中2理科|化学変化(化合・分解・質量保存)【Step 1a】
中2 理科|化学変化(化合・分解・質量保存)|Step 1a
この記事でわかること
- 化学変化は物質が別の物質に変わる変化で、もとに戻らない点が状態変化(物理変化)と異なる
- 化合は「2種類以上→1種類」、分解は「1種類→2種類以上」と矢印の向きで区別できる
- 水の電気分解では陰極から水素・陽極から酸素が発生し、体積比は水素:酸素=2:1になる
※ この記事は上の授業動画の内容をテキストで整理したものです。
学習マップ
この単元の位置づけです。
今日のテーマ
化学変化って、中1で学んだ状態変化と何がちがう?
見分けるコツは1つ
→『もとの物質に戻るか/戻らないか』
身近な例で考える——「戻る」か「戻らない」か
日曜の朝の台所
・ホットケーキを焼く
・冷凍庫から出したアイスが溶ける
どちらも『変化』だけど…?
| ホットケーキを焼く | アイスが溶ける |
|---|---|
| 白い生地 → 茶色く焦げる | 固体 → 液体 |
| もとの生地に戻らない | 冷やせば元に戻る |
| 化学変化 | 物理変化(中1:状態変化) |
ホットケーキを焼くと白い生地が茶色くなり、もう生地には戻りません。一方、冷凍庫から出したアイスが溶けても、冷凍庫に戻せば再び固まります。「戻らない」変化が化学変化、「戻れる」変化が物理変化(中1で学んだ状態変化)です。
化学変化と物理変化の定義
化学変化
→ 物質そのものが 別の物質に変わる
例:鉄が錆びる/紙が燃える
物理変化
→ 物質はそのまま、すがたが変わるだけ
例:氷→水/砂糖を水にとかす
化学変化は、物質そのものが別の物質に変わる変化です。鉄が錆びると鉄とは性質の異なる物質になり、紙が燃えると灰になります——いずれももとには戻りません。物理変化は、物質はそのままで、すがた(状態)だけが変わります。氷が溶けても中身はH₂Oのまま、砂糖が水に溶けても砂糖は砂糖のまま細かく散らばっているだけです。見分けのポイントは「もとに戻せるか」——戻せれば物理変化、戻せなければ化学変化です。
化合——2種類以上が結びついて1種類に
化合
→ 2種類以上の物質が結びついて
別の1種類の物質ができる化学変化
代表例:鉄 + 硫黄 → 硫化鉄
Fe + S → FeS
化合とは、2種類以上の物質が結びついて1種類の別の物質ができる化学変化です(「2以上→1」)。代表例は鉄と硫黄の反応(Fe+S→FeS)です。鉄(Fe)と硫黄(S)を混ぜただけでは混合物で、鉄は磁石につき硫黄は黄色いままです。これを加熱すると硫化鉄(FeS)という黒い別物質に変わり、磁石にもつかず黄色くもなくなります。「混合」と「化合」は異なります——混合は加熱前の状態、化合は反応後に新物質ができた状態です。
熱分解——1種類の物質が複数に分かれる
分解
→ 1種類の物質が 2種類以上に分かれる化学変化
熱分解 = 加熱による分解
例:炭酸水素ナトリウム NaHCO₃
→ 炭酸ナトリウム+水+二酸化炭素
分解とは、1種類の物質が2種類以上に分かれる化学変化(「1→2以上」)で、化合の逆向きです。熱分解の代表例は炭酸水素ナトリウム(NaHCO₃)の加熱です。加熱すると炭酸ナトリウム(Na₂CO₃)・水(H₂O)・二酸化炭素(CO₂)の3つに分かれます(2NaHCO₃→Na₂CO₃+H₂O+CO₂)。発生した気体を石灰水に通すと白く濁るのが二酸化炭素の証拠です。試験管の口をやや下げるのは、生じた水の逆流を防ぐためです。
電気分解——電流で水を水素と酸素に分ける
電気分解 = 電気を流して分解
水の電気分解
陰極(−):水素 H₂
陽極(+):酸素 O₂
体積比 水素:酸素 = 2:1
水の電気分解では、陰極(-極)から水素(H₂)が、陽極(+極)から酸素(O₂)が発生します。体積比は水素:酸素=2:1で、反応式 2H₂O→2H₂+O₂ の係数がそのまま体積比に対応しています。水素は火を近づけると「ポンッ」と音をたてて燃え、酸素は火のついた線香が激しく燃えることで確認できます。
つまずきやすい3つの誤解
ここでつまずきやすい!
| まちがい | 正しくは |
|---|---|
| 鉄+硫黄を 混ぜただけで化合 | 加熱して反応 → 別物(硫化鉄)になって 初めて化合 |
| 紙をちぎる=分解 | 紙はちぎっても紙のまま。別の物質にならない |
| 氷が溶ける=化学変化 | 水のまま → 物理変化(状態変化) |
①「混ぜる」≠「化合」: 鉄と硫黄を混ぜただけでは混合物のまま。加熱して反応させて初めて硫化鉄(化合)になります。②「ちぎる」は分解ではない: 紙をちぎっても紙は紙のまま。別の物質に変わらないので化学変化ではありません。③「氷が溶ける」は物理変化: 氷も水も中身はH₂Oで、すがたが変わっただけの状態変化です。
確認問題1
問1
次のうち、化学変化にあたるものはどれ?
- ア 氷が溶けて水になる
- イ 鉄が空気中で錆びて、もとの鉄とは違う物質になる
- ウ 食塩を水に溶かして食塩水をつくる
- エ ドライアイスが気体になる
ア 氷が溶けて水になる イ 鉄が空気中で錆びて別の物質になる ウ 食塩を水に溶かして食塩水をつくる エ ドライアイスが気体になる
問題1の答え
答え:イ
鉄が酸素と結びついて『錆び』という別の物質に。
- ア × 氷→水:状態変化(物理変化)
- ウ × 食塩水:溶けて散らばっただけ(物理変化)
- エ × ドライアイス→気体:昇華(物理変化)
鉄が酸素と結びついて錆という別の物質になるのが化学変化。ア(氷→水)・ウ(食塩水)・エ(ドライアイスの昇華)は物質の中身が変わらない物理変化です。
確認問題2
問2
『分解』にあたるものを すべて選びなさい
- ア 鉄と硫黄を混ぜて加熱 → 硫化鉄
- イ 炭酸水素ナトリウムを加熱 → 3種類に分かれる
- ウ 水に電流を流す → 水素と酸素
- エ 銅を加熱 → 空気中の酸素と結びついて酸化銅
ア 鉄と硫黄を加熱→硫化鉄 イ 炭酸水素ナトリウムを加熱→3種類に分かれる ウ 水に電流を流す→水素と酸素 エ 銅を加熱→酸化銅
問題2の答え
答え:イ・ウ
1つから2つ以上に分かれる → 分解
- イ ○ 熱分解(NaHCO₃ → 3種類)
- ウ ○ 電気分解(水 → 水素+酸素)
- ア × 化合(2種類が結びつく)
- エ × 化合(銅+酸素 → 酸化銅)
「1→2以上」が分解。イは熱分解(NaHCO₃→3種類)、ウは電気分解(H₂O→H₂+O₂)。ア・エは「2以上→1」なので化合です。
確認問題3
問3
2種類以上の物質が結びついて
別の物質ができる化学変化を、
漢字2字で答えなさい。
問題3の答え
答え:化合
例:鉄 Fe + 硫黄 S → 硫化鉄 FeS
Fe+S→FeSが代表例。「化けて合わさる」と覚えると忘れにくいです。
確認問題4
問4
炭酸水素ナトリウムを加熱すると
3種類の物質に分かれた。
正しい組み合わせは?
- ア 炭酸ナトリウム ・ 水 ・ 二酸化炭素
- イ 炭酸ナトリウム ・ 水 ・ 酸素
- ウ 炭酸ナトリウム ・ 水素 ・ 二酸化炭素
- エ 水酸化ナトリウム ・ 水 ・ 二酸化炭素
ア 炭酸ナトリウム・水・二酸化炭素 イ 炭酸ナトリウム・水・酸素 ウ 炭酸ナトリウム・水素・二酸化炭素 エ 水酸化ナトリウム・水・二酸化炭素
問題4の答え
答え:ア
炭酸ナトリウム + 水 + 二酸化炭素
(石灰水が白く濁る=二酸化炭素の証拠)
炭酸ナトリウム(固体)・水・二酸化炭素(気体)の3つ。気体は石灰水が白濁することで二酸化炭素と確認できます。
確認問題5
問5
水の電気分解で発生する気体について
正しい説明はどれ?
- ア 陰極=水素/陽極=酸素/体積比 水素:酸素=2:1
- イ 陰極=酸素/陽極=水素/体積比 酸素:水素=2:1
- ウ 陰極=水素/陽極=酸素/体積比 水素:酸素=1:2
- エ 陰極=酸素/陽極=水素/体積比 酸素:水素=1:2
ア 陰極=水素・陽極=酸素・体積比 水素:酸素=2:1 イ 陰極=酸素・陽極=水素・体積比 酸素:水素=2:1 ウ 陰極=水素・陽極=酸素・体積比 水素:酸素=1:2 エ 陰極=酸素・陽極=水素・体積比 酸素:水素=1:2
問題5の答え
答え:ア
陰極(−)から水素/陽極(+)から酸素
水素のほうが多く出る(2:1)
| 極 | 気体 | 体積 |
|---|---|---|
| 陰極 (−) | 水素 H₂ | 2 |
| 陽極 (+) | 酸素 O₂ | 1 |
陰極(-)から水素・陽極(+)から酸素が発生し、体積比は水素:酸素=2:1です(反応式 2H₂O→2H₂+O₂ の係数に対応)。
この記事のまとめ
自分の言葉で言えたら今日はOK!
- 化学変化 = 別の物質に変わる変化(戻らない)
- 物理変化 = 物質はそのまま、すがたが変わる(戻せる)
- 化合 = 2種類以上 → 結びついて1種類に
- 分解 = 1種類 → 2種類以上に分かれる
- 分解の種類:熱分解/電気分解
①化学変化:物質そのものが別の物質に変わる・もとに戻らない。②物理変化:物質はそのまま・すがただけ変わる・もとに戻せる。③化合:2以上の物質→1つの物質。④分解(化合の逆):1つの物質→2以上の物質。分解には熱分解と電気分解の2種類がある。
よくある質問
状態変化と化学変化はどうやって見分けますか?
「もとの物質に戻せるか」で判断します。戻せれば物理変化(状態変化)、戻せなければ化学変化です。氷が溶けるのは戻せる(物理変化)、鉄が錆びるのは戻せない(化学変化)が典型例です。
化合と混合は何が違うのですか?
混合は複数の物質をただ混ぜた状態で、各物質の性質は変わりません。化合は加熱などにより物質同士が反応し、全く別の性質をもつ新しい物質ができます。鉄と硫黄を混ぜただけでは混合物ですが、加熱すると硫化鉄という化合物になります。
水の電気分解で水素が酸素の2倍発生するのはなぜですか?
反応式 2H₂O→2H₂+O₂ の係数の比(2:1)がそのまま体積比になるためです。水分子(H₂O)にはH原子が2個・O原子が1個含まれているため、水素が酸素の2倍生成されます。
この単元の授業
- Step 1a(この記事)


