中学1年

韓国・東南アジア・西アジアの産業と資源(アジア州③)

栞先生

※ この記事は上の授業動画の内容をテキストで整理したものです。

この記事でわかること

  • 韓国は資源が少ないのに、どうして工業で成長できたのか(アジアNIES)
  • プランテーションとは何か。マレーシアなどの国で、輸出品の中心が資源・農産物から機械類に変わったのはなぜか
  • 石油がたくさんとれる西アジアの国が、石油だけに頼らない国づくりをしているのはなぜか

今日は「何を作って、何を売っているか」で見る

この回では、アジア州のうち、韓国、東南アジア、西アジア、中央アジアについて学びます。

韓国といえばK-POP。東南アジアは旅行先。西アジアは石油と砂漠。こう並べると、ばらばらに見えますね。「全部覚えられるかな」と不安になるかもしれません。

でも大丈夫です。この記事では、どの地域も「その国は何を作って、何を外国に売っているか」という1つの見方で見ていきます。そうすると、ばらばらに見えた国どうしがつながってきます。

はじめに、2つ思い出しておこう

1つ目は、アジア州の地域の分け方です。
アジア州は、東アジア・東南アジア・南アジア・西アジア・中央アジアの5つの地域に分けられます。

東アジア 東南アジア 南アジア 西アジア 中央アジア 韓国

濃い色でぬってある国が韓国です。韓国は、日本と同じ東アジアにあります。東南アジアは、タイやインドネシアなど、赤道のまわりにある半島と島々です。西アジアは、アラビア半島のあたりです。

2つ目は、工場の決まりです。

【決まり】外国の企業が工場を建てる所
・賃金(働く人に払うお金)が安い
・作った物を運び出しやすい(港がある)
例:中国の沿岸部

中国では、海に面した沿岸部に工場が集まりました。この決まりは、この回で何度も使います。忘れていた人も、ここで押さえれば大丈夫です。

韓国は資源が少ないのに、なぜ工業で成長できた?

家のスマートフォンやテレビに、韓国の会社の物はありませんか。

ところが韓国は、石油や鉄鉱石などの資源があまりとれない国です。資源が少ないのに、どうやって工業の国になったのでしょう。手がかりは、日本も資源が少ない国だということです。

原料を輸入して、製品にして輸出する

答えは、資源が少ない日本と同じやり方です。

外国 韓国 (資源が少ない) 原料を輸入 石油・鉄鉱石など 工場で 製品にする 製品を輸出
  1. 石油や鉄鉱石などの原料を外国から輸入する
  2. 自分の国の工場で製品にする
  3. その製品を輸出する

自分の国でとれないなら、原料は外国から買えばよいのです。原料を買うのにかかるお金より、製品を売って入るお金のほうが多くなります。だから、国が豊かになっていくのです。

輸出の中心は「軽工業 → 重化学工業 → ハイテク産業」

韓国がこのやり方を始めたのは、1960年代ごろです。輸出の中心は、次のように移り変わってきました。

  • 軽工業(1960年代〜):はじめは、衣類などの製品が中心でした。
  • 重化学工業(1970年代〜):鉄鋼や石油化学、船、自動車などに力を入れて、工業化が急に進みました。
  • ハイテク産業(今):半導体やディスプレイ、スマートフォンなどの製品が中心です。

半導体は、電子機器の中で頭脳の役をする小さな部品のことです。
なお、自動車や船は重化学工業の製品で、今も多く輸出されています。

音楽やドラマなど、韓流と呼ばれる文化も世界に広がっています。

アジアNIES(ニーズ)

【覚える】アジアNIES(ニーズ)=新興工業経済地域
1970年代ごろから急に工業化した国・地域
韓国・台湾・ホンコン・シンガポール

韓国 台湾 ホンコン シンガポール アジアNIES ソウル

韓国と、同じころに急に工業化した台湾・ホンコン・シンガポールの4つの国・地域をまとめて、アジアNIESといいます。NIESと書いて「ニーズ」と読みます。日本語では新興工業経済地域です。

台湾とホンコンは「国」とは言い切れないので、「国や地域」と言います。

首都ソウルとそのまわりに、人口の約半分

もう1つ大事なことがあります。韓国では、首都のソウルとそのまわり(首都圏)に、国の人口の約半分が集まっています。

問1を考えよう

ここまでの内容で、問1に取り組んでみましょう。答えはすぐ下にあります。先に自分で考えてから読むと、身につきやすくなります。

問1
(1) 韓国・台湾・ホンコン・シンガポールは、1970年代ごろから急に工業化を進めました。これらの国や地域をまとめて何といいますか。
(2) 現在の韓国で特にさかんな工業として、最もふさわしいものを選びましょう。
 ア 天然ゴムの加工 イ 半導体や電子機器の生産 ウ 石油の採掘
(3) 韓国では、人口の約半分が首都とそのまわりに集中しています。首都の名前を答えましょう。

答え
(1) アジアNIES(ニーズ)=新興工業経済地域
(2) イ
(3) ソウル

【注意】台湾・ホンコンがふくまれるので「国や地域」と言う

首都圏に人口の50.4%(2021年)
人が集まりすぎる=過密 → 住宅が足りない・住宅の値段が高い

(1) アジアNIES(新興工業経済地域)です。台湾とホンコンがふくまれるので、「国」ではなく「国や地域」と言います。

(2) イです。韓国は資源が少ない国なので、ウの「石油の採掘」はちがいます。
アの「天然ゴムの加工」で迷った人もいるかもしれません。天然ゴムは、暑い地域で育つ木からとれる物です。このあとの東南アジアの話に出てきます。
今の韓国の中心はハイテク産業です。「軽工業 → 重化学工業 → ハイテク産業」という順番も、いっしょに覚えておきましょう。

(3) ソウルです。

韓国 ソウル 首都圏 韓国の人口の 50.4% 韓国の首都圏の人口の割合 2021年 出典:韓国統計庁

ソウルとそのまわりの首都圏には、韓国の人口の50.4%が住んでいます(2021年、韓国統計庁)。

人が一か所に集まりすぎることを、過密(かみつ)といいます。過密になると、住む家が足りなくなったり、家の値段が高くなったりします。

東南アジアの大農園「プランテーション」

お菓子の袋の裏にある原材料の欄に、「植物油脂」と書いてあるのを見たことはありませんか。この油の多くは、実は東南アジアから来ています。

東南アジアの農業

東南アジアは一年中暑くて、雨が多い地域です。そのため稲作がさかんです。同じ田で1年に2回米を作る二期作をしている所もあります。

ところが東南アジアには、米とはちがう作物を、とても広い農園で大量に育てている所があります。

フィリピン マレーシア インドネシア バナナ 天然ゴム 油やし 日本のバナナの輸入相手国 2023年 出典:財務省『貿易統計』

マレーシアやインドネシアでは、天然ゴムの木や油やしという木が育てられています。フィリピンではバナナが作られています。

油やしの実からとれる油をパーム油といいます。パーム油は、お菓子や洗剤などに使われます。

油やしの実 パーム油 お菓子・洗剤

だれが使うために作られたの?

こんなに大量の天然ゴムや油は、だれが使うために作られたのでしょう。

手がかりは歴史です。東南アジアの多くの国は、かつてヨーロッパの国々の植民地でした。今のマレーシアはイギリス、今のインドネシアはオランダの植民地でした。

ヨーロッパの国々は、暑い地域でしか育たない作物を手に入れるために、大農園を開きました。そして、作った物を自分の国などへ船で輸出しました。

ヨーロッパ 東南アジア 作物を船で運ぶ

【覚える】プランテーション
意味:主に熱帯の地域で、輸出向けの作物を大量に作る大農園
始まり:植民地の時代に、ヨーロッパの国々が開いた
今:現地の人が経営する農園も増えている

【注意】プランテーションは、自分たちが食べる物を作る畑ではない

ここが大事なポイントです。プランテーションは、地元の人が自分たちで食べる物を作る畑ではありません。輸出するための作物を作る農園です。

フィリピンのバナナもプランテーションで作られています。日本が輸入するバナナの多くは、フィリピン産です。

問2を考えよう

問2
(1) 東南アジアのマレーシアやインドネシアには、天然ゴムなどの作物を大量に育てる大農園があります。このような大農園を何といいますか。
(2) この大農園は、もともとだれが、何のために開いたものですか。
(3) インドネシアとマレーシアで多く作られている、油(パーム油)をとるための作物は何でしょう。

答え
(1) プランテーション
(2) 植民地にしていたヨーロッパの国々が、自分の国などに輸出する作物を大量に作るために開いた
(3) 油やし

パーム油の生産:1位 インドネシア 2位 マレーシア(2022年)

【注意】農園を広げるために熱帯林が切られ、森林が減っている

(1) プランテーションです。

(2) 「だれが」と「何のために」の2つを書きます。

  • だれが:植民地にしていたヨーロッパの国々
  • 何のために:自分の国などに輸出する作物を大量に作るため

「その国の人が食べる物を作るため」と書いた人もいると思います。農園と聞けば、食べる物を作る場所だと考えるのは自然なことです。ただ、プランテーションはそこがちがいます。かぎは「輸出」です。

(3) 油やしです。パーム油は油の名前、油やしは木の名前です。名前が似ているので、区別しておきましょう。
パーム油の生産は、インドネシアが1位、マレーシアが2位です(FAOSTAT、2022年)。

農園と森林の関係

もう1つ、覚えておいてほしいことがあります。

熱帯林 油やしの農園 (模式図) マレーシア インドネシア 2位 1位 パーム油の生産量の順位 2022年 出典:FAOSTAT

油やしの農園を広げるために熱帯林が切られて、森林が減っています。毎日食べるお菓子や使う洗剤の油が、東南アジアの森とつながっているのです。このことは、このシリーズの続きの「入試応用」の段でくわしく考えます。

東南アジアに工場が集まったのはなぜ?

服や電気製品のタグに、「MADE IN VIETNAM」(ベトナム製)や「MADE IN THAILAND」(タイ製)と書いてある物があります。どうして東南アジアで作られているのでしょう。はじめに思い出した「工場を建てる所の決まり」で考えてみましょう。

ベトナムやタイ、マレーシア、インドネシア、フィリピンなどには、次のような特徴があります。

  • 賃金が安く、働く人が多い
  • 海に面した国が多く、船で運び出しやすい
  • 税金を安くするなどして、外国の企業の工場を呼びこんだ(中国も、同じように税金を安くするなどして、外国の企業の工場を呼びこみました)
タイ ベトナム フィリピン マレーシア インドネシア 工場 製品を輸出

だから、日本などの会社がたくさん工場を建てました。そこで作った製品は、世界へ輸出されます。

ただし、同じ東南アジアでもシンガポールはちがいます。シンガポールはアジアNIESの一つで、早くから工業化が進み、今は賃金が高い国です。

ASEAN(アセアン)

【覚える】ASEAN(アセアン)=東南アジア諸国連合
東南アジアの国々が、経済などで協力するための組織
1967年、タイ・インドネシア・マレーシア・フィリピン・シンガポールの5か国で始まった

タイ フィリピン マレーシア インドネシア シンガポール ASEANを始めた5か国 (1967年)

ASEANと書いて「アセアン」と読みます。

都市に人が集まって起きた課題

工場が増えると、仕事を求めて農村から都市へ移る人が増えます。すると、次のような問題が起きます。

  • 交通渋滞(じゅうたい)
  • 家や水道の整備が追いつかず、住む環境が整っていない地域(スラム)ができる

これは、そこに住む人のせいではありません。人が急に増えたことで起きる問題で、急に都市が大きくなった国が向き合っている課題です。

華人(かじん)

【覚える】華人:中国から移り住んだ人々とその子孫。商業などで活躍

東南アジアには華人が多く住んでいて、商業などで活躍しています。

マレーシアの輸出品はどう変わった?

次の表は、マレーシアの主な輸出品を、1980年と2022年で比べたものです。

年 輸出品の1位 ほかに多い物 1980年 原油 2022年 機械類 天然ゴム、木材 石油製品、 パーム油など マレーシアの主な輸出品 出典:『世界国勢図会』2024/25年版
  • 1980年:1位は原油。ほかに天然ゴムや木材が多い
  • 2022年:1位は機械類。ほかに石油製品やパーム油などが多い

この表を見ながら、問3を考えてみましょう。

問3
(1) 東南アジアの国々が、経済などで協力するために作っている組織を何といいますか。
(2) マレーシアの輸出品の1位が、表のように変わったのはなぜですか。「外国の企業」という言葉を使って説明しましょう。

答え
(1) ASEAN(アセアン)=東南アジア諸国連合
(2)(例)外国の企業の工場を呼びこんで工業化を進めた結果、原油などの資源にかわって、機械類が輸出の中心になったから。

理由だけ書いた答え(外国の企業の工場が来て、工業化が進んだから)も正解

【決まり】変化まで伝えるときは「前は何・今は何」をそろえる
前:原油などの資源、天然ゴムなどの農産物
今:外国の企業の工場で作る機械類
「どう変わったか」を聞かれる問いでも使える

今の輸出の特徴(2022年)
タイ:機械類・自動車 インドネシア:石炭・パーム油も多い

(1) ASEAN(東南アジア諸国連合)です。

(2) まず、表を読んでいきます。

年 輸出品の1位 ほかに多い物 1980年 原油 2022年 機械類 天然ゴム、木材 石油製品、 パーム油など マレーシアの主な輸出品 出典:『世界国勢図会』2024/25年版 資源・農産物 工場で作る物 外国の企業 の工場
  • 1980年の原油は、地下からとれる資源です。
  • 天然ゴムは、農園で育てる作物、つまり農産物です。
  • 木材は、森林から切り出す物です。
  • それに対して、2022年の1位の機械類は、工場で作る物です。

変わった理由は、ここまでの流れのとおりです。マレーシアも外国の企業の工場を呼びこんで工業化を進めました。そして、その工場で作った機械類が輸出の中心になったのです。

理由だけで正解。変化まで伝えるなら「前は何・今は何」

この問いは「なぜ」と理由を聞いています。何から何へ変わったかは表に出ているので、「外国の企業の工場が来て、工業化が進んだから」のように、理由だけを書いた答えも正解です。そう書けた人は、ちゃんと問いに答えられています。

そのうえで、何から何へ変わったかまで伝えたいときは、次の決まりを使います。

【決まり】変化まで伝えるときは「前は何・今は何」をそろえる
前:原油などの資源、天然ゴムなどの農産物
今:外国の企業の工場で作る機械類
「どう変わったか」を聞かれる問いでも使える

たとえば、「前は原油などの資源や、天然ゴムなどの農産物が中心だった。今は、外国の企業の工場で作る機械類が中心になった」と書くと、何から何へ変わったかまで伝わります。「機械類になった」とだけ書くと、前が何だったかが伝わりません。

国によって、輸出品に特徴がある

タイ 1位 機械類 2位 自動車 インドネシア 1位 石炭 パーム油も多い タイ・インドネシアの輸出品の上位 2022年 出典:『世界国勢図会』2024/25年版

今の輸出品は、国によって特徴があります。タイは機械類や自動車、インドネシアは石炭やパーム油も多い国です(2022年、『世界国勢図会』)。

最近は、中国より賃金の安いベトナムなどに工場を移す会社もあります。工場は、条件のよい所を探して動くのです。

西アジアの石油と中央アジアの資源

ガソリンの値段が上がった、下がったというニュースを聞いたことはありませんか。ガソリンは、地下からくみ上げた原油から作ります。では日本は、その原油をどこから買っているのでしょう。

答えは西アジアです。日本は、原油の9割以上を西アジアから輸入しています(2023年、経済産業省「資源・エネルギー統計」)。ほとんどが西アジアから来ているのです。

日本 日本の原油の 9割以上は 西アジアから 日本の原油の輸入先 2023年 出典:経済産業省『資源・エネルギー統計』 ペルシア湾 サウジ アラビア アラブ 首長国連邦

ペルシア湾とOPEC

【覚える】ペルシア湾(ペルシャ湾)
まわりに石油が多くとれる国が集まる(サウジアラビア・アラブ首長国連邦など)

西アジアの中でも、石油が特に多くとれるのはペルシア湾のまわりです。サウジアラビアやアラブ首長国連邦など、石油がたくさんとれる国が集まっていて、石油を輸出して大きな収入を得ています。

【覚える】OPEC(オペック)=石油輸出国機構
石油を輸出する国々がつくった組織

OPECと書いて「オペック」と読みます。

この回では、NIES・ASEAN・OPECと、アルファベットの名前が3つ出てきました。ここは混ざりやすいところです。読み方と日本語の名前をセットにしておくと、区別しやすくなります。

名前読み方日本語の名前
NIESニーズ新興工業経済地域
ASEANアセアン東南アジア諸国連合
OPECオペック石油輸出国機構

石油は、くみ上げた分だけ減っていく

ここで、石油という資源の性質を1つ押さえておきましょう。

石油は、とても長い時間をかけて地下にできた物です。人が使うスピードで新しくできることはありません。だから、くみ上げた分だけ減っていきます。

中央アジアのレアメタル

カザフスタン 石油 天然ガス レアメタル

中央アジアのカザフスタンなどでは、石油や天然ガスのほかに、レアメタルが多くとれます。

【覚える】レアメタル(希少金属)
量が少なく貴重な金属。スマートフォン・電気自動車に使う

希少(きしょう)金属ともいいます。スマートフォンや電気自動車に欠かせないので、世界から注目されています。

石油がある国が、ほかの産業を育てるのはなぜ?

最後の問い、問4です。

問4
(1) 西アジアで石油が特に多くとれる湾の名前を答えましょう。
(2) 石油を輸出する国々がつくった組織を何というでしょう(アルファベット4文字)。
(3) アラブ首長国連邦は、石油の輸出で得たお金を使って、ドバイなどの都市に高層ビルやリゾート、国際空港などを作り、観光や金融の産業に力を入れています。石油があるのに、なぜほかの産業も育てようとしているのでしょうか。
(4) 中央アジアのカザフスタンなどで多くとれる、スマートフォンなどの電子機器に使われる、量が少なく貴重な金属をまとめて何といいますか。

答え
(1) ペルシア湾(ペルシャ湾)
(2) OPEC(オペック)=石油輸出国機構
(3)(例)石油はいつかなくなるので、なくなった後も国が豊かでいられるように備えているから。
(4) レアメタル(希少金属)

【注意】「石油が足りないから」ではない
今はまだたくさんある → いつかなくなる日に備えて、あるうちにほかの産業を育てる

金融:銀行のように、お金を預かったり、必要な人や会社に貸したりする産業

(1) ペルシア湾(ペルシャ湾)です。

(2) OPEC(オペック)、石油輸出国機構です。

(3) よくある間違いが、「石油が足りないから」という答えです。

ほかの産業に力を入れていると聞くと、「石油に困っているのかな」と考えたくなりますよね。その考え方の筋は通っています。でも、ここは逆です。アラブ首長国連邦では、今はまだ石油がたくさんとれます。

石油の量 今 石油がある今 いつかなくなる 石油があるうちに 石油のお金で 空港・ホテル・高層ビル 観光・金融 石油がなくても続く産業

さきほど学んだように、石油はくみ上げた分だけ減っていく資源で、いつかなくなります。石油だけで国を支えていると、なくなった日に収入がとだえてしまいます。

だから、石油があってお金があるうちに、観光や金融など、石油がなくても続く産業を育てているのです。

金融というのは、銀行のように、お金を預かったり、お金が必要な人や会社に貸したりする産業のことです。

再生可能エネルギーやAIを使って、石油にたよらない都市づくりを進めている国もあります。

マレーシアは輸出の中心が変わりましたが、西アジアの産油国は今も石油が中心です。だからこそ、ほかの産業を育てているのです。

(4) レアメタル(希少金属)です。

まとめ

この回で学んだ国々の「輸出の中心の移り変わり」を表にすると、次のようになります。

国前の中心今の中心
韓国軽工業→重化学工業半導体など
マレーシア原油・天然ゴム機械類
産油国石油今も石油

どの国も、「何を外国に売るか」を考えて国づくりをしていることが分かりますね。はじめはばらばらに見えた国々が、1つの見方でつながりました。

  • 韓国:資源が少ないので、原料を輸入して製品を輸出する。軽工業 → 重化学工業と進み、今は半導体などのハイテク産業がさかん。
  • プランテーション:主に熱帯の地域で、輸出向けの作物を大量に作る大農園。始まりは、植民地の時代にヨーロッパの国々が開いた農園。
  • 東南アジア:外国の企業の工場を呼びこんだ。マレーシアやタイなどでは、輸出の中心が資源や農産物から機械類に変わった。
  • 西アジア:ペルシア湾の石油とOPEC。産油国は、石油がいつかなくなるので、ほかの産業も育てている(中央アジアはレアメタル)。

1つずつ、自分の言葉で言えるか確かめてみてください。言えないところがあったら、その部分をもう一度読み直したり、ページの上の動画で見直したりしてみましょう。

このシリーズには、「基礎」「入試基礎」「入試応用」の3つの段があります。この回は、そのいちばんはじめの「基礎」の段の回です。ページの下から、問いを解くプリントと宿題、練習問題のページ、宿題の解説動画へ進めます。

よくある質問

Q. プランテーションは、その国の人が食べる物を作る畑ではないのですか?
A. ちがいます。プランテーションは、主に熱帯の地域で、輸出向けの作物を大量に作る大農園です。始まりは、植民地にしていたヨーロッパの国々が、自分の国などに輸出する作物を作るために開いた農園でした。かぎは「輸出」です。今は、現地の人が経営する農園も増えています。

Q. マレーシアの輸出品が変わった理由は、どう書けばいいですか?
A. 「外国の企業の工場が来て、工業化が進んだから」のように、理由だけを書いても正解です。さらに「前は原油などの資源や天然ゴムなどの農産物が中心だった。今は外国の企業の工場で作る機械類が中心になった」と、前と今をそろえて書くと、何から何へ変わったかまで伝わります。

Q. 産油国がほかの産業を育てるのは、石油が足りないからですか?
A. 逆です。今はまだ石油がたくさんあります。ただ、石油はくみ上げた分だけ減っていき、いつかなくなる資源です。だから、石油があってお金があるうちに、観光や金融など、石油がなくても続く産業を育てているのです。

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解答・解説つきの演習プリント(別ページ)

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