中学3年

中3理科|イオンと電池【Step 1a】

栞先生

中3 理科|イオンと電池|Step 1a

この記事でわかること

  • 電解質と非電解質——電気を通すかどうかの分かれ目
  • よくある誤解——3つの引っかかりポイント

※ この記事は上の授業動画の内容をテキストで整理したものです。

栞先生
栞先生
水に溶かした塩化ナトリウムは、水の中で一体どうなっているのでしょう?

学習マップ

この単元の位置づけです。

イオンと電池
──陽イオン・陰イオン・電離──

『電解質』『イオン』が
いきなり出てきて困ってない?
原子の中で何が起きてるかから
ほどいていくよ

 小6 電気の利用
  ↓
 中2 原子・分子
  ↓
 中2 化学変化
  ↓
 中2 オームの法則
  ↓
▶ 中3 イオンと電池(今回はここ)
  ↓
 中3 酸・アルカリ と中和

栞先生
栞先生
水に溶かした塩化ナトリウムは、水の中で一体どうなっているのでしょう?

電離とは、物質が水に溶けたときに陽イオンと陰イオンに分かれる現象です。NaClはNa⁺とCl⁻に分かれ(NaCl → Na⁺ + Cl⁻)、HClはH⁺とCl⁻に分かれます(HCl → H⁺ + Cl⁻)。電離は「化合」や「分解」のような化学変化とは異なり、水中でほどけて散らばるだけです。水を蒸発させればNaClの結晶に戻ります。

電解質と非電解質——電気を通すかどうかの分かれ目

栞先生
栞先生
「塩水は電気を通すが砂糖水は通さない」——この理由を、イオンの言葉で説明できますか?

【ルール④】水にとかしたときの分類

○ 電解質:とけて電離する
  → 水中にイオン → 電気を通す
  例:NaCl / HCl / NaOH

○ 非電解質:とけるが電離しない
  → 分子のまま → 電気を通さない
  例:砂糖 / エタノール

△ 水にとけない物(銅・ガラス)
  → そもそも分類の対象外

水にとかしたときの分類 電解質 水にとけて電離する 塩化ナトリウム NaCl 塩化水素 HCl 水酸化ナトリウム NaOH 水中:イオンに分かれる Na⁺ Na⁺ Na⁺ Cl⁻ Cl⁻ Cl⁻ → 電気を通す NaCl → Na⁺ + Cl⁻ HCl → H⁺ + Cl⁻ 非電解質 水にとけるが電離しない 砂糖 エタノール 水中:分子のまま → 電気を通さない イオンができない ので電流は流れない 水にとけない 分類の対象外 ガラス 水中:とけずに残る 固体のまま 電解質/非電解質 どちらでもない 「水にとけた水溶液」が前提 陽イオン 陰イオン 分子

水の中をイオンが動きまわることで電気の通り道ができます。水に溶けて電離する物質を電解質といい、その水溶液は電気を通します(例:NaCl、HCl、NaOH)。水に溶けても電離しない物質を非電解質といい、分子のまま散らばるためイオンが生じず電気を通しません(例:砂糖、エタノール)。銅やガラスのように水に溶けない物質はこの分類の対象外です。

よくある誤解——3つの引っかかりポイント

栞先生
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理解したつもりでも陥りやすい誤解が3つあります。自分の答えと照らし合わせてみましょう。

【ここでつまずきやすい!】

× 間違い○ 正しい
電子(−)が抜けたから −イオン−が減って +イオン
Cu²⁺ の『2』は原子が2個『2』は価数。位置は右上
砂糖はよくとけるから電解質とけても電離しない=非電解質

①「−の電子が抜けたから−イオン」——−が減ると+が相対的に多くなるため陽イオンになります。②Cu²⁺の「2」を「原子2個」と読む——右上の2は価数(電荷の大きさ)で、原子の個数を示す右下の数字とは別です。③「砂糖はよく溶けるから電解質」——決め手は溶解量ではなく「水中でイオンに分かれるか」です。砂糖は分子のままなので非電解質です。

確認問題④——電解質の定義

栞先生
栞先生
電解質という言葉の定義を、自分の言葉にしてみましょう。

Q4. 塩化ナトリウムや塩化水素のように、
水にとけて陽イオンと陰イオンに
分かれる物質を何という?

(漢字3字で答えよう)

  • ヒント:水中にイオンができる
  • ヒント:その水溶液は電気を通す

【問題】水に溶けて陽イオンと陰イオンに分かれる物質を何というか(漢字3文字)。【正解】電解質。水に溶けても電離しない物質は非電解質といいます。

確認問題⑤——電解質を見分ける

栞先生
栞先生
電解質と非電解質の判断を、具体的な物質で練習しましょう。

Q5. 次のア〜オのうち、水にとかすと
電解質として電気を通す物質を
すべて選ぼう。

  • ア.塩化ナトリウム
  • イ.砂糖
  • ウ.塩化水素(塩酸)
  • エ.エタノール
  • オ.水酸化ナトリウム

【問題】塩化ナトリウム・砂糖・塩化水素・エタノール・水酸化ナトリウムのうち、水に溶かすと電気を通す物質をすべて選べ。【正解】塩化ナトリウム・塩化水素・水酸化ナトリウムの3つ。砂糖とエタノールは水によく溶けますが、分子のまま散らばりイオンが生じないため非電解質です。

まとめ——今回の3つのポイント

栞先生
栞先生
「なぜ電子が抜けると陽イオンになるの?」——自分の言葉でスラッと説明できたら、今回の学習は完成です。

今日のまとめ

① 原子は +(陽子) と −(電子) で
  中性 → 電子が出入りすると イオンに
② 電子を失う → 陽イオン (例 Na⁺)
  電子を受け取る → 陰イオン (例 Cl⁻)
③ 水にとけて電離 → 電解質
  とけても電離しない → 非電解質

  • 【自己点検】
  • なぜ電子が抜けると陽イオン?を自分の言葉で言える?
  • 塩水は通すのに砂糖水は通さない理由を1分で説明できる?
  • あやしい人はもう一度、原子の構造の図に戻ろう

①原子は陽子と電子が同数で電気的に中性。電子の出入りがイオンを生みます。②電子を失うと陽イオン(例:Na⁺)、受け取ると陰イオン(例:Cl⁻)になります。③水中でイオンに分かれる電解質は電気を通し、分かれない非電解質は通しません。電気を通すかどうかは「水中にイオンがあるかどうか」で決まります。

よくある質問

電子が抜けたのに、なぜ「陽イオン(+)」になるのですか?

電子(−)が1個抜けると、残った陽子(+)が相対的に多くなるためです。「−が減った=+が余る」という引き算で考えると混乱しにくくなります。

砂糖は水によく溶けるのに、なぜ非電解質なのですか?

電解質かどうかの基準は「よく溶けるか」ではなく「水中でイオンに分かれるか」です。砂糖は水に溶けても分子のまま散らばるだけでイオンが生じないため、非電解質です。

Cu²⁺の右上の「2」とH₂Oの右下の「2」は何が違うのですか?

Cu²⁺の右上の「2」は価数(電荷の大きさ)、H₂Oの右下の「2」は水素原子の個数を表します。位置が違うと意味が全く変わるため、右上・右下の区別をセットで覚えましょう。

この単元の練習問題ページ(準備中)

この単元の授業

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続けて、上の練習問題や前後の単元でどんどん力をつけよう。(動画への質問はYouTubeのコメント欄でもどうぞ)

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