中1 数学|正負の数|Step 1c

栞先生
本記事では正負の数の「乗除と累乗」を学習します。(−3)²とー3²の値がなぜ異なるのか、また負×負がなぜプラスになるのかをルールとして整理します。正負のたし算・ひき算をすでに学習済みの方を対象とします。
学習マップ
この単元の位置づけです。
小1 たし算とひき算 (2桁)
↓
小2 たし算とひき算 (3桁)
↓
▶ 中1 正負の数 (今ここ)(今回はここ)
↓
中1 文字と式
今日やること
- ① 乗法の符号ルール(同符号・異符号)
- ② 除法の符号ルール(÷0 は計算できない)
- ③ 3つ以上の積・商の符号の決め方
- ④ 累乗の書き方と意味
- ⑤ (−3)² と −3² の違い
後半は確認問題で
手を動かして練習しよう!
前回の確認
- 【絶対値】数直線で原点からの距離
- 例: |−5|=5、|+3|=3(符号を外した数)
- 【加減(前の動画)】減法は加法に直して計算
- 例: 5−(−3) = 5+(+3) = 8
- 【整数のかけ算・わり算】小学校で学んだ通り
- 例: 7×4=28、12÷3=4
今日は、これに「符号のルール」が
くっついてくるイメージ!

栞先生
本単元に入る前に3点を確認します。**絶対値**は数直線上の原点からの距離(符号を外した値)です(例:|−5|=5)。**減法**はひき算をたし算に変換して計算します(例:5−(−3)=5+(+3)=8)。整数のかけ算・わり算は小学校の学習内容と同一です。
乗除と累乗への導入
正負の数は「向き」を持った数。
たし算・ひき算は前回やったから、
今度は かけ算・わり算 と 累乗 の番。
これで正負の四則計算がそろう!

栞先生
正負の数はプラス・マイナスで「向き」を持った数です。今回はかけ算(乗法)・わり算(除法)と累乗を学ぶことで、正負の四則演算が完成します。たとえば「気温が1時間に2℃ずつ下がる状態の3時間前」は(−2)×(−3)=+6と表せます。負×負がプラスになる感覚をあらかじめ持っておくと、以降のルール理解がスムーズになります。
乗法の符号ルール
【符号のルール】
同符号どうし → +(正)
異符号どうし → −(負)
計算は2ステップ:
① 符号を決める
② 絶対値どうしをかける

栞先生
乗法の符号は「**同符号どうし→正、異符号どうし→負**」で決まります。計算手順は①符号の決定→②絶対値の積の2段階です。
例:(−3)×(+4)は異符号のためー12。(−2)×(−5)は同符号のため+10。(+6)×(+3)は同符号のため+18。負×負がプラスになる厳密な理由は上の学年で扱いますが、まずはルールとして習得してください。
除法の符号ルール
わり算も かけ算と同じルール!
同符号 → +、異符号 → −
⚠ ただし「÷ 0」は計算できない
例: 5 ÷ 0 → ×(答えなし)
例: 0 ÷ 5 = 0 はOK

栞先生
除法の符号ルールも「**同符号→正、異符号→負**」と乗法と同一です。例:(−12)÷(+3)は異符号のためー4、(−20)÷(−4)は同符号のため+5。ただし**0でわること(÷0)はできません**(例:8÷0は計算不能)。一方、0をわること(例:0÷(−7)=0)は可能です。「0でわる」と「0をわる」を混同しないよう注意してください。
3つ以上の積の符号
3つ以上のかけ算は
「負の数の個数」で符号が決まる!
負の個数が 偶数 → 答えは +
負の個数が 奇数 → 答えは −

栞先生
積の因数が3つ以上になっても、式中の**負の数の個数**の偶奇だけで符号が決まります。個数が偶数ならプラス、奇数ならマイナスです。例:(−2)×(+3)×(−4)では負が2個(偶数)なので符号はプラス、絶対値2×3×4=24より答えは+24です。わり算が混在する場合も同様に適用できます。
累乗の意味と計算
【累乗】同じ数を何回もかける書き方
2^{3} = 2 \times 2 \times 2 = 8
↑指数(何回かけるか)
底(かける数)

栞先生
**累乗**とは同じ数を繰り返しかけることを短く表す記法です。2³の「2」を**底**、右上の「3」を**指数**といい、指数は「かける回数」を意味します。2³=2×2×2=8であり、2×3=6ではありません。
負の数の累乗では、指数が偶数なら答えは正、奇数なら答えは負になります。例:(−3)²=(−3)×(−3)=+9、(−2)³=(−2)×(−2)×(−2)=ー8。
(−3)²とー3²の違い
ここ、めちゃくちゃ間違える!
(-3)^{2} → (-3) を 2回かける
= (-3) \times (-3) = +9
-3^{2} → 3 を 2回かけて、頭にマイナス
= -(3 \times 3) = -9

栞先生
括弧の有無が計算結果を大きく変えます。**括弧あり(−3)²**は「−3まるごとを2回かける」ため(−3)×(−3)=**+9**です。**括弧なしー3²**は「3のみが2乗の対象」なので3²=9にマイナスをつけて**ー9**となります。
括弧の有無だけで+9とー9に分かれます。式を見た瞬間に括弧の範囲を確認する習慣を身につけてください。テストでも頻出の設問です。
よくある間違い
| × まちがい | ○ 正しい | ポイント |
|---|
| -2^{2} = 4 | -2^{2} = -4 | 指数は2だけにかかる |
| (-4)^{3} = (-4) \times 3 | (-4)^{3} = (-4) \times (-4) \times (-4) | 指数 ≠ 乗数 |
| 8 \div 0 = 0 | 8 \div 0 は 計算できない | 0で割るのはNG |
間違える「気持ち」は分かる。
だから、ルールを2つに分けて確認!
① 符号 → ② 絶対値

栞先生
代表的な誤りを3点示します。①**ー2²=4とする誤り**:括弧がないため2²=4にマイナスをつけてー4が正解。②**(−4)³=(−4)×3とする誤り**:3乗は(−4)を3回かける(−4)×(−4)×(−4)が正解。③**8÷0=0とする誤り**:0でわることは不能であり答えなし。いずれも「考え方のズレ」が原因のため、計算の際は「符号→絶対値」の2段階を丁寧に確認してください。
確認問題1
問1
(-7) \times (+4) の答えの符号として
正しいものを選ぼう。

栞先生
【問】気温が1時間に7℃ずつ下がる状態が4時間続くとき、(−7)×(+4)の答えの符号はどれか。【正解】マイナス。異符号のかけ算は負となり、(−7)×(+4)=−28。
確認問題2
問2
次の計算をしよう。

栞先生
【問】(−6)×(−5)の値を求めよ。【正解】30。同符号のかけ算は正となり、6×5=30。
確認問題3
問3
次のうち、計算できないものはどれ?
- ア 0 \div 7
- イ 8 \div 0
- ウ 0 \div (-3)
- エ (-12) \div 4

栞先生
【問】次のうち計算できないものを選べ。【正解】8÷0(0でわることは不能。0÷(−3)=0のように「0をわる」計算は可能)。
確認問題4
問4
(-4)^{3} を、同じ数のかけ算の式に
直したものとして正しいものは?
- ア (-4)+(-4)+(-4)
- イ (-4) \times 3
- ウ (-4) \times (-4) \times (-4)
- エ -4 \times 4 \times 4

栞先生
【問】(−4)³を同じ数のかけ算の式に直せ。【正解】(−4)×(−4)×(−4)。3乗は底を3回かけることを意味し、値はー64。
確認問題5
問5
(-3)^{2} の値はいくつ?

栞先生
【問】(−3)²の値はいくつか。【正解】9。括弧があるため(−3)まるごとが2乗の対象となり、(−3)×(−3)=+9。
確認問題6
問6
-3^{2} の値はいくつ?

栞先生
【問】ー3²の値はいくつか。【正解】ー9。括弧がないため3のみが2乗の対象となり、3²=9にマイナスをつけてー9。
確認問題7
問7
(-2) \times (+3) \times (-1) \times (-5)
の答えの符号は?

栞先生
【問】(−2)×(+3)×(−1)×(−5)の答えの符号はどれか。【正解】マイナス。負の数は3個(奇数)なので符号はマイナス、絶対値2×3×1×5=30よりー30。
確認問題8(総まとめ)
問8
次の計算のうち、正しいものを
全て選ぼう(複数あり)。
- ア (-2)^{3} = -8
- イ (-5)^{2} = 25
- ウ -2^{3} = 8
- エ (-1)^{4} = -1

栞先生
【問】次の計算のうち正しいものをすべて選べ。【正解】(−2)³=ー8と(−5)²=25の2つ。ー2³は括弧なしのため2³=8にマイナスをつけてー8(「8」は誤り)。(−1)⁴は偶数乗でプラス1(「ー1」は誤り)。
本日のまとめ
【今日の3つ】
① 同符号→+、異符号→−(×も÷も同じ)
② 0で割ることはできない
③ 累乗は「指数=かける回数」
(−3)²=9、−3²=−9(括弧の有無に注意)
- 計算は「符号 → 絶対値」の2段階
- 3つ以上の積は「負の個数」で符号判定
- 次回は四則混合計算と分配法則!

栞先生
①乗除の符号ルール:**同符号→正、異符号→負**。②**0でわることは不能**(0をわることは可能)。③累乗の指数は「かける回数」を意味する。④**(−3)²=+9**(括弧あり・全体が対象)に対し**ー3²=ー9**(括弧なし・数字のみが対象)。計算は「符号→絶対値」の2段階で進め、3つ以上の積は**負の個数の偶奇**で符号が決まります。
よくある質問
負の数どうしをかけるとなぜプラスになるのですか?
負の数を掛けることは「向きを反転させる」操作と考えられます。反転を2回行うと元の向きに戻るため負×負は正になります。中学段階ではまずルールとして習得し、厳密な証明は上の学年で扱います。
(−3)²とー3²の違いをひと言で教えてください。
括弧があれば「−3まるごと」が2乗の対象で答えは+9、括弧がなければ「3だけ」が2乗の対象でマイナスを後づけしてー9です。
0が含まれる計算で特に注意すべき点は何ですか?
「0でわること(÷0)」は計算不能です。一方「0をわること(0÷a)」は答えが0になります。0が式に現れたら「0がわる数か、わられる数か」を必ず確認してください。
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