中1理科|状態変化と熱【Step 1a】
中1 理科|状態変化と熱|Step 1a
この記事でわかること
- 蒸発は液面からどの温度でも起こり、沸騰は液体内部からも沸点でのみ起こる
- 6用語(融解・凝固・蒸発・沸騰・凝縮・昇華)は変化の方向(何→何)で区別できる
- 融点・沸点は物質ごとに異なる固有の値で、常温での物質の状態を決める
※ この記事は上の授業動画の内容をテキストで整理したものです。
学習マップ
この単元の位置づけです。
Q. 蒸発と沸騰、何がちがう?
A. 蒸発は液面だけ・どんな温度でも起こる
沸騰は内部からも・沸点でだけ起こる
今日のテーマ:状態変化
(融解・凝固・蒸発・沸騰・凝縮・昇華)
身近な「なぜ?」から考える
梅雨明けの晴れた日(気温30℃)
朝8時に洗濯物を干した
→夕方4時にはカラカラに乾いていた
「水は100℃で沸騰して気体になる」
と習ったのに、なぜ30℃で乾いたの?
| 気温 | ようす | |
|---|---|---|
| 洗濯物 | 30℃ | 乾いた(水がなくなった) |
| やかんの湯 | 100℃ | 沸騰して湯気が出る |
洗濯物が乾くのは蒸発、やかんがボコボコするのは沸騰です。どちらも液体が気体になる変化ですが、起こる場所と温度条件がまったく異なる別の現象です。
状態変化とは
状態変化:物質が固体⇔液体⇔気体と
姿を変えること
固体=氷 / 液体=水 / 気体=水蒸気
物質が固体・液体・気体の3つの状態の間で変化することを状態変化といいます。物質自体は変わらず、状態(姿)が変わるだけです。水なら、固体=氷・液体=水・気体=水蒸気です。
融解と凝固
融解:固体→液体(とける)
例:鉄を約1500℃以上に熱して液体にする
氷がとけて水になる
凝固:液体→固体(かたまる)
例:水が氷になる(融解と逆向き)
| 用語 | 方向 |
|---|---|
| 融解 | 固体→液体 |
| 凝固 | 液体→固体 |
固体→液体の変化を融解、液体→固体の変化を凝固といいます。氷が水になるのが融解、水が凍るのが凝固で、互いに逆向きの変化です。
確認問題①
【確認問題①】
製鉄所では、固体の鉄を約1500℃以上まで
熱して液体にし、型に流しこんで製品の
形にする。固体の鉄が液体になるこの
状態変化を何というか。最も適切なもの
を1つ選びなさい。
ア 蒸発 イ 凝固 ウ 融解
- 着目:固体の鉄→液体の鉄(かたい→やわらかい)
- 「熱すると起こる変化」=蒸発とは限らない
製鉄所では固体の鉄を1500℃以上に熱して液体にします。この変化を何といいますか。 ア 蒸発 イ 凝固 ウ 融解
解答①
正解:ウ 融解
固体の鉄が液体になった=固体→液体=融解
| 選択肢 | 用語 | 方向 | 判定 |
|---|---|---|---|
| ア | 蒸発 | 液体→気体 | ×方向が違う |
| イ | 凝固 | 液体→固体 | ×方向が違う |
| ウ | 融解 | 固体→液体 | ○ |
蒸発・沸騰・凝縮
蒸発:液体→気体(液面だけで、どんな温度でも)
沸騰:液体→気体(内部からも、沸点でだけ)
凝縮:気体→液体
例:冬の朝、窓ガラスの内側についた水滴
(空気中の水蒸気が凝縮したもの)
液体→気体の変化には蒸発と沸騰の2種類があります。気体→液体の変化を凝縮といいます。冬の朝に窓ガラスの内側に水滴がつく現象が凝縮の典型例です。
蒸発と沸騰の違い
蒸発は液面からだけ気体になるが、沸騰は
液面だけでなく液体の内部からも気体になる。
洗濯物(気温30℃)→ 蒸発
やかんの湯(100℃)→ 沸騰
蒸発は液面だけから気体になり、どの温度でも起こります。沸騰は液面と液体内部の両方から気体になり、沸点でのみ起こります。「どこから気体になるか」と「どの温度でも起こるか」の2点で区別してください。
確認問題②
【確認問題②】
次のA〜Cの状態変化の方向と、ア〜ウの
用語を、正しい組み合わせになるように
結びなさい。
A 固体→液体 B 液体→固体 C 気体→液体
ア 融解 イ 凝固 ウ 凝縮
| 方向 | 用語( ) |
|---|---|
| A 固体→液体 | |
| B 液体→固体 | |
| C 気体→液体 |
次のA〜Cの変化に当てはまる用語を答えてください。 A 固体→液体 B 液体→固体 C 気体→液体 ア 融解 イ 凝固 ウ 凝縮
解答②
正解:A-ア(融解) B-イ(凝固) C-ウ(凝縮)
「凝固」と「凝縮」は漢字が似ているので注意!
| 方向 | 用語 |
|---|---|
| A 固体→液体 | ア 融解 |
| B 液体→固体 | イ 凝固 |
| C 気体→液体 | ウ 凝縮 |
確認問題③
【確認問題③】
蒸発と沸騰は、どちらも液体が気体になる
変化である。気化が起こる「場所」の
ちがいに着目して、「液面」「内部」の
2つの語を両方使い、「蒸発は〜が、
沸騰は〜。」の形の1文で説明しなさい。
- 使う語:液面/内部
- 形:「蒸発は〜が、沸騰は〜。」
「液面」と「内部」の2語を両方使い、「蒸発は〜が、沸騰は〜。」の形で説明してください。
解答③
模範解答:
蒸発は液面からだけ気体になるが、沸騰は
液面だけでなく液体の内部からも気体になる。
確認問題④
【確認問題④】
雨上がりの日、気温は25℃までしか上がら
なかったが、道路の水たまりは夕方には
なくなっていた。水たまりの水が気体に
なったこの変化を何というか。最も適切な
ものを1つ選びなさい。
ア 沸騰 イ 蒸発 ウ 凝縮
- 着目:気温25℃と、水の沸点(100℃)との関係
雨上がりの日、気温は25℃までしか上がらなかったのに、道路の水たまりは夕方にはなくなっていた。この変化はどれですか。 ア 沸騰 イ 蒸発 ウ 凝縮
解答④
正解:イ 蒸発
沸騰は沸点(水なら100℃)でないと起こらない
→25℃では起こらない。蒸発は液面から
どんな温度でも起こる
| 選択肢 | 用語 | 判定 |
|---|---|---|
| ア | 沸騰 | ×25℃は沸点でない |
| イ | 蒸発 | ○ |
| ウ | 凝縮 | ×方向が違う |
昇華
昇華:固体⇔気体に直接変わる変化
(液体にならない)
例:タンスの防虫剤(ナフタレン)が固体の
まま少しずつ小さくなり、なくなった
※氷がとけて水になる(融解)とはちがう
| 向き | 例 |
|---|---|
| 固体→気体 | ナフタレンが小さくなる |
| 気体→固体 | (固体に戻る向きも昇華) |
固体が液体を経由せず直接気体になる変化(またはその逆)を昇華といいます。ナフタレン(防虫剤)が少しずつ消えるのが典型例です。氷が水になるのは融解であり昇華ではありません。「途中で液体になったかどうか」が判断の基準です。
確認問題⑤
【確認問題⑤】
次のア〜エのうち、昇華の例として
最も適切なものを1つ選びなさい。
ア:タンスに入れた固体の防虫剤(ナフタレン)が、液体にならないまま少しずつ小さくなり、やがてなくなった。
イ:冷凍庫から出した氷が、とけて水になった。
ウ:ぬれた洗濯物が、干しておくと乾いた。
エ:冬の朝、部屋の窓ガラスの内側に水滴がついていた。
- 着目:固体のまま気体になっているのはどれ?
- 液体を経由していたら昇華ではない
次のア〜エのうち、昇華の例を1つ選んでください。 ア ナフタレンが液体にならないまま消えた イ 冷凍庫の氷がとけて水になった ウ 洗濯物が乾いた エ 冬の朝、窓ガラスの内側に水滴がついた
解答⑤
正解:ア
固体(ナフタレン)が液体にならず直接
気体になった→昇華
- ア=昇華(固体→気体、直接)
- イ=融解(固体→液体)
- ウ=蒸発(液体→気体)
- エ=凝縮(気体→液体)
間違えやすいポイント
この3つは混同しやすいので要注意!
| よくある誤解 | 正しい理解 |
|---|---|
| 「水が気体になる=沸騰」 | 蒸発(液面・任意温度)と沸騰(内部・沸点)は別 |
| 「凝固」と「凝縮」の混同 | 凝固=液体→固体/凝縮=気体→液体 |
| 「氷→水蒸気になれば必ず昇華」という思い込み | 途中で液体になったかどうかで見分ける。液体を経ずに直接気体になれば昇華、いったん水になってから気体になれば融解と蒸発の2段階 |
混同しやすい3点を確認します。①「水が気体になる=沸騰」ではありません。蒸発(液面・任意温度)と沸騰(内部も・沸点のみ)は別の現象です。②凝固(液体→固体)と凝縮(気体→液体)は漢字が似ているため要注意です。③氷が直接気体になれば昇華ですが、一度水になってから気体になれば融解+蒸発の2段階で昇華ではありません。
融点と沸点
融点:固体がとけて液体になる温度
沸点:液体が沸騰する温度
融点・沸点は物質ごとに決まった値(物質固有)
※「物質の性質」の授業でも学んだね
(なぜ融点で温度が止まるかは次回くわしく)
融点(固体→液体になる温度)と沸点(液体が沸騰する温度)は物質ごとに固有の値です。水は融点0℃・沸点100℃、酸素は融点−218℃・沸点−183℃、鉄は融点約1535℃です。融点・沸点の差が、常温での物質の状態を決めます。
確認問題⑥
【確認問題⑥】
次の文の(①)(②)にあてはまる語を
それぞれ書きなさい。
(①)がとけて液体になる温度を融点と
いい、液体が(②)する温度を沸点という。
- ①は状態を表す言葉
- ②は液面だけでなく内部からも気化する現象
①がとけて液体になる温度を融点といい、液体が②する温度を沸点という。①と②に当てはまる語を答えてください。
解答⑥
正解:①固体 ②沸騰
固体がとけて液体になる温度=融点
液体が沸騰する温度=沸点
まとめ
まとめ
状態変化:固体⇔液体⇔気体の変化
融解(固体→液体)・凝固(液体→固体)
蒸発(液面・任意温度)・沸騰(内部・沸点)・凝縮(気体→液体)
昇華(固体⇔気体を直接)
融点・沸点は物質固有の値
□「蒸発と沸騰、何がちがう?」を自分の言葉で言えたら今日はOK!
状態変化まとめ:固体⇔液体=融解・凝固 / 液体⇔気体=蒸発(液面・任意温度)・沸騰(内部も・沸点のみ)・凝縮 / 固体⇔気体=昇華。融点・沸点は物質固有の値です。
よくある質問
洗濯物が乾くのは蒸発ですか?沸騰ですか?
蒸発です。沸騰は沸点(水なら100℃)でのみ起こりますが、蒸発は液面からどの温度でも起こります。気温30℃でも洗濯物が乾くのは蒸発によるものです。
「凝固」と「凝縮」の違いを教えてください。
変化の方向が異なります。凝固は液体→固体(例:水→氷)、凝縮は気体→液体(例:水蒸気→水滴)です。「凝固=固まる」「凝縮=縮む」と意味から覚えると混同しにくくなります。
昇華と融解はどう見分ければよいですか?
途中で液体になったかどうかで見分けます。固体が直接気体になれば昇華、一度液体になってから気体になれば融解+蒸発の2段階です。防虫剤がじわじわ小さくなるのは昇華の例です。
この単元の授業
- Step 1a(この記事)
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