中1 数学|正負の数|Step 1b
この記事のポイント
- 正負の加減の考え方
- 基本用語の確認
- 正負の加減と日常場面

栞先生
正負の数の加減(たし算・ひき算)は、中学数学の基礎となる重要な単元です。小学校で学んだたし算・ひき算に「マイナス」の概念が加わり、数の範囲が広がります。本記事では**符号**と**絶対値**を分けて考えるアプローチを軸に、計算の仕組みを体系的に整理します。この考え方を習得すると、以降の「文字と式」などの単元にもスムーズに接続できます。
学習マップ
この単元の位置づけです。
小1 たし算ひき算 (2桁)
↓
小2 たし算ひき算 (3桁)
↓
中1 正負の数 (加減)
↓
中1 文字と式
今日やること
- ① 同符号どうしのたし算(絶対値を足す)
- ② 異符号どうしのたし算(絶対値の差・大きい方の符号)
- ③ 0との加法・反対の数の和
- ④ ひき算は『反対の数のたし算』に直す
- ⑤ 加減が混じった式の計算
ゴール: 符号と絶対値を分けて考えるクセをつくる
基本用語の確認
- 【符号】+(プラス)は正、−(マイナス)は負。0は正でも負でもない
- 【絶対値】数直線で 0 からの距離。|+5|=5、|−5|=5
- 【反対の数】符号だけが違う数。+3 と −3 は反対の数
- 【数直線】右に行くほど大きく、左に行くほど小さい

栞先生
計算に入る前に必要な用語を整理します。プラスの数を**正の数**、マイナスの数を**負の数**といい、0はどちらにも属しません。**絶対値**とは数直線上で0からの距離を表し、+5の絶対値も−5の絶対値も5です。絶対値は「大きさ」、符号は「向き」を表すと考えると理解しやすいでしょう。符号だけが異なる数の組を**反対の数**といいます(例:+3と−3)。数直線では右へ行くほど大きく、左へ行くほど小さくなり、この方向感覚が正負の加減の土台となります。
正負の加減と日常場面
正負の加減はこんなとき使う
・気温の変化(朝+5℃、夜は8℃下がって−3℃)
・標高(プラス)と水深(マイナス)
・収入(プラス)と支出(マイナス)

栞先生
正負の加減は日常生活の様々な場面で使われています。代表例として、気温の変化(朝の+5℃から8℃下がって夜は−3℃)、海面を基準(0)とした標高・水深の計算、収入をプラス・支出をマイナスとした収支管理などが挙げられます。数直線上のイメージでは「足す=右へ進む」「引く=左へ進む」ととらえると、計算の意味が直感的に把握できます。
同符号どうしの加法
【同符号どうしの加法】
絶対値を足して、共通の符号をそのままつける
→ 数直線では『同じ向きに連続して進む』イメージ

栞先生
**同符号どうしの加法**のルールは「絶対値の和を求め、共通の符号をつける」です。両方プラスならプラス、両方マイナスならマイナスになります。同じ方向に進み続けるため、距離がそのまま合計されます。例:(+3)+(+5)=+8(絶対値の和3+5=8にプラス)、(−4)+(−6)=−10(絶対値の和4+6=10にマイナス)。同符号のときは「差ではなく和を取る」ことを意識してください。
異符号どうしの加法
【異符号どうしの加法】
絶対値の差を取り、絶対値の大きいほうの符号をつける
→ 数直線では『逆向きに戻る』イメージ

栞先生
**異符号どうしの加法**のルールは「絶対値の差を求め、絶対値が大きい方の符号をつける」です。プラスとマイナスが互いに打ち消し合い、絶対値の大きい方の向きが結果として現れます。「どちらがより遠くまで進んでいるか」で符号が決まるとイメージしましょう。例:(+7)+(−3)=+4(差7−3=4、大きいのはプラス側)、(−8)+(+5)=−3(差8−5=3、大きいのはマイナス側)。
0との加法と反対の数の和
【0との加法】
a + 0 = 0 + a = a(足しても変わらない)
【反対の数の和】
絶対値が同じで符号が逆 → 足すと0

栞先生
**反対の数**どうし(絶対値が等しく符号が逆の数)を加えると必ず0になります。例:(+5)+(−5)=0、(−8)+(+8)=0。これは数直線上で同じ距離を右に進んだ後、左に戻ることで元の位置に戻るイメージです。また、0を加えても元の数は変わりません。この性質は加減が混在する式を整理するときに役立ちます。
ひき算をたし算に直す
【ひき算は『反対の数のたし算』に直す】
a − b = a + (−b)
手順: ①ひく数の符号を反対にする → ②たし算で計算

栞先生
ひき算の処理には「**ひく数の符号を反対にしてたし算に変換する**」方法を用います。式で表すと a−b=a+(−b) です。ひく数の符号だけを反転し、あとはたし算のルールを適用するだけです。
例:(+5)−(+3)→(+5)+(−3)=+2(異符号のたし算)、(+5)−(−3)→(+5)+(+3)=+8(同符号のたし算)。特に「マイナスを引く」と数が大きくなる点は直感に反しますが、ひく数のマイナスをプラスに変換すると考えれば確実に処理できます。ひき算が現れたら必ずたし算に変換する手順を習慣化しましょう。
加減混合の計算
【3つ以上の加減】
① ぜんぶ加法に直す
② 正の項と負の項に分けてまとめる
③ 最後に1回だけ計算(足す順番は変えてOK)

栞先生
加減が混在する式の計算は次の3ステップで処理します。①すべてをたし算に変換する、②正の項と負の項を分けてまとめる、③最後に1回だけ計算する。たし算は順序を入れ替えてもまとめて計算しても結果が変わらない(**交換法則・結合法則**)ため、項を自由に整理できます。
例:(+3)−(+7)+(−2)−(−6)をすべてたし算に変換すると(+3)+(−7)+(−2)+(+6)となり、正の項{(+3)+(+6)}=+9、負の項{(−7)+(−2)}=−9にまとめると(+9)+(−9)=0となります。
よくある間違いと対策
符号でつまずきやすい3パターン
| × よくある間違い | ○ 正しい計算 | ポイント |
|---|
| (−3)+(−5) = −2 | (−3)+(−5) = −8 | 同符号は『差』ではなく『和』 |
| (+5)+(−8) = +3 | (+5)+(−8) = −3 | 大きい方の符号(−)を残す |
| (+5)−(−3) = +2 | (+5)−(−3) = +8 | −(−3) → +(+3) に変換 |

栞先生
つまずきやすい3つのパターンを確認します。①(−3)+(−5)=−2(誤):同符号のたし算は絶対値の「和」を取るので−8が正解です。②(+5)+(−8)=+3(誤):符号は絶対値が大きい方(マイナス側の8)につけるので−3が正解です。③(+5)−(−3)=+2(誤):ひく数のマイナスを反転してたし算に変換すると(+5)+(+3)=+8が正解です。ひき算が出たら必ずたし算に変換するという手順を機械的に実行することで、符号のミスを防げます。
確認問題①
問1. (+6)+(+4) を計算しなさい

栞先生
【正解】+10 同符号のたし算なので絶対値の和6+4=10にプラスをつけます。
確認問題②
問2. (−8)+(+3) を計算しなさい

栞先生
【正解】−5 異符号なので絶対値の差8−3=5を取り、絶対値が大きいマイナス側の符号をつけます。
確認問題③
問3. (+7)−(+2) を加法に書き直した式として
正しいものを選びなさい
ア. (+7)+(−2) イ. (−7)+(−2)
ウ. (−7)+(+2) エ. (+7)+(+2)

栞先生
【問題】(+7)−(+2)を加法に書き直した式を答えなさい。
【正解】(+7)+(−2) ひく数(+2)の符号だけを反対にします(前の数の符号は変えません)。
確認問題④
問4. (+5)−(−3) を計算しなさい

栞先生
【正解】+8 ひく数(−3)の符号を反転して(+5)+(+3)=+8となります(マイナスを引くと数が大きくなります)。
確認問題⑤
問5. (+9)+(−9) = 0 である。
○ か × か答えなさい

栞先生
【問題】(+9)+(−9)=0は正しいか答えなさい。
【正解】○ 反対の数どうしの和は必ず0になります。
確認問題⑥
問6. (−4)+(−6) を計算すると ア になる
アに入る符号付きの数を答えなさい
(例: +5, −5)

栞先生
【問題】(−4)+(−6)を計算しなさい(符号を含めて答えること)。
【正解】−10 同符号(両方マイナス)なので絶対値の和4+6=10にマイナスをつけます。符号の書き忘れに注意してください。
まとめ
今日のポイント
- 同符号 → 絶対値を足す、符号はそのまま
- 異符号 → 絶対値の差、大きい方の符号
- ひき算 → ひく数の符号を反対にしてたし算
- 迷ったら『符号』と『絶対値』を分けて考える

栞先生
正負の加減の要点を4点にまとめます。①**同符号**の加法→絶対値の和に共通の符号をつける。②**異符号**の加法→絶対値の差に絶対値が大きい方の符号をつける。③**ひき算**→ひく数の符号を反転してたし算に変換する(a−b=a+(−b))。④迷ったときは「**符号**(向き)」と「**絶対値**(大きさ)」を分けて考える。この4つの手順を確実に実行できるようになれば、正負の加減の問題は解けるようになります。
よくある質問
同符号の加法と異符号の加法で計算方法が違うのはなぜですか?
同符号の場合は同じ方向への移動なので距離(絶対値)が足し合わされますが、異符号の場合は逆方向への移動で互いに打ち消し合うため、差を取ることになります。それぞれの「向き」を数直線上でイメージすると理解しやすいでしょう。
「マイナスを引く」とプラスになる理由が直感的に理解できません。
ひき算を「ひく数の符号を反対にしてたし算に変換する」と考えてください。(+5)−(−3)は「マイナス3を引く」操作なので、符号を反転すると「プラス3を足す」になります。直感に頼らず手順通りに変換することを徹底するのが確実です。
加減が混在する複雑な式でミスしないコツはありますか?
まず式全体をたし算に変換してから、正の項と負の項を分けてまとめる3ステップを順に実行してください。ひき算が残った状態で計算しようとすると符号ミスが起きやすいため、変換を徹底することが重要です。
この単元の練習問題にチャレンジ →
この単元の授業
- Step 1a
- Step 1b(この記事)
- Step 1c(準備中)
- Step 2(準備中)
- Step 3(準備中)
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