中学歴史|鎌倉時代【Step 1b】
中2 社会|鎌倉時代|Step 1b
この記事でわかること
- 6宗派は念仏系・題目系・禅系の3グループに分けると、開祖と教えの対応が一気に整理できる
- 浄土宗(法然・師)と浄土真宗(親鸞・弟子)は師弟関係と悪人正機の有無で区別できる
- 臨済宗(栄西)と曹洞宗(道元)はどちらも禅系だが、公案を使うかどうかが見分けのカギになる
※ この記事は上の授業動画の内容をテキストで整理したものです。
学習マップ
この単元の位置づけです。
サムネの問い「6宗派、どう覚える?」→ 答え:念仏系・題目系・禅系の3グループで整理する
鎌倉に違う教えのお寺が集まる理由
修学旅行で鎌倉の寺めぐり→教えも雰囲気も違う寺がいくつも…なぜ?
- 禅のお寺:座って修行する
- 念仏を唱えるお寺
- 太鼓を鳴らしてお題目を唱えるお寺
これは鎌倉時代に複数の新しい仏教が生まれ、それぞれ異なるグループとして広まったためだ。3グループの骨組みを先に掴むことが、各宗派を覚える近道になる。
鎌倉新仏教が生まれた背景
それまでの仏教(貴族中心)は長い修行・難しい経典など学問が必要だった。鎌倉新仏教は念仏・題目・座禅など一つの実践で民衆も救われるとして広まった。
鎌倉時代は戦乱・災害が続く不安定な時代だった。それまでの仏教は貴族中心で難しい経典の学習や長い修行が必要なため、民衆には敷居が高かった。苦しむ民衆にも救いを届けたいと考えた僧たちが、念仏・題目・座禅など一つの実践に打ち込める鎌倉新仏教を生み出した。
3グループの骨組み
鎌倉新仏教6宗派は「念仏系」(南無阿弥陀仏)「題目系」(南無妙法蓮華経)「禅系」(座禅)の3グループに分けられる
鎌倉新仏教は「南無阿弥陀仏」を唱える念仏系(3宗派)、「南無妙法蓮華経」を唱える題目系(1宗派)、座禅で悟りを目指す禅系(2宗派)の3グループに分かれる。唱える言葉でグループが判別できる点を押さえておこう。
念仏系① 浄土宗
浄土宗 開祖:法然 → 「南無阿弥陀仏」を唱えれば極楽往生できる
- 宗派:浄土宗
- 開祖:法然
- 唱える言葉:南無阿弥陀仏
- グループ:念仏系
浄土宗の開祖は法然。「南無阿弥陀仏」と唱えれば誰でも極楽浄土に生まれ変われる、という教えを説いた。
念仏系② 浄土真宗
浄土真宗 開祖:親鸞(法然の弟子)→ 悪人正機(悪人こそ阿弥陀仏に救われる)
- 宗派:浄土真宗
- 開祖:親鸞(法然の弟子)
- 教え:悪人正機(悪人こそ救われる)
- 浄土宗との関係:師弟だが教えをさらに進めた
浄土真宗の開祖は親鸞(法然の弟子)。師の念仏の教えをさらに進め、「悪人正機」——悪人こそ阿弥陀仏に救われる——という考えを説いた。「法然→浄土宗、弟子の親鸞→浄土真宗・悪人正機」と師弟関係でセットにすると区別しやすい。
念仏系③ 時宗
時宗 開祖:一遍 → 「南無阿弥陀仏」を唱えながら踊る「踊念仏」で民衆に広めた
- 宗派:時宗
- 開祖:一遍
- 広め方:踊念仏(太鼓・鉦を鳴らし踊りながら念仏)
時宗の開祖は一遍。唱える言葉は「南無阿弥陀仏」だが、太鼓や鉦を鳴らしながら踊って念仏を唱える「踊念仏」のスタイルで各地の民衆に広めた。
題目系 日蓮宗
日蓮宗 開祖:日蓮 → 「南無妙法蓮華経」を唱える(法華経こそ正しい教えと主張)
- 宗派:日蓮宗
- 開祖:日蓮
- 唱える言葉:南無妙法蓮華経(法華経が正しい教え)
日蓮宗の開祖は日蓮。「南無妙法蓮華経」を唱え、法華経こそ正しい教えだと主張した。念仏系の「南無阿弥陀仏」と題目系の「南無妙法蓮華経」を並べて覚えると、グループ判別に役立つ。
禅系① 臨済宗
臨済宗 開祖:栄西 → 座禅+公案(問答)で悟りを目指す。幕府・武士に保護された
- 宗派:臨済宗
- 開祖:栄西
- 修行法:座禅+公案(師から出される問答を解く)
- 保護:鎌倉幕府・武士
臨済宗の開祖は栄西。師から出される「公案」という問答に向き合う座禅を実践し、鎌倉幕府や武士層に保護された宗派として知られる。
禅系② 曹洞宗
曹洞宗 開祖:道元 → 只管打坐(ひたすら座禅を組む)。地方の武士・民衆に広まる
- 宗派:曹洞宗
- 開祖:道元
- 修行法:只管打坐(公案を用いずひたすら座る)
- 広まった先:地方の武士・民衆
曹洞宗の開祖は道元。公案を使わずひたすら座禅を組む「只管打坐」を重視し、地方の武士や民衆にも広まった点が臨済宗との違いになる。
混同しやすい2つのペアの整理
浄土宗↔浄土真宗、臨済宗↔曹洞宗 は名前・修行スタイルが似ていて混同注意
- 浄土宗と浄土真宗:開祖の師弟関係、教えの違いに注目
- 臨済宗と曹洞宗:座禅のしかたの違い(公案の有無)に注目
浄土宗と浄土真宗は「法然(師・浄土宗)→親鸞(弟子・浄土真宗・悪人正機)」と師弟関係で区別する。臨済宗と曹洞宗はどちらも座禅の禅系だが、「臨済宗(栄西)→公案あり、曹洞宗(道元)→只管打坐・公案なし」と修行スタイルの違いで区別できる。
6宗派まとめ対応表
6宗派は「グループ×開祖×教えの中心」の対応で整理する(念仏系3・題目系1・禅系2)
| グループ | 宗派 | 開祖 | 教えの中心・特徴 | |—|—|—|—| | 念仏系 | 浄土宗 | 法然 | 南無阿弥陀仏・極楽往生 | | 念仏系 | 浄土真宗 | 親鸞 | 南無阿弥陀仏・悪人正機 | | 念仏系 | 時宗 | 一遍 | 南無阿弥陀仏・踊念仏 | | 題目系 | 日蓮宗 | 日蓮 | 南無妙法蓮華経・法華経 | | 禅系 | 臨済宗 | 栄西 | 座禅・公案 | | 禅系 | 曹洞宗 | 道元 | 座禅・只管打坐 |
確認問題①
【問題1】浄土宗を開いた人物として正しいものを、次から1つ選びなさい。
- ア:法然
- イ:親鸞
- ウ:一遍
- エ:日蓮
正解はア・法然。親鸞は法然の弟子で浄土真宗の開祖、一遍は時宗、日蓮は日蓮宗の開祖。
確認問題②
【問題2】題目系にあたる宗派として正しいものを、次から1つ選びなさい。
- ア:浄土宗
- イ:日蓮宗
- ウ:曹洞宗
- エ:時宗
正解はイ・日蓮宗。題目系は6宗派中この1宗派のみなので「題目系=日蓮宗」と1対1で覚える。
確認問題③
【問題3】曹洞宗を開いた人物は誰か。漢字で答えなさい。
- 曹洞宗:ひたすら座禅を組む「只管打坐」
- 地方の武士や民衆に広まった
正解は道元。只管打坐(公案を使わずひたすら座る)・地方武士や民衆への広まりが曹洞宗の特徴。
確認問題④
【問題4】A群の宗派とB群の開祖を正しく組み合わせなさい。
| 群 | 内容 |
|---|---|
| A群(宗派) | 時宗・臨済宗 |
| B群(開祖) | 栄西・一遍 |
時宗→一遍(踊念仏)、臨済宗→栄西(公案)。教えの特徴とセットにすると混同しにくい。
確認問題⑤
【問題5】浄土真宗を開いた人物として正しいものを、次から1つ選びなさい。
- ア:法然
- イ:親鸞
- ウ:道元
- エ:日蓮
正解はイ・親鸞。法然(浄土宗・師)と親鸞(浄土真宗・弟子)をセットで覚えることが混同防止のカギ。
確認問題⑥
【問題6】日蓮宗を開いた人物は誰か。漢字で答えなさい。
- 日蓮宗:題目系にあたる
- 唱える言葉:「南無妙法蓮華経」
- 主張:法華経こそ正しい教え
- 念仏系(南無阿弥陀仏)とは別のグループ
正解は日蓮。南無妙法蓮華経(題目系)・法華経が正しい教えという主張が日蓮宗の特徴。
まとめ
- 鎌倉新仏教は6宗派、念仏系・題目系・禅系の3グループ
- 念仏系=浄土宗(法然)・浄土真宗(親鸞・悪人正機)・時宗(一遍・踊念仏)
- 題目系=日蓮宗(日蓮)/禅系=臨済宗(栄西・公案)・曹洞宗(道元・只管打坐)
自分でチェック:「6宗派、どう覚える?」に自分の言葉で答えられたら今日はOK。あやしければ総まとめ表に戻ろう
鎌倉新仏教6宗派は念仏系(浄土宗・浄土真宗・時宗)・題目系(日蓮宗)・禅系(臨済宗・曹洞宗)の3グループに整理できる。混同しやすい浄土宗と浄土真宗は師弟関係、臨済宗と曹洞宗は公案の有無で区別しよう。あやしい箇所はまとめ表に戻って確認してほしい。
よくある質問
浄土宗と浄土真宗の違いを一言で教えてください。
開祖が法然(浄土宗・師)と親鸞(浄土真宗・弟子)という師弟関係にあり、浄土真宗は「悪人正機(悪人こそ阿弥陀仏に救われる)」という独自の教えを加えた点が最大の違いです。
臨済宗と曹洞宗はどちらも座禅なのに、何が違うのですか?
臨済宗(開祖:栄西)は師から出される「公案」という問答に向き合う座禅を重視し、曹洞宗(開祖:道元)は公案を使わずひたすら座る「只管打坐」を重視します。公案の有無が最も大きな違いです。
題目系と念仏系はどう見分けますか?
唱える言葉で区別できます。「南無阿弥陀仏」を唱えるのが念仏系(浄土宗・浄土真宗・時宗)、「南無妙法蓮華経」を唱えるのが題目系(日蓮宗のみ)です。
この単元の授業
- Step 1a
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