方程式の文章題の解き方|4つの手順と「ことばの式」で、代金・余る足りないの問題を解こう
※ この記事は上の授業動画の内容をテキストで整理したものです。
この記事でわかること
- 文章題を方程式で解くときの「4 つの手順」
- 式を作る前に「ことばの式」を書くやり方と、かっこが要るとき
- 代金と個数の問題、あめを配って「余る・足りない」問題の式の作り方
文章題で手が止まるのはなぜ?
これまでの方程式の問題では、はじめから式が書いてありました。文章題では、その式を自分で作ります。手が止まりやすいのは、ここです。
では、何が分かれば式を作れるのでしょうか。
方程式は「左辺=右辺」の形をした等式でした。つまり、文章の中から「この量とこの量が等しい」という関係を 1 つ見つければ、それが式になります。
文章題を解く 4 つの手順
文章題は、次の 4 つの手順で解きます。
- 何を x にするか決める
- 等しい関係を見つける(ことばの式 → 文字の式)
- 方程式を解く
- 確かめて、単位をつけて答える
1 つずつ見ていきましょう。
① 何を x にするか決める
ふつうは、求めたい数を x にします。
② 等しい関係を見つける
文章の中で同じ量を表しているものを探して、「=」でつなぎます。
③ 方程式を解く
これまでに習った解き方が、そのまま使えます。
- かっこがあれば、はずす
- 移項して、x の項を一方の辺に、数の項をもう一方の辺に集める(移項すると符号が変わる)
- 両辺を x の係数でわる
④ 確かめて、単位をつけて答える
出た答えを文章に戻して、本当に話が合うかを確かめます。そのうえで「何個」「何人」のように単位をつけて答えます。
この中でいちばん難しいのは ② です。ほかの 3 つは、慣れればだいたい決まった作業です。でも ② は、文章をよく読まないと進めません。そこで次は、② をやりやすくするコツを紹介します。
② のコツ:「ことばの式」を先に書く
いきなり x の式を書こうとすると、文章のどこを式のどこに入れればいいのか迷いがちです。そこで、まず「ことばの式」を書きます。
ことばの式とは、等しい関係を、ことばのまま「=」でつないだ式のことです。
たとえば「ある数に 4 をたした数は、10 です。」という文。「は」の前と後ろが等しいので、ことばの式はこうなります。
(ある数に 4 をたした数)= 10
ここで、ある数を x にすると、
x+4=10
ことばの式を先に書いておくと、左辺と右辺がそれぞれ何を表しているかがはっきりします。あとは 1 つずつ文字に置きかえるだけです。
決まり:ことばの順番どおりに式にする
置きかえるときは、ことばの順番どおりに式にします。次の 2 つをくらべてみてください。
「ある数を 3 倍して 1 をひく」
先に 3 倍して 3x、次に 1 をひいて → 3x−1「ある数から 1 をひいて 3 倍する」
先に 1 をひいて x−1、そのまとまり全体を 3 倍するので → 3(x−1)
2 つ目でかっこをつけないと、x だけを 3 倍したことになってしまいます。2 つの式は見た目が似ていますが、別の式です。「まとまり全体を〇倍する」ときは、かっこが要ります。
問 1:ある数を求める問題
さっそく、4 つの手順で解いてみましょう。
問 1
ある数を 3 倍して 5 をひいた数は、ある数に 7 を加えて 2 倍した数に等しくなります。ある数を求めなさい。
ことばの式を書いてから方程式にしてみてください。答えと解き方はすぐ下にあります。
答え 19
① ある数を x
② (3 倍して 5 をひく)=(7 を加えて 2 倍)
3x−5=2(x+7)
③ x=19
④ 19×3−5=52、(19+7)×2=52
【注意】7 を加えて 2 倍 → 2(x+7)(2x+7 は順番が逆)
解き方をくわしく
① 何を x にするか
ある数を x とします。
② 等しい関係を見つける
文章に「等しくなります」とあります。等しいのは、この 2 つです。
(ある数を 3 倍して 5 をひいた数)=(ある数に 7 を加えて 2 倍した数)
これがことばの式です。順番どおりに文字の式にします。
- 左辺:3 倍して 3x、5 をひいて 3x−5
- 右辺:先に 7 を加えて x+7、そのまとまりを 2 倍して 2(x+7)
なので、方程式は 3x−5=2(x+7) です。
ここで、右辺を 2x+7 と書いた人もいるかもしれません。「2 倍」と「7」をどちらも読み取れているので、そこはできています。ただ、2x+7 は「x を 2 倍してから 7 を加えた数」です。文章とは、計算の順番が逆になっています。
③ 方程式を解く
かっこをはずして、3x−5=2x+14
2x を左辺に、−5 を右辺に移項して、3x−2x=14+5
x=19
④ 確かめる
文章に戻します。
- 19 を 3 倍して 5 をひくと、19×3−5=52
- 19 に 7 を加えて 2 倍すると、(19+7)×2=52
どちらも 52 で等しいので、合っています。答えは 19 です。
確かめをすると、間違いに自分で気づける
もし 2x+7 で式を作ると、x=12 になります。これを確かめてみると、
- 12 を 3 倍して 5 をひくと 31
- 12 に 7 を加えて 2 倍すると 38
等しくなりません。このように、④ の確かめをすれば、式の間違いに自分で気づくことができます。
代金と個数の問題で使う 2 つのこと
次は買い物の問題です。その前に、使うことを 2 つ確認しておきます。
知りたい数が 2 つあるとき
2 種類の物を買う問題では、知りたい数が 2 つ出てきます。でも、x にできるのは 1 つだけです。もう 1 つは、x を使って表します。
合計の個数が分かっていれば、表せます。たとえば、合わせて 10 個買ったとき、
- 一方が 3 個なら、もう一方は 10−3=7(個)
- 一方が x 個なら、もう一方は (10−x) 個
10−x はひとまとまりの数なので、かっこをつけて (10−x) と書きます。
決まり:代金=1 個の値段×個数
小学校から使っている式です。
- 1 個 50 円を 4 個 → 50×4=200(円)
- 1 個 50 円を x 個 → 50×x=50x(円)
個数が x を使った式になっても、やることは同じです。かけ算で代金を表せます。
問 2:りんごとみかんの代金の問題
問 2
1 個 120 円のりんごと 1 個 80 円のみかんを合わせて 15 個買ったら、代金の合計は 1520 円でした。りんごとみかんをそれぞれ何個買いましたか。
数がたくさん出てくるので、頭の中だけで考えるとごちゃごちゃしやすい問題です。下のような表にまとめると整理できます。
この表は、列が「りんご」「みかん」「合計」、行が「1 個の値段」「個数」「代金」です。はじめに分かっているのは、1 個の値段(りんご 120 円、みかん 80 円)と、合計の個数 15 個、合計の代金 1520 円だけです。りんごとみかんの個数と代金の 4 つのマスが空いています。ここを埋めてから、ことばの式を考えます。
答え りんご 8 個、みかん 7 個
① りんごを x 個 → みかんは (15−x) 個
②(りんごの代金)+(みかんの代金)=1520
120x+80(15−x)=1520
③ 120x+1200−80x=1520
120x−80x=1520−1200
40x=320
x=8
みかん 15−8=7
④ 120×8+80×7=960+560=1520
8+7=15
【注意】聞かれているのは 2 つ
x=8 で終わらず、両方答える
解き方をくわしく
① 何を x にするか
りんごを x 個とします。合わせて 15 個なので、みかんは (15−x) 個です。これで表の個数の行が埋まります。
次に代金の行です。代金=1 個の値段×個数 なので、
- りんごの代金:120×x=120x 円
- みかんの代金:80×(15−x)=80(15−x) 円
80 は 15−x のまとまり全体にかかるので、ここでもかっこが要ります。
表のすべてのマスを埋めると、こうなります。
個数の行は x、15−x、15。代金の行は 120x、80(15−x)、1520 です。
② 等しい関係を見つける
表の代金の行を横に見ると、りんごの代金とみかんの代金を合わせて 1520 円です。ことばの式は、
(りんごの代金)+(みかんの代金)=1520
文字の式にすると、
120x+80(15−x)=1520
③ 方程式を解く
かっこをはずします。80×15=1200、80×(−x)=−80x なので、
120x+1200−80x=1520
x の項を左辺、数の項を右辺に集めて、120x−80x=1520−1200
40x=320
両辺を 40 でわって、x=8
りんごは 8 個です。
ここで終わりにしないこと! x が出るとほっとして手を止めたくなりますが、聞かれているのはりんごとみかんの 2 つです。みかんは 15−8=7 個です。
④ 確かめる
- 代金:120×8+80×7=960+560=1520(円)
- 個数:8+7=15(個)
文章の 2 つの条件のどちらにも合っています。答えは、りんご 8 個、みかん 7 個です。
なお、みかんを x 個にしても解けます。そのときは x=7 が出て、りんごは 15−7=8 個。どちらを x にしても、答えは同じになります。
「余る・足りない」問題の考え方
最後は、物を配る問題です。「5 個ずつ配ると余る」「7 個ずつ配ると足りない」のような文章は、何と何が等しいのかが見つけにくいですね。
そこで、まずは人数が分かっている例で考えてみます。
例)3 人の子どもにあめを配る
4 個ずつ配ると 2 個余るとき
配ったのは 4×3=12 個。それに余った 2 個があるので、
あめ=4×3+2=14 個
5 個ずつ配ると 1 個足りないとき
全員に配るには 5×3=15 個要ります。でも、あめはそれより 1 個少ないので、
あめ=5×3−1=14 個
この様子を線の図(線分図)にすると、次のようになります。
上の線は、4 個ずつ 3 人に配った 12 個の右に、余りの 2 個をつなげたものです。全体があめの 14 個です。
下の線は、5 個ずつ 3 人分の、要る 15 個です。そのうち右端の 1 個分は点線になっていて、これが足りない 1 個です。点線の手前(実線の右端)は、上の線の右端とそろっています。どちらも実際にあるあめの数 14 個だからです。
どちらの配り方でも 14 個。配り方を変えても、あめの数そのものは変わりません。
決まり:同じ量を 2 通りの式で表して「=」でつなぐ
同じあめの数を、2 通りの式で表せました。人数が分からないときは、人数を x にすれば、同じように 2 通りの式が作れます。その 2 つを「=」でつなげば、方程式になります。
問 3:あめを配る問題
問 3
何人かの子どもにあめを配ります。1 人に 5 個ずつ配ると 12 個余り、7 個ずつ配ると 6 個足りません。子どもの人数とあめの個数を求めなさい。
前の節の「例)3 人の子どもにあめを配る」で見た線分図(上下 2 本の線の図)を思い出しながら考えると、進めやすくなります。
答え 子ども 9 人、あめ 57 個
① 子どもを x 人とする
② 5 個ずつ:あめ=5x+12
7 個ずつ:あめ=7x−6
(5 個ずつのあめの数)=(7 個ずつのあめの数)
5x+12=7x−6
③ 12+6=7x−5x
18=2x
x=9
あめ 5×9+12=57
④ 7 個ずつ:7×9=63 個要る
63−57=6 → 6 個足りない(文章に合う)
【注意】あめの数を表すとき
余る → 配った分に たす(+)
足りない → 要る分から ひく(−)
解き方をくわしく
① 何を x にするか
子どもの人数が分からないので、子どもを x 人とします。
② 等しい関係を見つける
あめの数を 2 通りに表します。線分図で見てみましょう。
上の線(5 個ずつ配ったとき)
配ったのは 5×x=5x 個。そこに余った 12 個を足すと、全部のあめになります。
あめ=5x+12
下の線(7 個ずつ配るとき)
全員に配るには 7x 個要ります。でも、6 個足りません。図の点線の部分が、この足りない 6 個です。実際のあめは要る数より 6 個少ないので、
あめ=7x−6
上の線の右端と、下の線の点線の手前(実線の右端)がそろっています。どちらも、実際にあるあめの数だからです。点線まで入れた下の線全体は、要る数の 7x 個で、あめの数ではありません。
ことばの式は、
(5 個ずつのときのあめの数)=(7 個ずつのときのあめの数)
文字の式にすると、
5x+12=7x−6
③ 方程式を解く
x の項はどちらの辺に集めてもかまいません。ここでは右辺に集めると、x の係数が正のまま計算できます。
5x を右辺に、−6 を左辺に移項します。移項すると符号が変わるので、5x は −5x に、−6 は +6 になります。
12+6=7x−5x
18=2x
両辺を 2 でわって、9=x、つまり x=9
子どもは 9 人です。
これも、聞かれているのは 2 つです。あめの数は、5x+12 の x に 9 を入れて、
5×9+12=57 個
④ 確かめる
9 人に 7 個ずつ配るには、7×9=63 個要ります。あめは 57 個なので、63−57=6 個足りません。文章の「6 個足りません」と合っています。
答えは、子ども 9 人、あめ 57 個です。
よくある間違い:足りないときに「+6」にしてしまう
足りないときのあめの数を 7x+6 としてしまう間違いは、とても多いです。「6 個」と聞くとたしたくなる気持ちは分かりますし、文章に出てきた数を式に入れようとするのは大事な考え方です。
でも、足りないということは、要る数より実際のあめが少ないということです。だから、ひきます。
7x+6 で解くと、x=3、あめは 27 個になります。文章に戻すと、3 人に 7 個ずつなら 21 個で足りて、6 個余ってしまいます。文章と合いません。ここでも、確かめれば間違いに気づけます。
あめの数を表すときは、
- 余る → 配った分に たす(+)
- 足りない → 要る分から ひく(−)
まとめ
文章題は 4 つの手順で解く。
① 何を x にするか決める ② 等しい関係を見つける ③ 方程式を解く ④ 確かめて、単位をつけて答える② は、ことばの式を先に書いてから文字の式に直す。ことばの順番どおりに式にし、まとまり全体を〇倍するときはかっこをつける。
- 代金の問題では、代金=1 個の値段×個数。もう一方の個数は(合計−x)で表す。
- 余る・足りない問題では、同じ量を 2 通りに表して「=」でつなぐ。
問 1〜問 3 のような文章題で、4 つの手順にそって、ことばの式から自分で方程式を作り、確かめて答えられたら、この回の内容は身についています。配る問題なら、「同じ量を 2 つの式で表して、=でつなげば方程式になる」と自分で言えるかが目安です。
あやしいところがあれば、その見出しに戻って読み直してみてください。自分のペースで大丈夫です。ページの下のプリントや練習問題で、実際に手を動かして解いてみましょう。
よくある質問
Q. 何を x にすればいいのか分かりません。
A. ふつうは、求めたい数を x にします。問 2 のように知りたい数が 2 つあるときは、どちらか 1 つを x にして、もう一方は「合計−x」のように x を使って表します。問 2 では、りんごを x にしても、みかんを x にしても、答えは同じになります。
Q. 2(x+7) と 2x+7 の違いがよく分かりません。
A. 計算の順番が違います。2(x+7) は「x に 7 を加えて、そのまとまり全体を 2 倍した数」です。2x+7 は「x を 2 倍してから 7 を加えた数」です。ことばの順番どおりに式にして、まとまり全体を〇倍するときはかっこをつけましょう。迷ったら、出た答えを文章に戻して確かめると、間違いに気づけます。
Q. 「足りない」のに、どうしてひくのですか?
A. 「足りない」ということは、全員に配るのに要る数より、実際のあめが少ないということだからです。問 3 なら、要るのは 7x 個で、実際のあめはそれより 6 個少ないので 7x−6 です。余るときは、配った分に余りをたします(5x+12)。
解答・解説つきの演習プリント(別ページ)
この単元の授業
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