中学1年

中1理科|水溶液の濃度【Step 1a】

栞先生

中1 理科|水溶液の濃度|Step 1a

この記事でわかること

  • 質量パーセント濃度は、溶質の質量を溶液の質量で割って求めます。
  • 溶液の質量は、溶質と溶媒の質量を足したものです。
  • 濃度の分母には、水だけでなく、できた液全体の質量を使います。

※ この記事は上の授業動画の内容をテキストで整理したものです。

栞先生
栞先生
運動のあとに砂糖水を作る場面を考えます。同じ量の水を使っても、砂糖が多いほど甘く感じられます。しかし、味の感じ方だけでは、二つの砂糖水の濃さを正確に比べにくいものです。

学習マップ

この単元の位置づけです。

濃さの計算は、分母を水だけにするか、できた液全体にするかで混乱しやすい。
溶質の質量を液全体で割って100をかければ、濃さがそのまま%の数になる。
液全体で比べると、甘さや塩加減を数で表せる。

 物の溶け方(小5)
  ↓
 水溶液の性質(小6)
  ↓
 水溶液の濃度(中1)
  ↓
 酸・アルカリと中和(中3)

甘さのちがいをどう表す?

栞先生
栞先生
運動のあとに砂糖水を作る場面を考えます。同じ量の水を使っても、砂糖が多いほど甘く感じられます。しかし、味の感じ方だけでは、二つの砂糖水の濃さを正確に比べにくいものです。

部活や外遊びのあと、水に砂糖をとかして甘い飲み物をつくる。

同じ量の水でも、砂糖が多い日はより甘い。
このちがいを「とけている量の割合」で数にしたい。

そこで、とけている砂糖が液全体のどれくらいをしめるかを割合で表します。水に物質がとけた液を水溶液といい、その濃さを数で表すのが質量パーセント濃度です。

溶質・溶媒・溶液という約束

栞先生
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物質をとかす場面では、それぞれの役割に名前があります。とけている物質が溶質、とかしている液体が溶媒、できた液全体が溶液です。食塩水なら、食塩が溶質、水が溶媒、食塩水全体が溶液に当たります。
名前指すもの食塩水では
溶質溶けている物質食塩
溶媒溶かしている液体水
溶液できた液全体食塩水

水溶液:溶媒が水の溶液

これは物質名そのものではなく、溶かす場面での役割につける名前。どうしても見分けに迷うときは、この表の「溶ける物質/溶かす液体/できた液全体」の対応を先に覚えておき、余裕が出たら意味を見直そう。

溶媒が水である溶液を水溶液といいます。これらは物質そのものに固定された名前ではなく、溶かす場面での役割を示す約束です。迷ったときは「とける物質・とかす液体・できた液全体」の順に対応させると整理できます。

確認問題①

栞先生
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水190gに砂糖10gをとかして砂糖水をつくりました。①溶質、②溶媒、③溶液に当てはまるものを、ア〜ウからそれぞれ選びなさい。 ア 砂糖水 イ 砂糖 ウ 水

水190gに砂糖10gをとかして砂糖水をつくりました。①溶質、②溶媒、③溶液に当てはまるものを、ア〜ウからそれぞれ選びなさい。
ア 砂糖水
イ 砂糖
ウ 水

確認問題①の答え

栞先生
栞先生
答えは、①イ、②ウ、③アです。とけた砂糖が溶質、砂糖をとかした水が溶媒、できた砂糖水全体が溶液です。

答え:①イ ②ウ ③ア

  • とけた砂糖が溶質
  • 砂糖をとかした水が溶媒
  • できた砂糖水全体が溶液

溶かす前と後の質量

栞先生
栞先生
食塩10gを水90gにとかすと、食塩は見えなくなります。それでも、食塩がなくなったわけではありません。とかす前と後で全体の質量は変わらず、できた食塩水は100gです。
溶かす前と後 溶かす前 溶質:食塩 10g 溶媒:水 90g 溶かした後 溶液:食塩水 100g よくかき混ぜる ポイント 溶けても質量は変わらない

溶液の質量=溶質の質量+溶媒の質量

したがって、溶液の質量=溶質の質量+溶媒の質量となります。水100gに溶質5gをとかした場合も、できる溶液の質量は\(\displaystyle 100+\allowbreak 5=\allowbreak 105g\)です。

質量が変わらない理由を図で確認

栞先生
栞先生
とかす前の「溶質である食塩10g」と「溶媒である水90g」は、とかした後には「溶液である食塩水100g」としてまとまります。形や見え方が変わっても、\(\displaystyle 10g+\allowbreak 90g=\allowbreak 100g\)という質量の対応は変わりません。
溶かす前と後 溶かす前 溶質:食塩 10g 溶媒:水 90g 溶かした後 溶液:食塩水 100g よくかき混ぜる ポイント 溶けても質量は変わらない

図では「溶質:食塩 10g」と「溶媒:水 90g」が、「溶液:食塩水 100g」になる。どうしても難しいときは、「溶けても質量は変わらない」という対応を先に覚え、余裕が出たら理由を見直そう。

理由がまだつかみにくいときは、まずこの対応を基本問題で使ってみましょう。計算に慣れてから意味を確かめ直す進み方でも大丈夫です。

質量パーセント濃度の意味

栞先生
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質量パーセント濃度は、質量パーセント濃度=溶質の質量÷溶液の質量×100で求めます。比べる部分は溶質、もとにする全体は溶質と溶媒を合わせた溶液です。溶媒だけの質量を分母にはしません。

質量パーセント濃度=溶質の質量÷溶液の質量×100

  • 比べる部分:溶質の質量
  • もとにする全体:溶液の質量(溶質+溶媒)
  • 溶媒だけの質量を分母にはしない

この式は、質量[g]から質量パーセント濃度を求めるときに使う。甘さそのものではなく、液全体にしめる溶質の割合を表す。ここは意味までつかみたいところなので、焦らず「部分÷全体」に戻って確かめよう。

この単元は、正直なところ、計算そのものより分母の見分けがややこしいと私は思います。質量がgで示された水溶液では、「液全体のうち、溶質がどれだけあるか」という部分と全体の関係に戻ると、式の意味を確かめられます。

溶質と溶媒から濃度を求める

栞先生
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水190gに砂糖10gをとかした砂糖水では、溶質は砂糖10g、溶媒は水190gです。まず溶液の質量を\(\displaystyle 10+\allowbreak 190=\allowbreak 200g\)と求めます。

水190g+砂糖10g→溶液200g

砂糖水の質量パーセント濃度
1. 溶質=砂糖10g、溶媒=水190g (部分と材料を見分ける)
 ↓
2. 溶液の質量=10+190=200g (先に液全体の質量を求める)
 ↓
3. 質量パーセント濃度=10÷200×100 (部分÷全体×100に当てはめる)
 ↓
4. 10÷200×100=5% (単位を%にする)

次に、濃度の式へ当てはめると\(\displaystyle 10÷200×100=\allowbreak 5%\)です。先に液全体の質量を出しておくと、水190gをそのまま分母にする間違いを避けやすくなります。

確認問題②

栞先生
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水90gに食塩10gをすべてとかすと、できた食塩水の質量は何gになりますか。単位をつけて答えなさい。

水90gに食塩10gをすべてとかすと、できた食塩水の質量は何gになりますか。単位をつけて答えなさい。

確認問題②の答え

栞先生
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答えは100gです。溶液の質量=溶質の質量+溶媒の質量なので、\(\displaystyle 10+\allowbreak 90=\allowbreak 100g\)となります。

答え:100g

溶液の質量を求める
1. 溶液の質量=溶質の質量+溶媒の質量 (食塩と水を合わせる)
 ↓
2. =10+90 (数を当てはめる)
 ↓
3. =100g (単位をつける)

料理の塩加減と濃度

栞先生
栞先生
濃度は、料理の塩加減を考えるときにもつながります。同じ量の水に少ない食塩をとかした液は濃度が低く、食塩を多くすれば濃度は高くなります。水の量という条件をそろえると、食塩の量と濃度の関係を比べやすくなります。
比べる条件食塩の量濃度(割合)塩加減
同じ水の量少ない低い塩味が弱い
同じ水の量多い高いよりしょっぱい

同じ水の量でも溶質が多いほど濃度(割合)が高くなる。料理の塩加減も、液全体にしめる食塩の割合と対応する。

味の感じ方そのものを式にするのではありません。液全体にしめる食塩の割合を数で示すことで、塩加減のちがいを質量にもとづいて比べられるようになります。

確認問題③

栞先生
栞先生
全体の質量が200gで、その中に食塩が30gとけている食塩水があります。この食塩水の質量パーセント濃度を、単位をつけて答えなさい。

全体の質量が200gで、その中に食塩が30gとけている食塩水があります。この食塩水の質量パーセント濃度を、単位をつけて答えなさい。

確認問題③の答え

栞先生
栞先生
答えは15%です。食塩30gが部分、食塩水200gが全体なので、\(\displaystyle 30÷200×100=\allowbreak 15%\)となります。

答え:15%

食塩水の質量パーセント濃度
1. 質量パーセント濃度=溶質の質量÷溶液の質量×100 (定義式を確認する)
 ↓
2. =30÷200×100 (食塩30gと食塩水200gを当てはめる)
 ↓
3. =15% (単位を%にする)

濃度から溶質の質量を求める

栞先生
栞先生
濃度と溶液の質量がわかっているときは、反対向きに溶質の質量を求められます。5%は\(\displaystyle 5÷100\)という割合なので、溶質の質量=溶液の質量×濃度÷100と考えます。
5%の砂糖水200gにふくまれる砂糖
1. 溶質の質量=溶液の質量×濃度÷100 (液全体に割合をかける)
 ↓
2. =200×5÷100 (数を当てはめる)
 ↓
3. =10g (溶質の質量を確定する)

濃度を求める計算の反対向き。わかっているのが液全体と濃度なら、液全体×濃度÷100で溶質の質量を出せる。

5%の砂糖水200gなら、\(\displaystyle 200×5÷100=\allowbreak 10g\)です。わかっている液全体に、そのうち溶質がしめる割合をかけることで、砂糖の質量が求められます。

確認問題④

栞先生
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質量パーセント濃度が8%の食塩水150gには、食塩が何gとけていますか。単位をつけて答えなさい。

質量パーセント濃度が8%の食塩水150gには、食塩が何gとけていますか。単位をつけて答えなさい。

確認問題④の答え

栞先生
栞先生
答えは12gです。\(\displaystyle 150×8÷100=\allowbreak 12g\)となり、8%は8倍ではなく\(\displaystyle 8÷100\)という割合として使います。

答え:12g

食塩の質量
1. 溶質の質量=溶液の質量×濃度÷100 (求める量を確認する)
 ↓
2. =150×8÷100 (食塩水150gと8%を当てはめる)
 ↓
3. =12g (単位をgにする)

よくある間違い:分母

栞先生
栞先生
水90gに食塩10gをとかしたとき、\(\displaystyle 10÷90×100\)と計算するのは誤りです。90gは溶媒である水だけの質量で、できた液全体の質量ではありません。

× 水90gを分母にして、10÷90×100

○ 食塩水100gを分母にして、10÷100×100=10%

濃度は、液全体のうち溶質がどれだけあるかを表す割合。だから分母は溶媒だけではなく、溶質+溶媒である溶液の質量にする。

分母にするのは、食塩10gと水90gを合わせた食塩水100gです。したがって、\(\displaystyle 10÷100×100=\allowbreak 10%\)となります。水に注目する考え方は自然ですが、濃度では何を全体として比べているかを確かめることが大切です。

確認問題⑤

栞先生
栞先生
水45gに砂糖5gをとかして砂糖水をつくりました。この砂糖水の質量パーセント濃度を求める式で、分母に使うのはどちらですか。 ア 溶液である砂糖水の質量50g イ 溶媒である水の質量45g

水45gに砂糖5gをとかして砂糖水をつくりました。この砂糖水の質量パーセント濃度を求める式で、分母に使うのはどちらですか。

選択肢分母に使う質量
ア溶液である砂糖水の質量50g
イ溶媒である水の質量45g

確認問題⑤の答え

栞先生
栞先生
答えはアです。砂糖5gと水45gを合わせた溶液は50gなので、分母には砂糖水全体の質量50gを使います。

答え:ア

  • 溶液は砂糖5g+水45g=50g
  • 分母は溶液である砂糖水の質量50g
  • 溶媒である水の質量45gだけではない

この記事のまとめ

栞先生
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溶質はとけている物質、溶媒はとかしている液体、溶液はできた液全体です。溶媒が水なら水溶液といい、溶液の質量=溶質の質量+溶媒の質量となります。
  • 溶質+溶媒が溶液。溶媒が水なら水溶液
  • 溶液の質量=溶質の質量+溶媒の質量
  • 質量パーセント濃度=溶質の質量÷溶液の質量×100

「濃度の分母が液全体なのはなぜか」を自分の言葉で説明できたら、要点はつかめている。あやしければ、質量パーセント濃度の意味に戻ろう。

この先は、溶解度や再結晶という学びにもつながる。ここでは名前の予告だけにしておこう。

質量パーセント濃度は、溶質の質量÷溶液の質量×100で求めます。分母が液全体なのは、その液全体のうち溶質がどれだけあるかを表す割合だからです。この考え方は、この先に学ぶ溶解度や再結晶にもつながります。

よくある質問

濃度の分母を水の質量にしてはいけないのはなぜですか?

水に注目するのは自然ですが、質量パーセント濃度は溶液全体にしめる溶質の割合です。分母には、水だけでなく溶質も含めた溶液の質量を使います。

溶媒と溶液はどのように見分けますか?

溶媒は物質をとかしている液体で、溶液は溶質がとけてできた液全体です。砂糖5gを水45gにとかした場合、水45gが溶媒、砂糖水50gが溶液です。

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