入試でよく出る一次方程式の解き方:分数・小数・比例式・a の値を求める問題
※ この記事は上の授業動画の内容をテキストで整理したものです。
この記事でわかること
- 分数・小数・かっこが混ざった一次方程式を、まちがえずに解くやり方
- 両方の比に x がある比例式を、「外側の項の積=内側の項の積」で解くやり方
- 方程式の解が分かっているときに、式の中の a の値を求めるやり方
入試でよく出る 3 つの形
一次方程式は、入試では次の 3 つの形でよく出ます。
- 分数や小数、かっこが混ざった方程式
- 両方の比に x がある比例式
- 方程式の解が分かっているときに、式の中の a の値を求める問題
この記事の目標は、この 3 つの形を最後まで正確に解き切れるようになることです。
この記事は、移項や、分母をはらうやり方をもう学んだ人に向けて書いています。この記事と同じ授業動画シリーズには、番号のついた前の回(基礎の回)があります。まだの人は、先にその中の 1b の回(移項・かっこ)と 1c の回(小数・分数・比例式)を見ておくと、ずっと分かりやすくなります。分からない所が出てきたら、いつでもそちらに戻って大丈夫です。
答えが合っているか、自分で確かめるには
入試の計算問題を解き終わっても、「これで合っているのかな」と不安になることがありますよね。答えが分数になると、なおさらそう感じるものです。
確かめる手がかりは、解の意味です。
解とは:x に入れると、左辺=右辺 になる数
だから、出た答えをもとの式に代入し、左辺と右辺を別々に計算して比べれば、合っているかどうかが分かります。同じ値になれば合っています。
もう 1 つ覚えておきたいのは、答えが分数でも、それだけで間違いではないということです。たとえば 3x=2 なら、x=2/3 です。これはちゃんと正しい答えです。
この記事で使う 4 つの道具
この記事の問題では、次の 4 つの道具を使います。
- 分数があるとき → 分母の最小公倍数を、両辺のすべての項にかける
- 小数があるとき → 小数点以下のけた数がいちばん多い項に合わせて、10 倍か 100 倍にする
- 比例式 a:b=c:d → ad=bc(外側の項の積=内側の項の積)
- 解いたら → もとの式に代入して確かめる
比例式の「外側」「内側」は、式の並びで見分けます。a:b=c:d の両はしにある a と d が外側の項、まん中にある b と c が内側の項です。外側どうしをかけたものと、内側どうしをかけたものが等しくなります。
問1 分数・小数・かっこが混ざった方程式
問1 次の方程式を解きなさい。
(1) (3x−1)/2 − (x−3)/4 = 1
(2) 0.2(x−3) = 0.15x − 0.5
自分で解いてみたい人は、答えを見る前にノートで解いてみましょう。解けたら、代入して確かめるところまでやってみてください。
答え (1) x=3/5
両辺に 4 をかける
2(3x−1)−(x−3)=4
【注意】−(x−3) は −x+3
後ろの 3 の符号も変わる
6x−2−x+3=4
5x+1=4
5x=3
x=3/5
確かめ x=3/5 のとき
(3x−1)/2 = 2/5
(x−3)/4 = −3/5
2/5−(−3/5)=1 右辺と同じ
答え (2) x=2
両辺を 100 倍する
【注意】かっこの外の係数だけ 100 倍
0.2(x−3) → 20(x−3)
20(x−3)=15x−50
20x−60=15x−50
5x=10
x=2
確かめ x=2 のとき
左辺 0.2×(−1)=−0.2
右辺 0.3−0.5=−0.2
(1) 分数の方程式:−( ) のはずし方に注意
分母は 2 と 4 です。4 は 2 でもわり切れるので、最小公倍数は 4 です。そこで、両辺に 4 をかけます。
- (3x−1)/2 に 4 をかけると、2(3x−1)
- (x−3)/4 に 4 をかけると、分母が消えて x−3。分子は式なので、かっこをつけたまま (x−3) と書いておきます
- 右辺の 1 にも 4 をかけて、4
これで 2(3x−1)−(x−3)=4 になります。
次にかっこをはずします。この記事の中で、ここがいちばんまちがえやすい所です。
−(x−3) は −x+3
前にマイナスがあるので、かっこの中の 2 つの項は両方とも符号が変わります。後ろを −3 のまま書いてしまうのは、本当によくある間違いです。「マイナスがかかるのは先頭の x だけ」と見えてしまうのは自然なことです。でも、−(x−3) は (−1)×(x−3) なので、−3 にも −1 がかかって +3 になります。
かっこをはずすと、6x−2−x+3=4 です。左辺をまとめると 5x+1=4。1 を移項して 5x=3、x=3/5 になります。答えは分数ですが、間違いではありません。
確かめ:x=3/5 を、もとの式に入れてみます。
- 3x−1 は 9/5−1=4/5。これを 2 でわって 2/5
- x−3 は 3/5−3=−12/5。これを 4 でわって −3/5
- 左辺は 2/5−(−3/5)=1
右辺の 1 と同じになったので、合っています。
(2) 小数の方程式:両辺を 100 倍。0.2(x−3) で 100 倍になるのは、かっこの外の係数だけ
0.15 は小数第 2 位まであります。10 倍では 1.5 となり、小数が残ってしまいます。そこで、両辺を 100 倍します。
注意したいのは、左辺の 0.2(x−3) です。
0.2(x−3) を 100 倍すると 20(x−3)。かっこの外の係数だけが 100 倍になり、かっこの中の x−3 はそのまま
「中は 100 倍しないの?」と思うかもしれません。0.2(x−3) は 0.2×(x−3) というかけ算で、これで 1 つの項です。かけ算でできた項を 100 倍するときは、かけている数のうち 1 つを 100 倍すれば足ります。100×0.2×(x−3) では、0.2 の所だけが 20 になって 20×(x−3)、つまり 20(x−3) です。中まで 100 倍して 20(100x−300) のようにしてはいけません。
右辺は、すべての項に 100 をかけて 15x−50 です。これで 20(x−3)=15x−50 になります。
ただし、かっこをはずすときは話が変わります。かっこの中の x−3 は、x から 3 をひく式です。こういうたし算・ひき算の式に数をかけるときは、中の全部の項にかかります。だから、20x−60 になります。
20x−60=15x−50 を移項すると 5x=10、x=2 です。
確かめ:x=2 のとき
- 左辺は 0.2×(2−3)=0.2×(−1)=−0.2
- 右辺は 0.15×2−0.5=0.3−0.5=−0.2
等しくなったので、合っています。
問1 のポイント
- かける数は、両辺のすべての項にかける
- 分数・小数をなくすために両辺に数をかけるとき、かっこのある項で変わるのはかっこの外の係数だけ(そのあとかっこをはずすときは、かっこの外の数が中の全部の項にかかる)
問2 両方の比に x がある比例式
問2 比例式を解きなさい。
2 : (x+1) = 6 : (4x−1)
今度は、両方の比に x が入っています。でも、やり方はいつもの比例式と同じです。
答え x=4
2(4x−1)=6(x+1)
【注意】x をふくむ項は
かっこごとかける
8x−2=6x+6
2x=8
x=4
確かめ 2:5 と 6:15
6:15 → 両方を 3 でわって 2:5
まず、外側の項と内側の項を見分けます。
- 外側の項:両はしにある 2 と 4x−1
- 内側の項:まん中にある x+1 と 6
外側の項の積=内側の項の積 なので、2(4x−1)=6(x+1) になります。
x をふくむ項は、かっこごとかける
4x−1 や x+1 は、かっこをつけたままかけます。2×4x−1 のように書いて −1 にかけ忘れると、答えがずれてしまいます。
かっこをはずすと 8x−2=6x+6。x の項を左辺、数を右辺に移項して 2x=8、x=4 です。
確かめ:x=4 のとき、x+1 は 5、4x−1 は 15 です。左の比は 2:5、右の比は 6:15 になります。6:15 の両方を 3 でわると 2:5 です。同じ比になったので、合っています。
両方の比に x があっても、外側の項の積=内側の項の積 を使えば、いつもの方程式になります。
問3 解から a の値を求める
問3
x についての方程式
5x − a = ax + 7
の解が x=3 のとき、a の値を求めなさい。
x … この方程式の解を表す文字
a … 決まった数。まだ分からない
この問題には x と a の 2 つの文字が出てきます。「どっちを求めるんだろう?」と迷うかもしれません。
- x:「x についての方程式」とは、この方程式で分からない数として扱う文字、つまり解を表す文字が x だ、という意味です
- a:ある決まった数を表していますが、その値はまだ分かりません
この問題では、x の解(3)はもう分かっています。求めたいのは a のほうです。
答え a=2
x に 3 を代入
5×3−a=a×3+7
【注意】ax の x にも 3 を入れる
a×3=3a
15−a=3a+7
8=4a
a=2
確かめ a=2 のとき
5x−2=2x+7
3x=9
x=3
まず x に 3 を代入する
「解が 3」というのは、x に 3 を入れると左辺と右辺が等しくなる、ということです。これは、確かめのときに毎回やっていたことと同じです。だから、解が分かっているときは、まず x に 3 を代入します。
5×3−a=a×3+7
ax の x にも 3 を入れる。a×3=3a
ここで見落としやすいのが、右辺の ax です。5x の x には 3 を入れたのに、ax の x には入れ忘れて a のまま残してしまう人がとても多いです。x は式の中に 2 か所あるので、両方に 3 を入れます。
計算すると 15−a=3a+7 になります。x が消えて、a だけの式になりました。これは a についての方程式なので、いつもどおりに解けます。a の項を右辺に、数を左辺に移項してまとめると 8=4a、a=2 です。
確かめ:a=2 をもとの方程式に入れると、5x−2=2x+7 になります。移項して 3x=9、x=3 です。問題の「解が 3」と同じになったので、合っています。
まとめ
- 分数は分母の最小公倍数、小数は 10 倍・100 倍。両辺のすべての項にかけて整数にする
- −( ) をはずすときは、中の項の符号を全部変える
- 比例式は、外側の項の積=内側の項の積。式はかっこごとかける
- 解が分かっていたら、まず x に代入する。すると a の方程式になる
- どの問題でも、解いたら代入して確かめる。答えが分数でも、確かめて合っていれば大丈夫
あやしい所があったら、何回でも読み返してください。ページの下にあるプリントや練習問題で、自分の手でも解いてみましょう。
よくある質問
Q. 答えが分数になりました。どこかで間違えたのでしょうか?
A. 分数というだけで、間違いとはかぎりません。たとえば 3x=2 の答えは x=2/3 で、これは正しい答えです。不安なときは、答えをもとの式に代入してください。左辺と右辺を別々に計算して同じ値になれば、合っています。
Q. 0.2(x−3) を 100 倍するとき、かっこの中も 100 倍しないのはなぜですか?
A. 0.2(x−3) は 0.2×(x−3) というかけ算で、これで 1 つの項です。かけ算でできた項を 100 倍するときは、かけている数のうち 1 つ(ここでは 0.2)を 100 倍すれば足ります。だから 20(x−3) になります。一方、かっこをはずすときは、20 がかっこの中の x と −3 の両方にかかるので、20x−60 になります。
Q. 「x についての方程式」で a も出てくるとき、どちらを求めればいいのですか?
A. 「x についての方程式」とは、解を表す文字が x だという意味です。a は、決まった数ですが値がまだ分からない文字です。問3 のように x の解が分かっている問題では、まず x にその値を代入します。すると a だけの式になるので、それを解いて a を求めます。
解答・解説つきの演習プリント(別ページ)




