中学2年

中2国語|用言の活用(動詞・形容詞・形容動詞)【STEP 1-2】

栞先生

中2 国語|用言の活用(動詞・形容詞・形容動詞)|STEP 1-2

この記事でわかること

  • 「ない」の直前の音段を見るとア段=五段・イ段=上一段・エ段=下一段と区別できる
  • カ変は「来る」の1語のみ、サ変は「する」と「〜する」型の複合動詞がすべて対象
  • 五段活用が「て・た」に続く場合のみ、イ音便・促音便・撥音便の3種類が起こる

※ この記事は上の授業動画の内容をテキストで整理したものです。

栞先生
栞先生
上一段・下一段・カ変・サ変の見分けで混乱していませんか?その悩み、この記事でまとめて解決します。

学習マップ

この単元の位置づけです。

上一段?下一段?カ変?サ変?
5種類どう見分けるの?
→『ない』直前の音段を見るだけ
例: 起きない→『き』(イ段)→上一段
+『書きて』が『書いて』になる音便も整理

 小2 主語と述語
  ↓
 中1 品詞の分類
  ↓
 中2 用言の活用 ★今回
  ↓
 中2 論証構造
  ↓
 中2 心情読解
  ↓
 中3 助動詞・助詞

「ない」をつけて音段を観察する

栞先生
栞先生
5つの動詞に「ない」をつけると、直前の音がそれぞれ異なる段に現れます。

黒板に5つの動詞を並べて
それぞれに『ない』をつけてみよう
→直前の音がバラバラに!
この『音段の違い』が見分けのカギ

  • 書く → 書か ない (か = ア段) … 五段
  • 起きる → 起き ない (き = イ段) … ?
  • 食べる → 食べ ない (べ = エ段) … ?
  • 来る → 来 ない (こ = 特殊) … ?
  • する → し ない (し = 特殊) … ?

「書く→書かない(ア段)」「起きる→起きない(イ段)」「食べる→食べない(エ段)」「来る→こない」「する→しない」。このバラつきが5種類の活用を見分ける手がかりそのものとなっている。

五段活用のおさらい

栞先生
栞先生
活用形を確認するとき、語尾がどの段で動くかを意識していますか?

【前回のおさらい】
語尾がア・イ・ウ・エ段で動く=五段活用
『ない』直前がア段→五段
(『書かない』の『か』はア段)

五段活用は活用語尾がア・イ・ウ・エ・オの5段を動き回るタイプ。「書く」を例にすると、「書かない(ア段)」「書きます(イ段)」「書く(ウ段)」「書けば(エ段)」「書こう(オ段)」と変化する。「ない」をつけて直前がア段になれば五段と判定する。

上一段活用

栞先生
栞先生
「起きない」と「書かない」——直前の音がどう違うか、聞き比べてみてください。

【上一段活用】
活用語尾が全部『イ段』だけで動く
例:起きる・見る・着る・似る・落ちる
→『ない』直前がイ段なら上一段
『起きない』の『き』=イ段

動詞「起きる」の活用 活用形 語幹 活用語尾 続く語 未然形 お き ない 連用形 お き ます 終止形 お きる 。(言い切り) 連体形 お きる とき 仮定形 お きれ ば 命令形 お きろ・きよ (命令) 活用語尾はすべて イ段「き」から始まる → 上一段活用

「ない」をつけて直前がイ段になれば上一段活用。「起きない」の「き」はイ段のため「起きる」は上一段と判定できる。活用語尾は「き・き・きる・きる・きれ・きろ」とすべてイ段から始まる。代表例は「起きる」「見る」「着る」「似る」など。上一段の「上」はウ段より上のイ段を指す。

下一段活用

栞先生
栞先生
上一段を理解したら、下一段もすぐに整理できます。

【下一段活用】
活用語尾が全部『エ段』だけで動く
例:食べる・受ける・出る・寝る・教える
→『ない』直前がエ段なら下一段
『食べない』の『べ』=エ段

動詞「食べる」の活用 動詞「食べる」の活用 活用形 語幹 活用語尾 続く語 未然形 た べ ない 連用形 た べ ます 終止形 た べる 。(言い切り) 連体形 た べる とき 仮定形 た べれ ば 命令形 た べろ・べよ (命令) 活用語尾はすべて エ段「べ」から始まる → 下一段活用

「ない」をつけて直前がエ段になれば下一段活用。「食べない」の「べ」はエ段のため「食べる」は下一段と判定できる。活用語尾は「べ・べ・べる・べる・べれ・べろ」とエ段の1段だけで動く。代表例は「食べる」「受ける」「出る」「寝る」など。上一段=イ段、下一段=エ段とセットで覚えるとよい。

カ行変格活用・サ行変格活用

栞先生
栞先生
「来る」と「する」は、これまでのルールが通用しない特別な動詞です。

【カ行変格活用(カ変)】
→『来る』1語だけの特殊活用
【サ行変格活用(サ変)】
→『する』『〜する』だけの特殊活用
(運動する・勉強する も全部サ変)
母音まで変わるので暗記しよう

カ変・サ変の活用(変則的) 来る(カ行変格活用) 活用形 活用 続く語 未然形 こ ない 連用形 き ます 終止形 くる 。 連体形 くる とき 仮定形 くれ ば 命令形 こい (命令) カ変はカ行「来る」1語のみ する(サ行変格活用) 活用形 活用 続く語 未然形 し・せ・さ ない 連用形 し ます 終止形 する 。 連体形 する とき 仮定形 すれ ば 命令形 しろ・せよ (命令) サ変は「する/〜する」のみ 語幹と活用語尾の境目があいまい 母音まで変わる:こ・き・く / し・せ・さ

カ行変格活用(カ変)の対象は「来る」の1語のみ。活用は「こ・き・くる・くる・くれ・こい」と語幹の母音まで変化する。サ行変格活用(サ変)は「する」および「運動する」「勉強する」などの複合動詞がすべて対象。未然形が「し・せ・さ」の3形を持つなど変則的。どちらも活用表を丸ごと暗記するのが確実。

5種類の見分けフロー

栞先生
栞先生
5種類の判定を迷わず進めるには、手順の順番が重要です。

【5種類の見分け方・手順】
①『来る』か?→YES:カ変
②『〜する』か?→YES:サ変
③それ以外は『ない』をつけて
直前の音段を見る
ア段→五段/イ段→上一段/エ段→下一段

「ない」をつけて見分ける スタート 「来る」か? YES カ行変格活用 例:来ない NO 「する」を含むか? YES サ行変格活用 例:しない NO 「ない」の直前の音段は? 書かない・起きない・食べない ア段 イ段 エ段 五段活用 例:書かない (か=ア段) 上一段活用 例:起きない (き=イ段) 下一段活用 例:食べない (べ=エ段) 手順:変格をはじく → 「ない」の直前の音段を見る ア段=五段/イ段=上一段/エ段=下一段

①動詞が「来る」→カ変。②「する」または「〜する」の形→サ変。③それ以外は「ない」をつけて直前の音段を確認——ア段→五段、イ段→上一段、エ段→下一段。特殊例のカ変・サ変を先にはじいてから残りを音段で振り分けることで、判定に迷わなくなる。

よくある間違い3つ

栞先生
栞先生
見た目の形だけで活用を判断すると、間違いにつながりやすいです。

見た目だけで判断しない!
『ない』をつけて確かめる

①「切る」は形がイ段に見えるが「切らない」でア段→五段活用。「着る」は「着ない」でイ段→上一段。形が似ていても必ず「ない」で確認する。②「勉強する」「運動する」などの複合動詞はすべてサ変。動詞と気づかないケースが多いので注意。③「行く」の音便は例外で、「行いて」ではなく「行って」(促音便)になる。「行く」だけの特例として暗記する。

確認問題①

栞先生
栞先生
「起きる」の活用の種類を答えましょう(ヒント:「起きない」の直前の音を確認する)。

Q1. 動詞『起きる』の活用の種類は?
ヒント:『起きない』→直前『き』はイ段

  • ア: 五段活用
  • イ: 上一段活用
  • ウ: 下一段活用
  • エ: カ行変格活用

問題①の答え

栞先生
栞先生
正解は上一段活用。「起きない」の直前「き」がイ段のため上一段と判定する。

正解:イ 上一段活用

確認問題②

栞先生
栞先生
「来る」の活用の種類を答えましょう(ヒント:見分けフローの最初のステップを思い出す)。

Q2. 動詞『来る』の活用の種類は?
ヒント:この動詞自体が手がかり

  • ア: 上一段活用
  • イ: 下一段活用
  • ウ: カ行変格活用
  • エ: サ行変格活用

問題②の答え

栞先生
栞先生
正解はカ行変格活用。「来る」はカ変の1語のみで、フロー①の時点で即判定できる。

正解:ウ カ行変格活用

確認問題③

栞先生
栞先生
「受ける」の活用の種類を答えましょう(ヒント:「受けない」の直前の音を確認する)。

Q3. 動詞『受ける』の活用の種類は?
ヒント:『受けない』→直前『け』はエ段

  • ア: 五段活用
  • イ: 上一段活用
  • ウ: 下一段活用
  • エ: サ行変格活用

問題③の答え

栞先生
栞先生
正解は下一段活用。「受けない」の直前「け」はエ段のため下一段と判定する。「け」をイ段と混同しないよう注意。

正解:ウ 下一段活用

音便の3種類

栞先生
栞先生
「書いて」「走って」「読んで」——これらはなぜ元の形と違う音になっているのでしょうか。

【音便】五段活用+『て・た』の音変化
※自然に言い換えてる現象
『書きて』→『書いて』
『走りて』→『走って』
『読みて』→『読んで』
※上一段・下一段では起こらない

音便の3種類(五段活用+「て/た」) 条件:五段活用の連用形 +「て・た」のときだけ起こる 種類 イ音便 促音便 撥音便 元の形 変化後 代表例 語尾の音 (動詞の行) 書きて 書いて 書く・泳ぐ →書いた・泳いだ カ・ガ行 〜く / 〜ぐ 走りて 走って 走る・待つ →走った・待った タ・ラ・ワ行 〜つ / 〜る / 〜う 読みて 読んで 読む・飛ぶ →読んだ・飛んだ ナ・バ・マ行 〜ぬ / 〜ぶ / 〜む

音便とは五段活用の動詞が「て・た」に続くとき語尾の音が変化する現象で、上一段・下一段では起こらない。①イ音便:「書きて→書いて」。「き」が「い」に変化。カ・ガ行五段で起こる。②促音便:「走りて→走って」。小さい「っ」が出現。タ・ラ・ワ行五段で起こる。③撥音便:「読みて→読んで」。「み」が「ん」に変化し「て」が「で」と濁る。ナ・バ・マ行五段で起こる。

確認問題④

栞先生
栞先生
「書きて」が「書いて」になる音便の名前を答えましょう。

Q4.『書きて』→『書いて』
この音便の名前は?

  • ア: イ音便
  • イ: 促音便
  • ウ: 撥音便

問題④の答え

栞先生
栞先生
正解はイ音便。「き」が「い」に変わるためイ音便。カ・ガ行五段(語尾が〜く・〜ぐ)で起こる。

正解:ア イ音便

確認問題⑤

栞先生
栞先生
「読みて」が「読んで」になる音便の名前を答えましょう。

Q5.『読みて』→『読んで』
この音便の名前は?

  • ア: イ音便
  • イ: 促音便
  • ウ: 撥音便

問題⑤の答え

栞先生
栞先生
正解は撥音便。「み」が「ん」に変化し「て」が「で」と濁る。ナ・バ・マ行五段で起こる。

正解:ウ 撥音便

文章の中の動詞を探してみよう

栞先生
栞先生
学んだ知識を実際の文章で試してみましょう。

短い文章の中の動詞を見つけて
活用の種類と音便を考えてみよう

「朝、ケンジは早く起きた。宿題を書いて家を出た。サクラから『公園に来て』と連絡が来た。急いで走って公園に着いた。ベンチで本を読んでいるサクラを見つけた。二人で勉強することにした。」——この文章の動詞をすべて拾い、何活用か・音便があれば種類も考えましょう。

答え合わせ

栞先生
栞先生
それぞれの動詞をひとつずつ確認していきましょう。

文章中の動詞を活用と音便で整理
5種類と3つの音便がぜんぶ揃ってる!

  • 起きた → 起きる(上一段)
  • 書いて → 書く(五段)+イ音便
  • 来て・来た → 来る(カ変)
  • 走って → 走る(五段)+促音便
  • 読んで → 読む(五段)+撥音便
  • 見つけた → 見つける(下一段)
  • することに → する(サ変)

「起きた(上一段)」「書いて(五段+イ音便)」「来て・来た(カ変)」「走って(五段+促音便)」「読んで(五段+撥音便)」「見つけた(下一段)」「することに(サ変)」。日常の文章に今日学んだ活用のすべてが含まれており、5種類の活用と3種類の音便を一度に確認できる。

今日の漢字

栞先生
栞先生
この単元に登場した漢字の読みと用法を確認しておきましょう。
今日のピックアップ漢字 傍 ボウ / かたわら 傍観・傍聴・傍ら 傑 ケツ 傑作・傑出・豪傑 傘 サン / かさ 傘・雨傘・日傘 催 サイ / もよおす 催促・主催・催し 債 サイ 負債・債務・国債 傾 ケイ / かたむく 傾向・傾斜・傾く 僅 キン / わずか 僅少・僅差・僅か 僧 ソウ 僧侶・僧・高僧 冥 メイ 冥福・冥界・冥土 凄 サイ・セイ / さむ・すご・すさ 凄い・凄絶 准 ジュン 准将・准教授・批准 凍 トウ / こおる 凍結・冷凍・凍る

まとめ

栞先生
栞先生
今日のポイントを3つに整理しました。

【今日のまとめ】
①動詞の活用は5種類
五段/上一段/下一段/カ変/サ変
②見分け方:カ変・サ変をはじく
→『ない』直前の音段
(ア=五/イ=上一/エ=下一)
③音便:五段+て・たで音変化
(イ音便/促音便/撥音便)

  • 【自己点検】
  • 『起きる』に『ない』をつけて何活用か言える?
  • 『書く』を『て』につないで音便形が言える?
  • あやしい人は『見分け方の図』に戻ろう

①動詞の活用は五段・上一段・下一段・カ変・サ変の5種類。②見分け方は「来る(カ変)」「〜する(サ変)」を先に確認し、残りは「ない」の直前の音段で判定(ア段→五段、イ段→上一段、エ段→下一段)。③音便は五段活用が「て・た」に続くときのみ起こり、イ音便・促音便・撥音便の3種類がある。

よくある質問

「上一段」「下一段」という名前はどこから来ているのですか?

ウ段を基準として、イ段はその上(上一段)、エ段はその下(下一段)にあることから命名されています。それぞれ語尾がイ段・エ段の1段だけで動くことを表しています。

「切る」と「着る」はどちらも「〜る」で終わるのに、なぜ活用が違うのですか?

「切る」は「切らない」でア段(五段活用)、「着る」は「着ない」でイ段(上一段活用)と「ない」をつけた直前の音段が異なるためです。見た目の形ではなく「ない」による確認が不可欠です。

音便はなぜ五段活用の「て・た」に続くときだけ起こるのですか?

「書きて」のように連用形に「て・た」が続く形が発音しにくいため、自然と言いやすい音に変化したものです。上一段・下一段では「て・た」に続く形が発音しにくくならないため、音便は起こりません。

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解答・解説つきの演習プリント(別ページ)

この単元の授業

栞先生
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続けて、上の練習問題や前後の単元でどんどん力をつけよう。(動画への質問はYouTubeのコメント欄でもどうぞ)

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