で、\(\displaystyle x=3\) から 3 と −3 の 2 つに矢印が出ています。

【注意】関数でも比例とはかぎらない
ウは関数ですが、比例ではありません。縦を 2 cm から 4 cm へ 2 倍にしても、横は 8 cm から 6 cm になって、2 倍にはならないからです。比例は、関数の中の 1 つの種類です。

変数と変域 範囲を不等号で書く

鉛筆の \(\displaystyle x\) には、1 本、2 本、3 本…と、いろいろな値が入りました。

  • 変数:いろいろな値をとる文字(\(\displaystyle x\)、\(\displaystyle y\) など)
  • 変域:変数のとりうる値の範囲

たとえば問1 のウの長方形の縦は、0 cm より大きく、10 cm より小さい長さしかとれません。これが変域です。

範囲は不等号で書きます。大小を比べる \(\displaystyle <\) と \(\displaystyle >\) は、正負の数で習いました。ここでは、その数もふくむことを表す \(\displaystyle ≦\) と \(\displaystyle ≧\) も使います。ポイントは、端の数をふくむかどうか です。

言葉不等号数直線の端
3 以上\(\displaystyle x≧3\)●(3 をふくむ)
3 以下\(\displaystyle x≦3\)●(3 をふくむ)
3 より大きい\(\displaystyle x>3\)○(3 をふくまない)
3 未満(3 より小さい)\(\displaystyle x<3\)○(3 をふくまない)

「以上」「以下」はその数をふくむので、\(\displaystyle ≧\) や \(\displaystyle ≦\) を使い、数直線では ● でかきます。「より大きい」「未満」はふくまないので、\(\displaystyle >\) や \(\displaystyle <\) を使い、○ でかきます。「未満」は「より小さい」と同じ意味です。

端が 2 つあるときは、小さい数を左に書いて、\(\displaystyle x\) を間にはさみます。「−1 以上 4 未満」なら \(\displaystyle −1≦x<4\) です。数直線では、−1 はふくむので ●、4 はふくまないので ○ になります。

x≧3 3 をふくむ 3 x≦3 3 をふくむ 3 x>3 3 をふくまない 3 x<3 3 をふくまない 3 −1≦x<4 −1 をふくむ・4 をふくまない −1 0 4

上の 4 本は、3 の所が ● か ○ か、太線が右へのびるか左へのびるかを比べた数直線です。いちばん下は \(\displaystyle −1≦x<4\) で、−1 が ●、4 が ○、その間が太線です。

問2 変域を不等号で書く・言葉で読む

問2
(1) 「\(\displaystyle x\) は −2 以上 5 未満」を、不等号を使って表しなさい。
(2) 「\(\displaystyle 0<x≦8\)」を言葉で表しなさい。

答え
(1) \(\displaystyle −2≦x<5\)
(2) \(\displaystyle x\) は 0 より大きく 8 以下

以上・以下 → ≧・≦(ふくむ)
より大きい・未満 → >・<(ふくまない)
端が 2 つで \(\displaystyle x\) をはさむ形 → 小さい数を左に書くので ≦ か <

(1) は「以上」がふくむので \(\displaystyle ≦\)、「未満」がふくまないので \(\displaystyle <\) です。数直線では、−2 が ●、5 が ○ になります。

「以上なのに、\(\displaystyle ≧\) じゃないの?」と思った人もいるかもしれません。「以上は \(\displaystyle ≧\)」という覚え方自体は合っています。ただ、ここは端が 2 つあって、\(\displaystyle x\) を真ん中にはさむ形です。小さい数を左に書くので、記号は \(\displaystyle ≦\) か \(\displaystyle <\) になります。端が 1 つなら、3 以上は \(\displaystyle x≧3\) です。

(2) は、0 の所が \(\displaystyle <\) なので、0 はふくまずに「0 より大きい」。8 の所は \(\displaystyle ≦\) なので「8 以下」です。合わせて「\(\displaystyle x\) は 0 より大きく 8 以下」になります。

(1) −2≦x<5 −2 0 5 (2) 0<x≦8 0 8

比例の式 \(\displaystyle y=ax\) と比例定数

ここから比例の話に戻ります。鉛筆の式 \(\displaystyle y=60×x\) は、中学では \(\displaystyle ×\) をはぶいて \(\displaystyle y=60x\) と書きます。

【決まり】比例
\(\displaystyle y\) が \(\displaystyle x\) の関数で、\(\displaystyle y=ax\) と表されるとき、「\(\displaystyle y\) は \(\displaystyle x\) に比例する」という。
\(\displaystyle a\) は変わらない決まった数(定数)で、比例定数という。

\(\displaystyle x\) と \(\displaystyle y\) は、いろいろな値をとる変数でした。一方の \(\displaystyle a\) は、\(\displaystyle x\) の値が変わっても変わらない、決まった数です。このような数を 定数 といいます。

鉛筆なら、\(\displaystyle x\) が 1 本でも 5 本でも 60 は変わりません。比例定数は 60 です。60 は \(\displaystyle x\) が 1 のときの \(\displaystyle y\) の値なので、1 本あたりの値段を表しています。

そして中学では、\(\displaystyle x\) も \(\displaystyle y\) も比例定数 \(\displaystyle a\) も、負の数でかまいません。

でも、比例は「増えると増えるもの」だったはずです。\(\displaystyle a\) が負の数だと、どうなるのでしょう。

比例定数が負の数のとき \(\displaystyle y\) が減っても比例?

\(\displaystyle y=−3x\) で調べてみます。\(\displaystyle x\) に −2 から 3 までを入れると、次のようになります。たとえば \(\displaystyle x=−2\) なら、\(\displaystyle (−3)×(−2)=6\) です。

\(\displaystyle x\)−2−10123
\(\displaystyle y\)630−3−6−9

表を左から右へ見ると、\(\displaystyle x\) は増えているのに、\(\displaystyle y\) は 6、3、0、−3…と減っています。これでも比例と言えるでしょうか。

2 倍、3 倍を確かめる
\(\displaystyle x\) が 1 から 2 へ 2 倍になると、\(\displaystyle y\) は −3 から −6 になります。\(\displaystyle (−3)×2=−6\) なので、\(\displaystyle y\) も 2 倍です。\(\displaystyle x\) が 1 から 3 へ 3 倍になると、\(\displaystyle y\) は −3 から −9 で、これも 3 倍です。

ここで「−2 倍」と言いたくなる人も多いと思います。でも、2 倍とは 2 をかけることです。−3 が −6 になるのは、ふつうの 2 倍です。

\(\displaystyle y÷x\) を確かめる
\(\displaystyle y\) を \(\displaystyle x\) でわってみます。\(\displaystyle 6÷(−2)=−3\)、\(\displaystyle (−6)÷2=−3\) です。どの組でも −3 になり、比例定数と同じです。ただし、\(\displaystyle x=0\) の組は、0 ではわれないので計算しません。

x −2−10123 y 630−3−6−9 ×2 ×2 ×3 ×3 y÷x −3−3−3−3−3 わらない

【決まり】比例定数が負でも
\(\displaystyle x\) が 2 倍、3 倍になると、\(\displaystyle y\) も 2 倍、3 倍になる。
\(\displaystyle y÷x\) は一定で、その値が比例定数。

【注意】

  • −3 が −6 になるのは 2 倍です。「−2 倍」とは言いません。
  • 「\(\displaystyle x\) が増えると \(\displaystyle y\) も増える」は、比例かどうかを決める条件ではありません。\(\displaystyle x\) が増えると \(\displaystyle y\) が減るのは、比例定数が負だからです。

問3 表から負の比例を見抜く

問3 \(\displaystyle y\) は \(\displaystyle x\) に比例し、\(\displaystyle x\) と \(\displaystyle y\) の値は表のようになります。
(1) ア〜ウにあてはまる数を求めなさい。
(2) \(\displaystyle x\) の値が 2 倍、3 倍…になると、対応する \(\displaystyle y\) の値はどうなりますか。
(3) \(\displaystyle y÷x\) の値を求めなさい(\(\displaystyle x=0\) の組は除く)。

x −4−2−10124 y 8ア20イ−4ウ

(1)〜(3) のうち、どれから手をつけると楽でしょうか。

答え
(1) ア 4 イ −2 ウ −8
(2) 2 倍、3 倍…になる
(3) \(\displaystyle −2\)

先に (3) \(\displaystyle 2÷(−1)=−2\) \(\displaystyle (−4)÷2=−2\) → \(\displaystyle y=−2x\)
ア \(\displaystyle (−2)×(−2)=4\) イ \(\displaystyle (−2)×1=−2\) ウ \(\displaystyle (−2)×4=−8\)

【注意】
\(\displaystyle y\) が減っても比例
「−2 倍」ではなく 2 倍(−2 に 2 をかけて −4)

実は、先に (3) から見ると楽 です。\(\displaystyle x\) と \(\displaystyle y\) の両方が分かっている組を使います。

  • \(\displaystyle x=−1\)、\(\displaystyle y=2\) なので、\(\displaystyle 2÷(−1)=−2\)
  • \(\displaystyle x=2\)、\(\displaystyle y=−4\) でも、\(\displaystyle (−4)÷2=−2\)

(3) の答えは −2 です。\(\displaystyle x=0\) の列は、0 ではわれないので使いません。

比例定数が −2 と分かったので、式は \(\displaystyle y=−2x\) です。式があれば (1) が出せます。

  • ア:\(\displaystyle (−2)×(−2)=4\)
  • イ:\(\displaystyle (−2)×1=−2\)
  • ウ:\(\displaystyle (−2)×4=−8\)

(2) は、\(\displaystyle x\) が 1 から 2 になると、\(\displaystyle y\) は −2 から −4 になります。−2 に 2 をかけると −4 なので、2 倍です。\(\displaystyle x\) が 1 から 4 になると、\(\displaystyle y\) は −2 から −8 で、4 倍です。答えは「2 倍、3 倍…になる」です。

x −4−2−10124 y 820−4 アイウ y÷x −2−2−2−2−2−2 わらない 4−2−8 ×2 ×2 ×4 ×4

「\(\displaystyle y\) が減っているから比例ではない」と考えた人や、「−2 倍になる」と書いた人もいるかもしれません。小6 の比例をしっかり覚えていたからこそ出てくる答えです。そういう人は、前の \(\displaystyle y=−3x\) の表を思い出してください。2 倍とは、2 をかけることでした。

1 組の値から比例の式を求める

問3 では、表から \(\displaystyle y÷x\) で比例定数を出しました。では、「\(\displaystyle x=2\) のとき \(\displaystyle y=−8\)」のように、1 組しか分からないときはどうすればいいでしょう。

比例だと分かっていれば、式は \(\displaystyle y=ax\) の形です。分からないのは \(\displaystyle a\) だけなので、\(\displaystyle x\) と \(\displaystyle y\) に数を代入します。

  • \(\displaystyle −8=a×2\)、つまり \(\displaystyle 2a=−8\)
  • これは一次方程式なので、両辺を 2 でわって \(\displaystyle a=−4\)
  • 式は \(\displaystyle y=−4x\)

【決まり】
\(\displaystyle y=ax\) に \(\displaystyle x\)、\(\displaystyle y\) を代入して、\(\displaystyle a\) の方程式を解く。
(\(\displaystyle a=y÷x\) でもよい。\(\displaystyle y\) を \(\displaystyle x\) でわる)

\(\displaystyle y÷x\) で計算しても、\(\displaystyle (−8)÷2=−4\) で同じになります。わるときは、\(\displaystyle y\) を \(\displaystyle x\) でわります。

最後に、\(\displaystyle x=2\) を入れて \(\displaystyle y=−8\) に戻るか確かめておくと安心です。

問4 1 組の値から式を作る

問4 \(\displaystyle y\) は \(\displaystyle x\) に比例し、\(\displaystyle x=−4\) のとき \(\displaystyle y=10\) です。
(1) \(\displaystyle y\) を \(\displaystyle x\) の式で表しなさい。
(2) \(\displaystyle x=6\) のときの \(\displaystyle y\) の値を求めなさい。

答え (1) \(\displaystyle y=−\frac{5}{2}x\) (2) \(\displaystyle y=−15\)
\(\displaystyle 10=a×(−4)\) \(\displaystyle a=−\frac{10}{4}=−\frac{5}{2}\)(− は分数の前)
(2) \(\displaystyle y=−\frac{5}{2}×6=−15\)

【注意】
\(\displaystyle x÷y\) と逆にわって \(\displaystyle −\frac{2}{5}\)、− を忘れて \(\displaystyle \frac{5}{2}\) にしない
確かめ \(\displaystyle −\frac{5}{2}×(−4)=10\) → \(\displaystyle y=10\) に戻る

比例なので、\(\displaystyle y=ax\) と置きます。\(\displaystyle x=−4\)、\(\displaystyle y=10\) を代入すると、\(\displaystyle 10=a×(−4)\)、つまり \(\displaystyle −4a=10\) です。両辺を −4 でわると、\(\displaystyle a\) はマイナス 4 分の 10、約分してマイナス 2 分の 5 です。

式は「\(\displaystyle y\) イコール マイナス 2 分の 5 \(\displaystyle x\)」です。マイナスは分数の前に書きます。

(2) は \(\displaystyle x=6\) を入れて、マイナス 2 分の 5 に 6 をかけて −15 です。

\(\displaystyle y÷x\) で出した人は、\(\displaystyle 10÷(−4)\) でマイナス 2 分の 5 です。同じ答えになっていれば大丈夫です。

まちがえやすい所が 2 つあります。

  1. \(\displaystyle x÷y\) と逆にわって、マイナス 10 分の 4、つまりマイナス 5 分の 2 にしてしまう。
  2. マイナスを付け忘れて、2 分の 5 にしてしまう。

どちらも、解き方の流れはつかめている人に起きやすいミスです。そして、どちらも確かめで見つけられます。求めた式に \(\displaystyle x=−4\) を入れると、マイナス 2 分の 5 に −4 をかけて 10。もとの \(\displaystyle y=10\) に戻るので、合っています。もしマイナス 5 分の 2 だったら、−4 をかけても 5 分の 8 になり、10 には戻りません。

問5 場面の中の負の数を読む

最後は、場面から式を作ります。

正負の数では、反対の向きの量を\(\displaystyle +\)と\(\displaystyle −\)で表しました。東へ 3 km を+3 km とすると、西へ 3 km は −3 km です。場面の中で負の数が出てきたら、それは何かの反対を表しています。

場面の中の負の数
反対の向きの量は + と − で表す
例 東へ 3 km → +3 km 西へ 3 km → −3 km

問5 ある水そうの水面が、1 分間に 2 cm ずつ一定の割合で下がっています。今の水面の高さを 0 とし、今から \(\displaystyle x\) 分後の水面の高さの変化を \(\displaystyle y\) cm とします(上がるときは+、下がるときは − で表します)。
(1) \(\displaystyle y\) を \(\displaystyle x\) の式で表し、比例定数を答えなさい。また、この比例定数は、この場面で何を表していますか。
(2) \(\displaystyle x=−3\) は何を表していますか。そのときの \(\displaystyle y\) の値を求め、その意味を答えなさい。

今 0 1 分に 2 cm 下がる

答え
(1) \(\displaystyle y=−2x\) 比例定数 −2
 1 分あたりの水面の高さの変化(1 分に 2 cm 下がること)
(2) \(\displaystyle x=−3\) は「今から 3 分前」 \(\displaystyle y=6\)
 3 分前の水面は、今より 6 cm 高い所にあった(「6 cm 上がった」ではない)

1 分後 −2 cm 2 分後 −4 cm 3 分後 −6 cm → \(\displaystyle y=−2x\)
\(\displaystyle y=−2×(−3)=6\)

確かめ 水面は下がり続けている → 前のほうが高いはず → \(\displaystyle y\) が正で合う

(1) 式と比例定数
水面は 1 分後に 2 cm 下がるので −2 cm、2 分後は −4 cm、3 分後は −6 cm です。\(\displaystyle y\) は \(\displaystyle x\) に −2 をかけた数なので、\(\displaystyle y=−2x\)、比例定数は −2 です。

比例定数は、\(\displaystyle x\) が 1 のときの \(\displaystyle y\) でした。ですから −2 は「1 分あたり、高さが −2 cm 変わる」、つまり 1 分に 2 cm 下がること を表しています。マイナスを付け忘れて \(\displaystyle y=2x\) にすると、水面が上がる水そうの式になってしまいます。

(2) \(\displaystyle x=−3\) の意味
\(\displaystyle x\) は「今から何分後か」でした。「後」の反対は「前」なので、\(\displaystyle x=−3\) は 「今から 3 分前」 です。\(\displaystyle y=−2×(−3)=6\) になります。

では、この 6 は何を表しているのでしょう。ここが今回いちばん考えこむ所です。

\(\displaystyle y\) は、今の水面を 0 としたときの、その時の水面の高さでした。つまり、今より何 cm 高いか(\(\displaystyle +\))、低いか(\(\displaystyle −\))を表します。だから \(\displaystyle y=6\) は「3 分前に 6 cm 上がった」という意味ではありません。「3 分前の水面は、今より 6 cm 高い所にあった」 という意味です。

今 0 x y 00 1 分後 −2 cm 2 分後 −4 cm 3 分後 −6 cm 123 −2−4−6 −36 3 分前 +6 cm

水そうの図では、上から「3 分前 +6 cm」「今 0」「1 分後 −2 cm」「2 分後 −4 cm」「3 分後 −6 cm」と水面の線が並びます。

「3 分前から今までに 6 cm 下がったのだから −6」と考えた人もいるでしょう。水の動きはちゃんと追えています。ただ、6 cm 下がったのは、3 分前から今までの動きです。\(\displaystyle y\) は今を 0 として 3 分前の位置を表すので、+6 になります。

確かめ:水面はずっと下がり続けているので、前のほうが高かったはずです。\(\displaystyle y\) が正(今より高い)で、場面と合っています。

まとめ

  • \(\displaystyle x\) を 1 つ決めて \(\displaystyle y\) が 1 つに決まれば、\(\displaystyle y\) は \(\displaystyle x\) の関数
  • 変域は不等号で書く。ふくむときは \(\displaystyle ≧\)・\(\displaystyle ≦\)、ふくまないときは \(\displaystyle >\)・\(\displaystyle <\)(端が 2 つで \(\displaystyle x\) をはさむ形なら \(\displaystyle ≦\)・\(\displaystyle <\))
  • 比例は \(\displaystyle y=ax\)。比例定数 \(\displaystyle a\) は負の数でもよい
  • \(\displaystyle a\) が負でも、\(\displaystyle x\) が 2 倍、3 倍なら \(\displaystyle y\) も 2 倍、3 倍。\(\displaystyle y÷x\) は \(\displaystyle a\)(\(\displaystyle x=0\) の組ではわらない)
  • 1 組の \(\displaystyle x\)、\(\displaystyle y\) を \(\displaystyle y=ax\) に代入すれば、式が求まる
  • 場面の中の負の数は、反対の向き(「後」に対する「前」など)を表す

あやふやな所があったら、その見出しに戻って読み直してください。次の回では、この比例をグラフにします。

よくある質問

Q. \(\displaystyle x\) が増えると \(\displaystyle y\) が減るのに、比例と言えるのですか?
A. 言えます。比例かどうかは「\(\displaystyle y=ax\) の形で表されるか」で決まります。「増えると増える」は条件ではありません。\(\displaystyle y=−3x\) でも、\(\displaystyle x\) が 2 倍、3 倍になると \(\displaystyle y\) も 2 倍、3 倍になり、\(\displaystyle y÷x\) はいつも −3 です。\(\displaystyle y\) が減るのは、比例定数が負だからです。

Q. 関数と比例は同じものですか?
A. 同じではありません。比例は関数の中の 1 つの種類です。たとえば、周の長さが 20 cm の長方形の縦 \(\displaystyle x\) cm と横 \(\displaystyle y\) cm(\(\displaystyle y=10−x\))は関数ですが、縦を 2 倍にしても横は 2 倍にならないので、比例ではありません。

Q. 比例定数を求めるとき、\(\displaystyle y÷x\) と \(\displaystyle x÷y\) のどちらですか?
A. \(\displaystyle y÷x\) です。\(\displaystyle y\) を \(\displaystyle x\) でわります。迷ったら、\(\displaystyle y=ax\) に \(\displaystyle x\) と \(\displaystyle y\) を代入して、\(\displaystyle a\) の方程式を解いてもかまいません。求めた式に \(\displaystyle x\) を入れて、もとの \(\displaystyle y\) に戻るか確かめると、逆にわるミスやマイナスの付け忘れに気づけます。

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