中1国語|古文の基礎(古語の意味・文の読み方)【Step 2】
中1 国語|古文の基礎(古語の意味・文の読み方)|Step 2
この記事でわかること
- うつくし・あはれ・をかしは現代語と意味が異なり、混同すると定期テストで失点する
- 現代語訳の問題は古語を一語ずつ確認することで正解できる
- 省略された主語は直前の人物とは限らず、動作の流れから補って読む
※ この記事は上の授業動画の内容をテキストで整理したものです。
学習マップ
この単元の位置づけです。
うつくし・あはれ・をかし ― 本当の意味は?
現代語訳と省略された主語のつかみ方を練習しよう
基礎の確認
今日使うポイントをサクッと確認(ピンと来ない人は関連リンクのStep1動画へ)
- 古語の意味の推測 → 現代語と形が同じでも意味がちがう語に注意
- 歴史的仮名遣いの読み方 → ゐ→い、語中のは行→わ行 など
- 注釈の活用 → 語注や現代語訳を手がかりに大意をつかむ
- 主語の省略 → 今日はここを重点的に練習する
演習で使う基礎知識を整理します。古語の意味:うつくし=かわいらしい、あはれ=しみじみとした感動、をかし=趣がある、かなし=いとしい。歴史的仮名遣い:「ゐ→い」「語の途中のは行→わ行」のルールで現代の読み方に直します(例:けふ→きょう)。古文では主語が省略されることが多く、文脈から補いながら読むことが重要です。
省略された主語を補う——例題
翁、庭に出でて花を見る。いとうつくしと思ひてゐたり。
意味は?主語は誰?
「翁、庭に出でて花を見る。いとうつくしと思ひてゐたり。」を例に解説します。「ゐたり」は「ゐ→い」のルールで「いたり」と読みます。「うつくし」の古語の意味は「かわいらしい」です(現代語の「美しい」と混同しないよう注意)。文中に主語の記載はありませんが、直前に登場した「翁」が省略されています。このように省略された主語は、直前の登場人物から補うことが基本の読み方です。
練習問題①——歴史的仮名遣い
次の①・②の古語を、現代仮名遣いに直して、すべてひらがなで書きなさい。
① ゐたり
② あはれ
次の語を現代仮名遣いに直して、ひらがなで書いてください。①「ゐたり」 ②「あはれ」
練習問題①——解答
正解 ① いたり ② あわれ
「ゐ→い」、語の途中のは行は「わ行」に直すルールをそれぞれ適用します。
練習問題②——「うつくし」の意味
ちごの、片言にものなど言ひて、こなたへ寄り来るさま、いと【うつくし】。
(注)ちご=幼い子ども。片言=たどたどしい言葉。こなた=こちら。
- ア 美しくてりっぱだ
- イ 趣があって興味深い
- ウ かわいらしい
- エ かわいそうで気の毒だ
「ちごの、片言にものなど言ひて、こなたへ寄り来るさま、いと【うつくし】。」(注:ちご=幼い子ども、片言=たどたどしい言葉、こなた=こちら)の【うつくし】の意味として最も適切なものを選んでください。ア 美しくてりっぱだ イ 趣があって興味深い ウ かわいらしい エ かわいそうで気の毒だ
練習問題②——解答
正解 ウ かわいらしい
- ア×『美しい』は現代語の意味。たどたどしく話す幼子を『りっぱ』とは言わない
- イ×同じ美意識語『をかし(趣がある)』との取り違え
- エ×『あはれ/かなし』を『気の毒』と誤読した誤答
- ○うつくし=小さいものへの愛情を表す『かわいらしい』が古語本来の意味
アは現代語の「美しい」のまま、イは「をかし」との取り違え、エは「あはれ」との混同——うつくしの本来の意味は「かわいらしい」です。
練習問題③——「あはれ」と「をかし」
秋の夕暮れ、雁の列なりて飛ぶを見て、【あはれ】と思ふ。夏の夜、蛍の飛びかふを見るは、いと【をかし】。
(注)雁(かり)=秋に渡ってくる鳥。
- ア あはれ=かわいそうで気の毒だ/をかし=こっけいでおかしい
- イ あはれ=しみじみとした感動を覚える/をかし=趣があっておもしろい
- ウ あはれ=趣があっておもしろい/をかし=しみじみとした感動を覚える
- エ あはれ=しみじみとした感動を覚える/をかし=こっけいでおかしい
「秋の夕暮れ、雁の列なりて飛ぶを見て、【あはれ】と思ふ。夏の夜、蛍の飛びかふを見るは、いと【をかし】。」の【あはれ】と【をかし】の意味の組み合わせとして正しいものを選んでください。ア あはれ=かわいそう/をかし=こっけい イ あはれ=しみじみとした感動/をかし=趣がある ウ あはれ=趣がある/をかし=しみじみとした感動 エ あはれ=しみじみとした感動/をかし=こっけい
練習問題③——解答
正解 イ
- ア×二語とも現代語の意味(あわれ=かわいそう/おかしい=こっけい)のままの誤り
- ウ×あはれとをかしの意味を入れ替えている
- エ×あはれは合っているが、をかしだけ現代語『おかしい』のままの誤り
- ○あはれ=しみじみとした感動、をかし=趣があっておもしろい。月や花・雁・蛍にも使う
アは両語とも現代語のまま、ウは両語の意味を入れ替えた誤り、エはをかしだけ現代語のまま——あはれは「しみじみとした感動」、をかしは「趣がある」とセットで覚えます。
練習問題④——現代語訳(古語3語)
昔、翁ありけり。春の朝、庭に出でて花を見るに、小さき鳥来て遊ぶ。翁、【いとうつくしと思ひてゐたり】。
(注)翁(おきな)=おじいさん。
- ア とてもかわいらしいと思って、そこに座っていた
- イ とても美しいと思って、そこに座っていた
- ウ とてもかわいらしいと思って、立ち去った
- エ 少しかわいらしいと思って、そこに座っていた
「昔、翁ありけり。春の朝、庭に出でて花を見るに、小さき鳥来て遊ぶ。翁、【いとうつくしと思ひてゐたり】。」の【 】部分の現代語訳として正しいものを選んでください。ア とてもかわいらしいと思って、そこに座っていた イ とても美しいと思って、そこに座っていた ウ とてもかわいらしいと思って、立ち去った エ 少しかわいらしいと思って、そこに座っていた
練習問題④——解答
正解 ア とてもかわいらしいと思って、そこに座っていた
- イ×うつくしを現代語『美しい』で訳した誤り
- ウ×ゐたり(座っていた・そこにいた)を『立ち去った』と誤読
- エ×いと(とても)の程度を『少し』と誤読
- ○いと・うつくし・ゐたりを1つずつ正しく訳す
いと=「とても」(エの「少し」は誤り)、うつくし=「かわいらしい」(イの「美しい」は誤り)、ゐたり=「座っていた」(ウの「立ち去った」は誤り)と1語ずつ確認します。
練習問題⑤——省略された主語の交替
翁、山道を行くに、道のかたはらに、幼子ひとり泣きゐたり。翁、近く寄りて、いかにしたるか、と問ふ。【母を見失ひたり、と答ふ】。翁、その小さき手を取りて、ともに母を尋ねけり。
(注)いかにしたるか=どうしたのか。
- ア 翁
- イ 幼子
- ウ 幼子の母
- エ 翁と幼子の二人
「翁、近く寄りて、いかにしたるか、と問ふ。【母を見失ひたり、と答ふ】。」(注:いかにしたるか=どうしたのか)の「答ふ」の主語として正しいものを選んでください。ア 翁 イ 幼子 ウ 幼子の母 エ 翁と幼子の二人
練習問題⑤——解答
正解 イ 幼子
- ア×直前の主語『翁』をそのまま引き継いだ誤り。問うた人と答えた人は交替する
- ウ×話題に出る『母』を動作主と誤解。母はこの場にいない
- エ×『答ふ』は一人の動作。二人が同時に答えるのは不自然
- ○『問ふ』のは翁、『答ふ』のは幼子。動作の内容と人物関係から主語を補う
「問ふ」の主語は翁、「答ふ」の主語は幼子——問いかけと返答で主語が交替しており、直前の主語(翁)をそのまま引き継いではいけません。
よくある間違いと対策
主語が省略された文 → 直前の主語をそのまま引き継ぐとは限らない。問答では話す人が交替する
頻出ミスは2パターンです。①古語の意味の混同:うつくし(×美しい→○かわいらしい)、あはれ(×かわいそう→○しみじみとした感動)、をかし(×おかしい→○趣がある)——現代語と形が似ていても、意味は別語として覚えることが重要です。②省略された主語の誤引き継ぎ:直前の主語をそのまま使わず、動作の内容(誰が問いかけ、誰が答えているか)から主語を補って読みます。
まとめ
- 古語は現代語と意味がちがうことがある → うつくし・あはれ・をかし は本来の意味で覚える
- 歴史的仮名遣いは読み方だけ現代式に直す(ゐ→い、は行→わ行 など)
- 主語が省略された文は、人物関係と動作の内容から補って読む
自己点検:ちごの『うつくし』の意味、迷わず言えた? あやしい人は①②の解説に戻ってね
この記事のまとめです。①古語は現代語と別の意味を持つ:うつくし=かわいらしい、あはれ=しみじみとした感動、をかし=趣がある。②歴史的仮名遣いは読み方のみ現代式に直す(ゐ→い、は行→わ行)。③省略された主語は人物関係と動作の内容から補って読む。定期テストで古語の意味を確実に得点するため、早見表を手元に置いて繰り返し確認してください。
よくある質問
「うつくし」は現代語の「美しい」と同じ意味ではないのですか?
古語の「うつくし」は「かわいらしい」という意味で、現代語の「美しい」とは異なります。小さいものや幼いものへの愛らしさを表す語です。テストでは現代語の感覚のまま読んでしまう誤りが頻出するため、別語として意味を覚えることが大切です。
古文で主語が省略されているとき、誰の動作かをどう判断すればよいですか?
直前に登場した人物が主語になることが多いですが、問いかけと返答のような場面では主語が交替します。「誰がその動作をするのが自然か」という動作の内容を手がかりに判断してください。
「あはれ」と「をかし」の違いは何ですか?
「あはれ」は秋の夕暮れや遠く飛ぶ雁など胸にしみる場面での「しみじみとした感動」、「をかし」は蛍の光や春の夜明けなど趣ある場面での「趣がある・おもしろい」という意味です。二語はセットで覚え、意味を入れ替えないよう注意しましょう。
この単元の授業
- Step 2(この記事)
関連する記事
▶ 中1国語の単元一覧(全単元の授業・練習問題まとめ)




