中学1年

中1数学|一次方程式【Step 3】

栞先生

中1 数学|一次方程式|Step 3

この記事でわかること

  • 食塩水の混合問題は「食塩の量=濃度×食塩水の量」を保存量として等式を立てれば解ける
  • 位の入れ替えは10a+b・10b+aと表し、条件式で文字を1つに絞るのが立式のコツ
  • 文章題はxを決め→2通りで表す→解く→解の吟味の4ステップで整理できる

※ この記事は上の授業動画の内容をテキストで整理したものです。

栞先生
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公式を覚えているのに文章題で手が止まる——その原因は多くの場合、「何をxに置くか」と「同じ量を2通りで表す」という立式の段階にあります。

学習マップ

この単元の位置づけです。

入試の文章題に挑戦!食塩水・位の入れ替え・比例式

 小6 分数のかけ算・わり算
  ↓
 中1 正負の数
  ↓
 中1 文字と式
  ↓
▶ 中1 一次方程式(今回はここ)
  ↓
 中2 連立方程式
  ↓
 中2 一次関数
  ↓
 中3 二次関数 集中講座

一次方程式の解き方:3ステップ確認

栞先生
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応用問題に入る前に、基本の解き方の流れを確認しておきましょう。

一次方程式の解き方、覚えてる?

ステップやること
① 整数化分数は分母の最小公倍数を、小数は10や100を両辺にかける
② かっこをはずす分配法則でかっこをはずす(符号に注意)
③ 移項→整理文字を左辺・数を右辺に移項(符号を変える)し、ax=bの形にして両辺をaでわる

分数・小数は整数に直す(分母の最小公倍数や10・100を両辺にかける)。②かっこは分配法則で外し、符号に注意する。③文字を左辺・数を右辺に移項してax=bの形にし、両辺をaで割る。この3ステップが基本の流れです。

例題①:分数と小数が混ざった方程式

栞先生
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分数と小数が同じ式に混在するとき、何をかければ一度に整数化できるか考えてみましょう。

ウォーミングアップ: 分数と小数が混ざった方程式を解いてみよう

分母2・5の最小公倍数と小数を消す10がともに10なので、両辺に10をかけると一度に整数化できます。分配法則でかっこを外して同類項をまとめると4x+5=2x+10となり、移項して整理するとx=2.5が答えです。解は整数でなくても構いません。

例題②:比例式の性質と解き方

栞先生
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比例式は日常ではあまり意識しませんが、入試では定番の形式です。a:b=c:dのとき成り立つ等式を確認しましょう。

比例式の性質: a:b=c:d ならば ad=bc(外項の積=内項の積)

文字の位置が変わっても、外項どうし・内項どうしの積が等しい関係は変わらない(対応関係の順序は崩さないよう注意)

 a
  ↓
 b
  ↓
 c
  ↓
 d

比例式の性質:a:b=c:dならば外項の積ad=内項の積bcが成り立ちます。例えば3:4=x:8では3×8=4×xより4x=24、x=6です。対応する順番を入れ替えると別の比例式になるため、内項・外項の対応関係に注意してください。

確認問題①:分数・小数混合の方程式

栞先生
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分数と小数が両方含まれた方程式を解いてください。少し考えてから解答を確認しましょう。

【問題①】方程式 x-43-0.3x=x2+1 を解きなさい。x =(  )

解答①

栞先生
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分母3・2と小数を消す10の最小公倍数30を両辺にかけるのがポイントです。

分母(3,2)と小数(0.3→10倍)を同時に消すには、分母の最小公倍数と10をあわせた数(=30)を両辺にかける

検算: x=-5 を代入して両辺が等しくなることを確かめよう

30をかけると10(x−4)−9x=15x+30となり、整理すると−14x=70よりx=−5。x=−5を代入して両辺が一致するか検算して確認しましょう。

確認問題②:位の入れ替え

栞先生
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2桁の整数があり、一の位は十の位より4大きい。十の位と一の位を入れ替えた数はもとの整数の2倍より12小さい。もとの整数を求めてください。

【問題②】一の位の数が十の位の数より4大きい、2桁の正の整数があります。十の位の数と一の位の数を入れ替えてできる数は、もとの整数の2倍より12小さくなります。もとの整数を求めなさい。もとの整数 =(  )

位の入れ替えを箱で見る もとの整数 入れ替えた整数 ① 一の位は十の位より 4 大きい ② 入れ替えた数 = もとの整数 × 2 − 12 a b b a = 10a + b = 10b + a b = a + 4 10b + a = 2(10a + b) − 12 代入: 10(a+4) + a = 2{10a + (a+4)} − 12 → 11a + 40 = 22a − 4 → a = 4, b = 8 もとの整数 = 48 検算: 84 = 2 × 48 − 12 ✓

解答②

栞先生
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十の位と一の位に別々の文字を置くと文字が2つになり、一次方程式では解けません。一方をもう一方で表して1文字に絞るのが立式のコツです。

未知数はaひとつに絞る: b=a+4を使って一次方程式に帰着させる(a,bを同時に使う解き方は中2で学ぶ連立方程式)

技法: 文章題の立式法(何をxに置くか判断し、立式の手順を踏む)。集中講座で詳しく解説しているよ

位の入れ替えを箱で見る もとの整数 入れ替えた整数 ① 一の位は十の位より 4 大きい ② 入れ替えた数 = もとの整数 × 2 − 12 a b b a = 10a + b = 10b + a b = a + 4 10b + a = 2(10a + b) − 12 代入: 10(a+4) + a = 2{10a + (a+4)} − 12 → 11a + 40 = 22a − 4 → a = 4, b = 8 もとの整数 = 48 検算: 84 = 2 × 48 − 12 ✓

十の位をaとすると条件①より一の位はa+4と表せます。もとの整数=10a+(a+4)=11a+4入れ替えた整数=10(a+4)+a=11a+40。条件②より11a+40=2(11a+4)−12を解くとa=4、一の位は8となり、もとの整数は48です。検算:入れ替えた84は48×2−12=84。

確認問題③:食塩水の混合

栞先生
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5%と10%の食塩水を混ぜて、8%の食塩水を600g作るとき、5%の食塩水を何g混ぜればよいですか。

【問題③】5%の食塩水と10%の食塩水を混ぜて、8%の食塩水を600g作ります。5%の食塩水を何g混ぜればよいですか。(  )g

食塩の量を面積で見る 5% ? g 10% ? g 8% 600 g 5% x g 0.05x 10% (600−x) g 0.10(600−x) 8% 600 g 48 g 0.05x + 0.10(600 − x) = 48 5x + 10(600 − x) = 4800 x = 240 答え: 5%の食塩水 240g、10%の食塩水 360g 検算: 0.05×240 + 0.10×360 = 12 + 36 = 48 ✓

解答③

栞先生
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食塩水を混ぜたとき変わらないのは「濃度」ではなく「食塩の量」です。この視点が立式の核心です。

食塩の量[g] = 濃度 × 食塩水の量。混ぜても保存されるのは食塩の量であって、濃度ではない

5%の食塩水をxgとすると10%の食塩水は(600-x)g → 0.05x+0.10(600-x)=0.08×600

食塩の量を面積で見る 5% ? g 10% ? g 8% 600 g 5% x g 0.05x 10% (600−x) g 0.10(600−x) 8% 600 g 48 g 0.05x + 0.10(600 − x) = 48 5x + 10(600 − x) = 4800 x = 240 答え: 5%の食塩水 240g、10%の食塩水 360g 検算: 0.05×240 + 0.10×360 = 12 + 36 = 48 ✓

食塩の量=濃度×食塩水の量。5%をxgとすると0.05x+0.10(600−x)=0.08×600。両辺を100倍すると5x+10(600−x)=4800、整理するとx=240。5%を240g、10%を360g混ぜます。検算:12+36=48g=8%×600g。

確認問題④:文字係数aを含む方程式

栞先生
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方程式5x−3a=2(x+a)+4の解がx=−2のとき、aの値を求めてください。

【問題④】xについての方程式 5x-3a=2(x+a)+4 の解が x=-2 であるとき、aの値を求めなさい。a =(  )

解答④

栞先生
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「解」とは代入すると両辺が等しくなる値のことです。x=−2をそのまま代入すれば、aだけの方程式が作れます。

方程式の解とは、代入すると両辺が等しくなる値のこと。x=-2を代入すればaだけの等式ができる

x=−2を代入すると−10−3a=−4+2a。整理すると−10=5a、a=−2が求まります。

確認問題⑤:解の吟味が必要な問題

栞先生
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1個120円のドーナツと1個90円のクッキーを合わせて15個買い、代金をちょうど1600円にできるか。方程式を立て、解の吟味を行って結論まで記述してください。

【問題⑤】みかさんは、1個120円のドーナツと1個90円のクッキーを合わせて15個買い、代金の合計をちょうど1600円にしたいと考えています。ドーナツの個数をx個として方程式をつくって解き、ちょうど1600円にすることができるかどうかを答えなさい。書くこと(3点):①つくった方程式、②方程式の解、③解の吟味にもとづく結論とその理由。

ドーナツとクッキーの買い物 — 条件の確認 ドーナツ 1個 120円 クッキー 1個 90円 合わせて 15個 代金の合計 1600円 品名 個数 単価 小計 ドーナツ クッキー 合計 x 個 120 円 120x 円 (15 − x) 個 90 円 90(15 − x) 円 15 個 1600 円 小計の縦の和 120x + 90(15 − x) = 1600 120x + 1350 − 90x = 1600 30x = 250 x = 25 / 3 解の吟味 個数 x は「0 以上 15 以下の整数」でなければならない 25/3 は整数ではない → 条件に合わない ちょうど 1600 円にすることはできない

解答⑤

栞先生
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方程式が解けても、その解が問題の条件に合っているかを確認する解の吟味が必要です。

解答の書き方: ①つくった方程式 ②方程式の解 ③解の吟味にもとづく結論とその理由

解が分数や小数になったら要注意。個数は0以上15以下の整数でなければならない、という条件と照らし合わせるのが解の吟味

ドーナツとクッキーの買い物 — 条件の確認 ドーナツ 1個 120円 クッキー 1個 90円 合わせて 15個 代金の合計 1600円 品名 個数 単価 小計 ドーナツ クッキー 合計 x 個 120 円 120x 円 (15 − x) 個 90 円 90(15 − x) 円 15 個 1600 円 小計の縦の和 120x + 90(15 − x) = 1600 120x + 1350 − 90x = 1600 30x = 250 x = 25 / 3 解の吟味 個数 x は「0 以上 15 以下の整数」でなければならない 25/3 は整数ではない → 条件に合わない ちょうど 1600 円にすることはできない

ドーナツをx個とすると120x+90(15−x)=1600、整理するとx=25/3。個数は整数でなければならないためこの解は条件に合わず、15個で代金をちょうど1600円にすることはできないが結論です。書き問題では①方程式②解③結論(理由を含む)の順で記述してください。

よくある間違い3パターン

栞先生
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解き方の手順を知っていても、決まった場所でつまずきやすいポイントがあります。

見直しポイント

よくある間違い正しい考え方
移項で符号を変え忘れる(x+3=7 を x=7+3としてしまう)移項は符号を変える → x=7-3
かっこの前がマイナスのとき、かっこの中の符号を変え忘れる(5-(x-3)を5-x-3としてしまう)-(x-3)=-x+3。かっこの中の全ての項の符号を変える
食塩水を混ぜたときの濃度を(A+B)÷2で計算してしまう保存されるのは食塩の量。濃度×食塩水の量の和で立式する

移項で符号を変え忘れる:x+3=7の移項は×「x=7+3」→○「x=7−3」。②かっこの前がマイナスのとき、中の全項の符号を変え忘れる:5−(x−3)は×「5−x−3」→○「5−x+3」。③食塩水を混ぜたとき濃度を平均で計算する:混ぜても変わらないのは食塩の量なので、濃度×食塩水の量の和で立式してください。

まとめ:文章題立式の4ステップ

栞先生
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3つの典型パターンの立式を自分の言葉で説明できれば、理解は定着しています。
  • 位の入れ替え: もとの整数=10a+b、入れ替えた整数=10b+a
  • 食塩水: 食塩の量(濃度×食塩水の量)は混ぜても保存される
  • 比例式: a:b=c:d ならば ad=bc

自分でできる? 食塩水・位の入れ替え・比例式の立式が自分の言葉で説明できたら今日はOK。あやしい人は該当セクションに戻ろう

【典型パターン】位の入れ替え:もとの整数=10a+b、入れ替え後=10b+a。食塩水の混合:食塩の量(濃度×食塩水の量)が保存される。比例式:a:b=c:dならad=bc。【文章題の4ステップ】①何をxに置くか決める→②同じ量を2通りで表して方程式を作る→③係数を整数化し移項してax=bを解く→④解の吟味(整数・範囲の条件を確認する)。あやしいパターンがあった場合は、該当セクションに戻って確認してください。

よくある質問

食塩水を混ぜたとき、なぜ濃度を平均するだけではダメなのですか?

濃度は割合なので、食塩水の量が異なるものをそのまま足して平均は取れません。混ぜても変わらないのは食塩の量(固体量)です。「食塩の量=濃度×食塩水の量」で各液の食塩量を求め、その合計が混合後の食塩量と等しいという等式を立ててください。

位の入れ替えの問題で、なぜ十の位と一の位に別々の文字を使ってはいけないのですか?

中学1年生では一次方程式(文字1つ)しか扱わないためです。2つの文字を使うと中学2年で学ぶ連立方程式が必要になります。「一の位=十の位+4」のような条件式で一方を他方で表し、文字を1つに統一してから方程式を立ててください。

解の吟味が必要なのはどんなときですか?

「個数なので整数」「2桁の整数なので十の位は1〜9」など整数・範囲の制約がある問題では必ず必要です。方程式の解が分数や条件外の値になった場合、「この条件を満たす整数は存在しない」という結論になります。

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