中学1年

光の屈折と全反射【中1理科】光が曲がる向きは「空気側の角が大きい」で決まる

栞先生

※ この記事は上の授業動画の内容をテキストで整理したものです。

この記事でわかること

  • 光が境目で曲がる「屈折」とは何か。入射角と屈折角をどこから測るか
  • 光がどちらへ曲がるかを決める、1つの決まり「空気側の角が大きい」
  • 全反射が起こる条件と、カップの水の中のコインが浮いて見える理由

光は境目で曲がる(光の屈折)

光は、空気の中ではまっすぐ進みます。ところが、水やガラスとの境目を通るときには、向きを変えることがあります。

たとえば、水そうの水面に、空気中から斜めに光を当てたとします。光は水面のところで折れ曲がり、水の中を進んでいきます。

空気 水 光

空気と水、空気とガラスのように、種類の違う透明な物の境目を光が斜めに通りぬけると、光は境目で向きを変えて進みます。これを光の屈折といいます。

入射角と屈折角は「垂直な線」から測る

光がどちらへ、どれくらい曲がるのかを言うために、先に角の測り方を決めておきます。

  1. 光が境目に当たった点を O とします。
  2. 空気と水が接している境目の面を、教科書では境界面と呼びます。問題で「境界面」と出てきたら、この境目の面のことです。
  3. O を通って、境界面に垂直な線を点線でかきます。
  4. 入ってくる光と点線のあいだの角が入射角です。
  5. 境目を通りぬけて曲がった光と点線のあいだの角が屈折角です。
空気 水 光 O 境界面 入射角 屈折角

大事なのは、どちらの角も、境界面からではなく、垂直な点線から測ることです。鏡で光がはね返るときの入射角と反射角も、鏡の面に垂直な線から測りました。それと同じです。

実験:直方体のガラスに光を通してみる

曲がり方を、実験で確かめます。

実験のやり方

  1. 記録用紙の上に厚い直方体のガラスを置き、ガラスの形に沿って四角形をかきます。あとでガラスをどけたとき、この四角形の線が境目の面になります。
  2. 光源装置の光を、ガラスの面に斜めに当てます。
  3. 印を4か所につけます。
    ① ガラスに入る前の光の道すじ
    ② 光がガラスに入る点
    ③ 光がガラスから出る点
    ④ 出たあとの光の道すじ

  4. ガラスをどけて、印を線で結びます。②(入る点)と③(出る点)には、四角形の線に垂直な線を点線でかきます。

入るとき:点線に近づく

まず、空気からガラスに入るところを見ます。

記録用紙 ガラス 空気 ① ② ③ 入射角 屈折角 ア イ ウ

空気からガラスに入った光は、点線に近づくように曲がります。入る点の2つの角を比べると、入射角より屈折角のほうが小さくなっています。

出るとき:どうなるか予想しよう

では、ガラスから空気へ出るときはどうなるでしょう。上の図の、出る点からのびている3本の線(ア・イ・ウ)から選びます。

  • ア ガラスの中と同じ向きのまま進む
  • イ もう一度曲がって、入る前の光と同じ向きにもどる
  • ウ さらに点線に近づく

手がかりは、出るときは入るときと逆で、ガラスから空気へ進むということです。読み進める前に、どれか1つ決めてみてください。

結果

記録用紙 ガラス 空気 ① ② ③ 入射角 屈折角 ④ 入射角 屈折角 入る前の光を のばした線

出るときの光は、点線から離れるように曲がりました。

出る点では、光はガラスの中から来ます。なので、ガラスの中の光と点線のあいだが入射角、空気中へ出た光と点線のあいだが屈折角です。比べると、屈折角のほうが入射角より大きくなっています。

図の灰色の破線は、入る前の光をそのままのばした線です。出たあとの光はこの線と平行です。向きはもとにもどって、位置だけが横にずれたのです。答えはイです。

光の進み方曲がり方角の大きさ
空気 → ガラス(入る)点線に近づく屈折角<入射角
ガラス → 空気(出る)点線から離れる屈折角>入射角

決まりは1つだけ:「空気側の角が大きい」

空気と水のあいだでも、光は同じように曲がります。

「入るときは近づく、出るときは離れる」と2つ覚えてもかまいません。でも、2つを別々に覚えると、光の向きが逆になったときにこんがらがりやすくなります。そこで、1つの言い方にまとめます。

空気側の角が大きい

  • 空気から水・ガラスへ入るとき:空気側にあるのは入射角。だから入射角>屈折角。
  • 水・ガラスから空気へ出るとき:空気側にあるのは屈折角。だから屈折角>入射角。
空気 → 水 水 → 空気 空気 水 空気 水 入射角 大 屈折角 屈折角 大 入射角

どちらの向きでも、大きいのは空気側の角です。

もう1つあります。境目の面に垂直に入る光は、曲がらずにまっすぐ進みます。 入射角が0°の光です。

空気 水 垂直に入る (入射角 0°) 曲がらない

問1 屈折角を見つけて、光の進み方を決める

ここまでの決まりを使って、光の進み方を自分で決めてみましょう。このページのいちばん下から、この回のプリント(動画の問いを解くページと、宿題があります)を開けます。プリントを使う人は、そこに書きこみながら考えてください。

問1
(1) 図1 屈折角はア〜エのどれ?
(2) 図2 空気→水。水中の進み方は①〜③のどれ?
(3) 図3 水→空気。空気中の進み方は①〜③のどれ?

O ア イ ウ エ
空気 水 O ① ② ③
空気 水 O ① ② ③

問1 答え (1) ウ (2) ② (3) ③

  • 角は点線から → 点線にくっついている角をさがす
  • (2) 空気→水:空気側=入射角が大きい → 屈折角は小さい → 点線に近づく
  • (3) 水→空気:空気側=屈折角が大きい → 点線から離れる
  • 見るのは「どちらが空気側か」

(1) 屈折角は、点線にくっついている角

O ア イ ウ エ ウ

屈折角も、境目の面に垂直な点線から測ります。曲がって進んだ光と点線のあいだの角なので、ウです。

エを選んだ人は、境目の面から測ったのだと思います。図にはっきりかいてある線から測るのは自然な考え方ですが、角は点線から測ります。ここがいちばん多い取り違えです。角をさがすときは、まず点線を指でなぞって、点線にくっついている角を見つけましょう。

図1には、上と下が何なのかを書いていません。屈折角を見つけるのに、物の種類は要らないからです。

(2) 空気 → 水:点線に近づく

空気 水 O ① ② ③ 大

「空気側の角が大きい」を使います。空気から水へ入る光では、空気側にあるのは入射角です。だから入射角のほうが大きく、水の中の屈折角は小さくなります。屈折角が小さいということは、光が点線に近づくということ。答えは②です。

①を選んだ人は、境目で光が曲がらないと考えたのかもしれません。でも、斜めに当たる光は曲がります。

(3) 水 → 空気:点線から離れる

空気 水 O ① ② ③ 大

今度は水から空気へ出る光なので、空気側にあるのは屈折角です。屈折角のほうが大きくなるので、光は点線から離れるように曲がります。答えは③です。

②を選んだ人は、(2) と同じ「近づく」を当てはめたのだと思います。前の答えを使おうとしたこと自体は悪くありません。ただ、「入射角のほうが大きい」と丸暗記していると、光の向きが逆になったときに、こうして取り違えてしまいます。

入射角か屈折角かで覚えるのではなく、いつも「どちらが空気側か」を見てください。大きいのは空気側の角です。

光の一部はいつもはね返る:反射と全反射

光が境目に当たっても、全部が通りぬけるわけではありません。光の一部は、境目でいつもはね返っています(反射)。 つまり光は、屈折して進む光と、反射する光に分かれます。

空気 水 光源 小 大

上の図で、入射角が「小」の光は、空気中へ出ていく光と、水面ではね返る少しの光に分かれています。

ところが、水やガラスから空気へ出ようとする光では、入射角がある大きさより大きくなると、光は空気中へ出られなくなります。 このとき光は、境目ですべて反射します。これを全反射といいます。図で入射角が「大」の光は、空気中へ出ずに、全部はね返っています。

細いガラスなどの線の中で光に全反射をくり返させると、光を閉じこめたまま遠くまで送れます。これが光ファイバーです。

問2 入射角を大きくしていくと、何が起こる?

入射角が「小」から「大」になる途中で何が起きているのかを考えます。(1) と (2) は、「空気側の角が大きい」を使って考えてみてください。

問2
(1) 水中→水面の光。入射角を少しずつ大きくすると、空気中へ出る光の向きは?最後は?
(2) 空気中→水面の光では、(1)の最後のことは起こらない。理由は?
(3) (1)の最後の現象を利用して、細い線の中に光を閉じこめて遠くまで送る物は?

空気 水 光源 小 大

問2 答え
(1) 屈折角も大きくなり、出る光は水面に近づく → 屈折角90°で水面にそう → それより大きいと出られず、すべて反射(全反射)
(2) 空気→水では屈折角<入射角。屈折角が90°にならず、いつも水中へ入れる
(3) 光ファイバー

全反射の条件(2つ)

  1. 水・ガラス → 空気へ進む光
  2. 入射角が大きい

(1) 出る光が水面に近づき、最後は全反射

空気 水 光源 小 大 中 屈折角が90° 水面にそって進む

水から空気へ出る光は、空気側の屈折角のほうが大きいので、点線から離れる向きに曲がります。

入射角を大きくすると、屈折角も大きくなります。空気中へ出る光は、だんだん水面にそうように寝ていきます(図の「中」の光)。屈折角が90°になると、光は水面にぴったりそって進みます(右の小さい図)。

入射角をそれより大きくしても、屈折角は90°より大きくなれません。そうなると光はもう空気中へ出られず、全部はね返ります。これが全反射です。

答えには、次の2つが入っていれば正解です。

  • 空気中へ出る光が水面に近づく(「屈折角が大きくなる」と書いても正解)
  • 最後はすべて反射する(全反射)

「点線から離れるように曲がる」とだけ書いた答えは、その向きが問1の(3)と同じで、合っています。ただ、それは曲がる向きを言っただけです。入射角を大きくしたときにどう変わるか、にはなっていないので、少し足りません。足りないのは「入射角を大きくすると、出る光が水面に近づいていく(屈折角が大きくなる)」ことです。

図の「小」と「中」でも、水面ではね返る光が少しあります。境目では、光の一部がいつもはね返っているからです。全反射は、それが全部になったときのことです。

(2) 空気から入る光は、いつも水中へ入れる

空気 水 入射角 屈折角 入射角より 小さい

空気から水へ入る光は、点線に近づくように曲がるので、屈折角はいつも入射角より小さくなります。入射角は90°より小さいので、屈折角が90°になることはありません。どんなに斜めに当てても、水中へ入る道があります。だから全反射は起こりません。

「屈折角がいつも入射角より小さいので、いつも水中へ入れる」と書けていれば正解です。

「全反射は、水やガラスから空気へ進む光で起こるから」とだけ書いた答えは、このページの上の「光の一部はいつもはね返る:反射と全反射」で読んだ全反射の条件を、そのままくり返したものです。条件をちゃんと覚えているのはよいことです。ただ、それは条件をくり返しただけで、空気から入る光ではなぜ起こらないのか、の理由にはなっていません。足りないのは「屈折角がいつも入射角より小さい」ことです。そこまで書いてみましょう。

全反射の条件は2つ

  1. 水やガラスから空気へ進む光であること
  2. 入射角が大きいこと

(3) 光ファイバー

答えは光ファイバーです。ガラスの線の中を、光が全反射をくり返して進むので、線が曲がっていても光を遠くまで運べます。

問3 水を注ぐと、見えなかったコインが見える理由

問題の前に、1つ思い出しておきましょう。物が見えるのは、その物から来た光が目に入ったときです。そして、目は、届いた光がまっすぐ進んできたと感じます。 鏡にうつった物が鏡の向こうにあるように見えるのも、このためでした。

この問題で使うのは、屈折と、この目の感じ方の2つです。

問3 カップの底のコイン

  • ななめ上から見る → ふちにかくれて見えない
  • 目を動かさずに水を注ぐ → 見えるようになった
    (1) 見えるようになった理由は?
    (2) コインは実際より上・下のどちらに見える?理由も

思い出そう:目は、届いた光がまっすぐ進んできたと感じる

図1 水を入れる前 コイン 目 図2 水を入れた後 コイン 水 目

問3 答え
(1) コインからの光が水面で屈折し、水面に近づく向きに曲がって、ふちの上を通って目に届くようになったから
(2) 上(浮き上がって見える)
 目は光がまっすぐ来たと感じる → 届いた光を逆にまっすぐのばした線の先に見える

「水が光を持ち上げた」のではなく、「曲がった光をまっすぐだと思いこむ」から浮いて見える

水を入れる前:光がふちにさえぎられる

水を入れる前は、コインから目へまっすぐ向かう光が、手前の左のふちにぶつかって目に届きません。だから見えませんでした。

(1) 水を入れた後:光が水面で曲がって、ふちの上を通る

図1 水を入れる前 コイン 目 図2 水を入れた後 コイン 水 目 見える 位置

水を入れると、コインから出た光は、水から空気へ出るときに水面で曲がります。空気側の角が大きくなるので、光は水面に垂直な点線から離れて、水面に近づく向きに折れます。

水の中では急な角度で上ってきた光が、水面から先は寝た向きに進みます。そのおかげで、左のふちの上を通って目に届くようになるのです。

(1) の答えには、次の2つが要ります。

  • 光が水面で屈折する
  • その結果、ふちの上を通って目に届くようになる

「光が屈折するから」だけでは、なぜ見えるようになったのかまでは言えていません。

(2) コインは上に見える(浮き上がって見える)

答えは上です。

目は、光が水面で曲がってきたことを知りません。届いた光をまっすぐ逆向きにのばした先にコインがある、と感じます。上の図で、目に届いた光を、目から逆にまっすぐのばしてみましょう。目から水面までは、本当の光の線と重なっています。水面から先は、色を変えた青い破線になって、「見える位置」の字がついたうすいコインまでのびています。この線は、本当のコインより上を通っています。だから、コインは浮き上がって見えます。

ここも「上。光が屈折するから」だけでは足りません。「目は光がまっすぐ来たと感じるので、届いた光を逆にのばした先に見える」まで書けて満点です。

水が光を持ち上げたのではありません。曲がってきた光を、目がまっすぐ来たと思いこむから、浮いて見えるのです。

まとめ

  1. 光が、種類の違う透明な物の境目で曲がるのが屈折。角は、境目の面に垂直な線から測る。
  2. 曲がり方は「空気側の角が大きい」の1つで決められる。面に垂直に入る光は曲がらない。
  3. 全反射は、「水・ガラス → 空気」へ出る光で、「入射角が大きい」ときに起こる。空気から入る光では起こらない。利用した物が光ファイバー。
  4. 水の中の物が浮いて見えるのは、曲がってきた光を、目がまっすぐ来たと感じるから。

この4つを、自分の言葉で言えるか確かめてみてください。言えないところがあれば、その見出しに戻って読み直せば大丈夫です。このページの下から、プリントと練習問題で、もう一度使ってみましょう。

よくある質問

Q. 入射角や屈折角を、境界面(境目の面)から測ってはいけないのですか?
A. いけません。どちらの角も、光が当たる点を通って境界面に垂直な線(点線)から測ります。鏡の反射で、入射角と反射角を鏡の面に垂直な線から測ったのと同じです。角をさがすときは、まず点線を指でなぞって、点線にくっついている角を見つけましょう。

Q. 「入射角のほうが大きい」と覚えておけばいいのではないですか?
A. それが言えるのは、空気から水やガラスへ入るときだけです。水やガラスから空気へ出るときは、屈折角のほうが大きくなります。入射角か屈折角かで覚えるのではなく、いつも「どちらが空気側か」を見て、「空気側の角が大きい」と考えれば、どちらの向きでも迷いません。

Q. 全反射は、空気から水に入る光でも起こりますか?
A. 起こりません。空気から水へ入る光は、屈折角がいつも入射角より小さいので、屈折角が90°になることがなく、どんなに斜めに当てても水中へ入れます。全反射が起こるのは、水やガラスから空気へ進む光で、入射角が大きいときだけです。

この単元の練習問題ページへ →
解答・解説つきの演習プリント(別ページ)

この単元の授業

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