中2国語|古文の読解(随筆・日記等)【Step 1a】
中2 国語|古文の読解(随筆・日記等)|Step 1a
この記事でわかること
- 『枕草子』と『徒然草』は、作者・時代・特徴を組で整理します。
- 章段の主題は、場面や行動と作者の感じ方を結んで読み取ります。
- 係り結びは、係助詞・結びの活用形・意味を一組で確かめます。
※ この記事は上の授業動画の内容をテキストで整理したものです。
学習マップ
この単元の位置づけです。
古文は、言葉の意味を追えても、作者の見方や文末の形がつながりにくいところで混乱しやすい。
「花こそ咲け。」では、こそを受けて文末が已然形になる。係り結びが見えると、強調された箇所までつかめる。
随筆の内容と係り結びを結びつけると、古文の文章を筋道立てて読みやすくなる。
心に浮かんだことを書きとめる
スマホのメモやSNSに、今日見た景色やふと感じたことを書きとめること、あるよね。清少納言や兼好法師も、同じように心に浮かんだことを自由に書きつけていた。それをまとめたのが随筆——枕草子と徒然草だよ。
随筆とは何か
随筆=見聞や感想を自由な形式で綴った文学
- 枕草子:清少納言が著した平安時代の随筆
- 徒然草:兼好法師が著した鎌倉時代の随筆
- すべての古文が随筆なのではなく、ここではこの二作品を扱う
枕草子の基本
| 作品 | 作者 | 時代 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 枕草子 | 清少納言 | 平安時代 | 「をかし」の美意識 |
- をかし=趣がある・興味深い・風情がある
- 清少納言は、一条天皇の中宮定子に仕えた女房
作品名・作者・時代の対応は、知識として組にして覚えておこう。
作品名・作者・時代・特徴を一組にし、作品名から残りを思い出す整理は、二作品の知識問題に使えます。
作者を確かめる観点
- 作品名と作者の対応を見る
- 作者と、その周囲の人物を混同しない
確認問題①
平安時代の随筆『枕草子』を書いた人物を選びなさい。
- ア 兼好法師
- イ 清少納言
- ウ 一条天皇
- エ 藤原道長
確認問題① 答え
答え:イ 清少納言
- 『枕草子』の作者は清少納言
- 清少納言は、一条天皇の中宮定子に仕えた女房
徒然草の基本
| 作品 | 作者 | 時代 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 徒然草 | 兼好法師 | 鎌倉時代 | 無常観・処世観 |
- 無常観=この世のものは移り変わってとどまらないという見方
- 処世観=世の中をどう生きていくかについての考え方
- 兼好法師は若くして出家した後も、貴族・武士・庶民と交流した
- 序段を含む全244段からなる
作品は序段を含む全244段からなります。
二つの随筆を対比する
| 作品 | 作者 | 時代 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 枕草子 | 清少納言 | 平安時代 | 「をかし」の美意識 |
| 徒然草 | 兼好法師 | 鎌倉時代 | 無常観・処世観 |
作品の味わいがつかみにくいときは、まずこの表の対応を手がかりにし、本文で作者の見方を確かめよう。
対応を整理する観点
- 作品ごとに「作者・時代・特徴」を一組として見る
- 語句を二作品の欄へ振り分ける
確認問題②
『枕草子』と『徒然草』について、作者・時代・特徴が正しくなるように、①〜⑥に当てはまる語句を【語句】から選びなさい。
『枕草子』 作者:① 時代:② 特徴:③
『徒然草』 作者:④ 時代:⑤ 特徴:⑥
【語句】清少納言/兼好法師/平安時代/鎌倉時代/「をかし」の美意識/無常観・処世観
確認問題② 答え
答え:① 清少納言/② 平安時代/③ 「をかし」の美意識/④ 兼好法師/⑤ 鎌倉時代/⑥ 無常観・処世観
| 空欄 | 答え |
|---|---|
| ① | 清少納言 |
| ② | 平安時代 |
| ③ | 「をかし」の美意識 |
| ④ | 兼好法師 |
| ⑤ | 鎌倉時代 |
| ⑥ | 無常観・処世観 |
『枕草子』は平安時代の随筆、『徒然草』は鎌倉時代の随筆。作者と特徴も作品ごとに組で押さえる。
時代背景の基礎語
| 語句 | 意味 |
|---|---|
| 中宮 | 天皇の后の称号 |
| 女房 | 天皇・皇族・貴族に仕えた女性の呼称 |
| 出家 | 僧侶となり、仏道修行に入ること |
定子は一条天皇の中宮で、清少納言は定子に仕えた女房。兼好法師は若くして出家した。
確認問題③
次の語句と意味が正しく対応するように、①〜③に当てはまる記号を【意味】から選びなさい。
中宮=①
女房=②
出家=③
【意味】
ア 天皇の后の称号
イ 僧侶となり、仏道修行に入ること
ウ 天皇・皇族・貴族に仕えた女性の呼称
確認問題③ 答え
答え:① ア/② ウ/③ イ
| 空欄 | 答え | 対応する意味 |
|---|---|---|
| ① | ア | 中宮=天皇の后の称号 |
| ② | ウ | 女房=天皇・皇族・貴族に仕えた女性 |
| ③ | イ | 出家=僧侶となり仏道修行に入ること |
章段の主題を読む
九月ばかり、夜一夜降りあかしつる雨の、今朝はやみて、朝日いとけざやかにさし出でたるに、前栽の露こぼるばかりぬれかかりたるも、いとをかし。透垣の羅文、軒の上などに、かいたる蜘蛛の巣のこぼれ残りたるに、雨のかかりたるが、白き玉を貫きたるやうなるこそ、いみじうあはれにをかしけれ。
時・天気・目に映るものを捉え、作者の感じ方と結ぶと、主題は雨上がりの朝の情景の美しさだと読めます。
法師の行動と気持ちを読む
法師は満足しているが、肝心の石清水を拝めていないことには気づいていない。主題は「少しのことにも、先達はあらまほしきことなり」。
本人は満足していますが、肝心の石清水を拝めていません。このずれから、わずかなことにも案内役が望ましいという主題を捉えられます。
係り結びの法則
| 係助詞 | 文末の活用形 | 添える意味 |
|---|---|---|
| ぞ・なむ | 連体形 | 強調 |
| や・か | 連体形 | 疑問・反語 |
| こそ | 已然形 | 強調 |
係助詞として使われ、文末の語と結びつく場合の法則。文章中に同じ文字があるだけで判断せず、係助詞と結びを組で確かめる。
係助詞として文末と結び付く場合の法則なので、同じ文字だけで決めず、係助詞・結び・文脈を確かめます。
こそと文末の結び
対応が難しく感じたら、まず係助詞と結びの形の表を手がかりにしよう。文章で確かめる余裕が出たら、二つの対応をもう一度見直せばよい。
係り結びを例文で確かめる
| 例文 | 係助詞 | 結び | 意味 |
|---|---|---|---|
| 花ぞ咲く。 | ぞ | 連体形「咲く」 | 強調 |
| 花こそ咲け。 | こそ | 已然形「咲け」 | 強調 |
| 何事かありけん | か | 連体形「けん」 | 疑問 |
係助詞、文末、活用形の順に確かめ、意味は文脈で判断します。「や・か」は疑問にも反語にもなるため、形だけでは決めません。
結びの形を選ぶ観点
- 係助詞をまとまりで見る
- 対応する結びが連体形か已然形かを選ぶ
確認問題④
係り結びについて、係助詞を受けた文末の活用形が正しくなるように、①〜③に「連体形」または「已然形」を入れなさい。
ぞ・なむ → ①
や・か → ②
こそ → ③
確認問題④ 答え
| 空欄 | 答え |
|---|---|
| ① | 連体形 |
| ② | 連体形 |
| ③ | 已然形 |
「ぞ・なむ・や・か」があると文末は連体形になり、「こそ」があると文末は已然形になる。
確認問題⑤
係助詞「や」は、文の意味によって疑問の意味にも反語の意味にもなる。「花や咲く。(花は咲くだろうか。)」で、係助詞「や」が添えている意味を選びなさい。
- ア 疑問
- イ 反語
- ウ 強調
確認問題⑤ 答え
答え:ア 疑問
- 「花や咲く。」は「花は咲くだろうか」と問いかける文なので、「や」は疑問の意味を添える
- 同じ「や」でも「咲くだろうか、いや咲きはしない」と打ち消す気持ちで使えば反語になる
- 疑問か反語かは、形だけでなく文の内容で決まる
古文本文の係り結び
白き玉を貫きたるやうなるこそ、いみじうあはれにをかしけれ。
本文から抜き出す観点
- 係り結びを起こす語を一語だけ抜き出す
- 結びの形も手がかりとして確かめる
確認問題⑥
つれづれなるままに、日暮らし、硯に向かひて、心に移りゆくよしなしごとを、そこはかとなく書きつくれば、あやしうこそものぐるほしけれ。
次の『徒然草』序段の一部から、係り結びを起こしている係助詞を一語抜き出しなさい。
「あやしうこそものぐるほしけれ。」
確認問題⑥ 答え
答え:こそ
- 係助詞は「こそ」
- 「こそ」を受けて、文末が已然形の「ものぐるほしけれ」で結ばれている
よくある間違い
× 一語ずつ置き換えた文で、意味が通らないまま終える
○ 現代語訳は、文脈から場面と気持ちをつかみ、自然な日本語に整える
× 係助詞だけを見つけ、文末を確かめない
○ 係助詞と結びの活用形を一組で確かめる
係助詞だけで終えず、対応する文末と活用形まで一組で確認すると、形と意味がつながります。
確認問題⑦
さて、かたへの人にあひて、「年ごろ思ひつること、果たしはべりぬ。聞きしにも過ぎて尊くこそおはしけれ。そもそも、参りたる人ごとに山へ登りしは、何事かありけん、ゆかしかりしかど、神へ参るこそ本意なれと思ひて、山までは見ず。」とぞ言ひける。少しのことにも、先達はあらまほしきことなり。
石清水を拝みに一人で出かけた法師について、次の『徒然草』の一文を読んで、この一文に書かれている法師の行動を選びなさい。
「極楽寺・高良などを拝みて、かばかりと心得て帰りにけり。」
- ア 法師は案内者と山へ登った。
- イ 法師は極楽寺・高良などを拝まずに帰った。
- ウ 法師は極楽寺・高良などを拝んで帰った。
- エ 法師はほかの参詣者と一緒に山へ登った。
確認問題⑦ 答え
答え:ウ 法師は極楽寺・高良などを拝んで帰った。
- 「拝みて」=拝んで
- 法師はそれで参詣を果たしたと思って帰った
- しかし、肝心の石清水は拝めていなかった
随筆の読解をまとめる
- 枕草子=清少納言・平安時代・「をかし」の美意識
- 徒然草=兼好法師・鎌倉時代・無常観・処世観
- 係り結びは、係助詞→結びの活用形→添える意味を一組で見る
雨上がりの章段の主題と、「こそ」の結びが自分の言葉で説明できるか確かめよう。迷うところがあれば、主題の読み方か係り結びの表に戻る。
この先は、日記文学や古文の敬語も名前に出てくる。ここでは仕組みには踏み込まない。
係り結びは、係助詞・結びの活用形・意味を一組で見ます。まず形の組を確かめ、意味は文脈に戻って判断しましょう。
よくある質問
『枕草子』と『徒然草』の作者をどう区別すればよいですか。
二作品を続けて覚えると混ざりやすいところです。作品名・作者・時代・特徴を一組ずつに分け、作品名を見て残りを言えるか確かめましょう。
「や」がある文は強調と考えてよいですか。
「ぞ・なむ・こそ」の強調と取り違えやすいところです。「や・か」は疑問や反語を添えるので、文全体の意味からどちらかを判断します。
係助詞を見つければ係り結びの問題は解けますか。
係助詞だけで答えたくなるのは自然ですが、対応する文末まで見る必要があります。係助詞と結びの活用形を一組にし、最後に意味を文脈で確かめましょう。
仁和寺の法師は山へ登ったのですか。
ほかの参詣者が登るのを見たため、法師も登ったように読み違えやすい場面です。法師は極楽寺・高良などを拝んで帰り、山へは登りませんでした。
解答・解説つきの演習プリント(別ページ)
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