方程式と解・等式の性質 てんびんで分かる x の見つけ方
※ この記事は上の授業動画の内容をテキストで整理したものです。
この記事でわかること
- 「方程式」と「解」の意味と、ある数が解かどうかを確かめる方法
- 「等式の性質」(両辺に同じことをしても等式は成り立つ)が、てんびんで見るとなぜ成り立つのか
- 等式の性質を使って、4x−5=7 のような方程式の x を自分で求める方法
まずは問題:x+5=8 の x はいくつ?
この記事では、式の中にかくれている数 x を見つける方法を学びます。目標は、4x−5=7 の x を自分で求められるようになることです。言葉も決まりも、初めて聞く人に向けて 1 つずつ説明していきます。
まず、次の式を見てください。
x+5=8 x はいくつ?
「3 でしょ」と思った人は多いのではないでしょうか。3+5 は 8 です。
このときあなたは、頭の中で「= の左と右が同じ大きさになる数」を探していました。
等式・左辺・右辺・両辺
x+5=8 のように、= を使って、左と右が等しいことを表した式を等式といいます。「文字と式」の単元で一度出てきた言葉です。
等式には、場所を表す名前があります。
- = の左側 → 左辺
- = の右側 → 右辺
- 左辺と右辺を合わせて → 両辺
x+5=8 なら、左辺は「x+5」、右辺は「8」です。
では、x に入る数は本当に 3 だけなのでしょうか。いろいろな数を入れて調べてみましょう。
方程式と解
x+5=8 の x に、1、2、3、4 を順に入れて、左辺を計算します。右辺はいつでも 8 です。
- x=1 のとき、左辺は 6。右辺の 8 と等しくありません。
- x=2 のとき、左辺は 7。等しくありません。
- x=3 のとき、左辺は 8。右辺と同じになりました。
- x=4 のとき、左辺は 9。今度は大きすぎます。
x を大きくすると左辺も大きくなっていくので、左辺と右辺が等しくなるのは x が 3 のときだけです。
x+5=8 のように、x にどんな数を入れるかによって、成り立ったり成り立たなかったりする等式を方程式といいます。
そして、方程式を成り立たせる x の値を、その方程式の解といいます。x+5=8 の解は 3 です。
解を求めることを、方程式を解くといいます。
解かどうかの確かめ方
ある数が解かどうかは、上でやったように確かめられます。
x にその数を代入して、左辺と右辺を別々に計算して比べる。
等しくなれば解、等しくならなければ解ではありません。
負の数を代入するときは、かっこをつける
1 つ気をつけたいのが、負の数を代入するときです。かっこをつけて代入します。
たとえば、2−x に x=−2 を代入すると、
2−(−2)=2+2=4
となります。かっこを忘れて「2−2」と書くと 0 になってしまい、答えが変わります。
問1 解が 3 である方程式はどれ?
上の確かめ方を使ってみましょう。
問 1
次のうち、解が 3 である方程式をすべて選びなさい。
ア 2x−1=5
イ 4−x=−1
ウ 3x=x+6
ウ(3x=x+6)は、右辺にも x があります。これをどう確かめるかも考えてみてください。
答え ア、ウ
ア 左辺 2×3−1=5 右辺 5 → 等しい
イ 左辺 4−3=1 右辺 −1 → 等しくない
ウ 左辺 3×3=9 右辺 3+6=9 → 等しい
【注意】1 と −1 は等しくない
符号までぴったり同じで、はじめて解
両辺に x があっても、両方の x に同じ数を入れて比べる
「解が 3」とは、x に 3 を入れたとき、左辺と右辺が同じ値になるということです。ア・イ・ウのそれぞれで、左辺と右辺を別々に計算して比べます。
- ア:左辺は 2×3−1=5、右辺は 5。等しいので、3 は解です。
- イ:左辺は 4−3=1、右辺は −1。等しくないので、3 は解ではありません。
- ウ:左辺は 3×3=9、右辺は 3+6=9。等しいので、3 は解です。
イで「1 と −1 は数字が同じだから OK」とした人もいるかもしれません。計算はちゃんとできています。でも、1 と −1 は違う数です。符号までぴったり同じになって、はじめて解といえます。
ウのように両辺に x があっても、確かめ方は変わりません。両方の x に同じ 3 を入れて、左辺と右辺を比べます。
これで、解かどうかを確かめられるようになりました。とはいえ、数を 1 つずつ試して解を探すのは大変です。解が −12 だったり分数だったりしたら、なかなか見つかりません。そこで次は、数を試さずに解を見つける方法を考えます。
てんびんで考える
x+5=8 を、数を試さずに解く方法を考えます。手がかりにするのはてんびんです。
左の皿には、重さの分からない「x の箱」が 1 つと、重さ 1 の重りが 5 個のっています。右の皿には、重さ 1 の重りが 8 個のっています。左辺と右辺が等しいので、てんびんはつり合っています。
知りたいのは x の箱の重さです。左の皿に箱だけが残れば、重さが分かります。
そこで、両方の皿から、重さ 1 の重りを 5 個ずつ取ってみます。てんびんは左に傾くでしょうか、右に傾くでしょうか。それとも、つり合ったままでしょうか。どちらの皿からも同じ重さが減る、というところが手がかりです。
取ったあと、左の皿は x の箱だけ、右の皿は重り 3 個になります。てんびんはつり合ったままです。
だから、x の箱の重さは 3 です。表で 1 つずつ試して見つけた解と、同じになりました。
これを式で書くと、両辺から 5 をひいて、
x+5−5=8−5
x=3
となります。数を試さずに、解が見つかりました。
等式の性質
てんびんで確かめたような決まりを、等式の性質といいます。
まず、てんびんで分かったように、両辺から同じ数をひいても、等式は成り立ちます。
同じように考えると、両方の皿に同じ重さの重りをのせても、つり合ったままです。つまり、両辺に同じ数をたしても、等式は成り立ちます。
下の図は、左の皿に x の箱 1 つと重り 2 個、右の皿に重り 5 個がのったてんびんです。両方の皿に重りを 1 個ずつのせても、つり合ったままです。
また、両方の皿の物をそれぞれ 2 倍や 3 倍にしても、つり合ったままです。つまり、両辺に同じ数をかけても、等式は成り立ちます。
下の図は、左の皿に x の箱 1 つと重り 1 個、右の皿に重り 4 個がのったてんびんです。両方の皿の物をそれぞれ 2 倍にしても、つり合ったままです。
わっても、入れかえても成り立つ
両辺を同じ数でわる
「かけてもいいなら、わるのはどうなの?」と思った人は、いいところに気づいています。2x=6 という等式で考えてみましょう。
てんびんにすると、左の皿に x の箱が 2 つ、右の皿に重りが 6 個のっていて、つり合っています。
両方の皿の物を、それぞれ半分にします。左の皿は x の箱 1 つ、右の皿は重り 3 個です。つり合ったままです。
半分にするというのは、両辺を 2 でわるということです。式で書くと、
2x÷2=6÷2
x=3
となります。両辺を同じ数でわっても、等式は成り立ちます。
ただし、約束が 1 つだけあります。0 ではわりません。 0 でわる計算はできないからです。
両辺を入れかえる
8=x+5 のように、x が右辺にある式もあります。てんびんを反対側から見ても、つり合っていることは変わりません。
だから、両辺を入れかえても、等式は成り立ちます。
- 8=x+5 は、x+5=8 と書きかえてよい
- 3=x は、x=3 と書きかえてよい
等式の性質のまとめ
ここまでの決まりを並べると、次の 5 つです。どれも「こうしても等式は成り立つ」という決まりです。
- 両辺から同じ数をひく
- 両辺に同じ数をたす
- 両辺に同じ数をかける
- 両辺を同じ数でわる(0 ではわらない)
- 両辺を入れかえる
方程式は「x=数」の形を目指して解く
では、等式の性質をどう使えば方程式が解けるのでしょうか。
方程式を解くとき、つまり解を求めるときに目指すのは、x=3 のように、左辺が x だけ、右辺が数だけの形です。
そのために、x に何がくっついているかを見て、反対の操作で外していきます。
- x に 5 がたされている(x+5)→ 両辺から 5 をひく
- 3x は 3×x → 両辺を 3 でわる
- x/5 は x÷5 → 両辺に 5 をかける
x にかかっている数が負の数のときは、その負の数でわります。
例として、3x=12 を解いてみます。両辺を 3 でわると、
3x÷3=12÷3
x=4
となります。3×4 は 12 なので、合っています。
問2 等式の性質を使って解く
これで道具がそろいました。
問 2
等式の性質を使って、次の方程式を解きなさい。
また、どの性質を使ったかを言いなさい。
(1) x+5=2
(2) −4x=28
(3) x/2=−6
使った性質は、上の「等式の性質のまとめ」の 5 つから選んでかまいません。
答え (1) x=−3 (2) x=−7 (3) x=−12
(1) x+5=2 両辺から 5 をひく
x+5−5=2−5
x=−3
(2) −4x=28 両辺を −4 でわる
−4x÷(−4)=28÷(−4)
x=−7
【注意】4 でわって x=7 としない
x にかかっている −4 ごとわる
(3) x/2=−6 両辺に 2 をかける
x/2×2=−6×2
x=−12
【注意】−x=5 は x=5 ではない
−x は (−1)×x → 両辺を −1 でわる → x=−5
確かめ
(1) −3+5=2 (2) −4×(−7)=28 (3) −12÷2=−6
(1) x+5=2
左辺の「+5」をなくしたいので、両辺から 5 をひきます。
x+5−5=2−5
x=−3
使った性質は「両辺から同じ数をひく」です。
「てんびんだと重りが足りないのでは?」と思った人もいるかもしれません。前に見たてんびんは、右の皿に重りが 8 個あったので、5 個取ることができました。
右辺が 2 だと、重りを 5 個取ることはできません。それでも、数の計算なら 2−5=−3 と求められます。てんびんで見つけた性質は、答えが負の数になっても同じように使えます。
(2) −4x=28
−4x は、x に −4 がかけられているということです。だから、両辺を −4 でわります。
−4x÷(−4)=28÷(−4)
x=−7
使った性質は「両辺を同じ数でわる」です。
ここでとても多いのが、4 でわって x=7 とする間違いです。x に 4 がくっついていると気づけているところは、ちゃんとできています。でも、4 でわると、左辺は −x のまま残ってしまいます。x にかかっている −4 ごとわりましょう。
(3) x/2=−6
x/2 は x÷2 のことで、x が 2 でわられています。だから、両辺に 2 をかけます。
x/2×2=−6×2
x=−12
使った性質は「両辺に同じ数をかける」です。
補足:−x=5 は x=5 ではない
−x=5 のような形もよく出てきます。−x は (−1)×x のことです。両辺を −1 でわって、x=−5 になります(両辺に −1 をかけても同じ結果になります)。
「−x=5 だから x=5」とはしないようにしましょう。
代入して確かめる
最後に、求めた x を元の方程式に代入して確かめます。
- (1) −3+5=2
- (2) −4×(−7)=28
- (3) −12÷2=−6
どれも右辺と等しくなりました。解いたあとに代入すれば、答えが合っているかを自分で確かめられます。
問3 4x−5=7 を解く
問2では、x にくっついている物は 1 つだけでした。では、2 つくっついていたらどうすればよいでしょう。
じつは、等式の性質は何回続けて使ってもかまいません。 この記事の目標の問題です。
問 3
4x−5=7 を解きなさい。
答え x=3
4x−5=7
(両辺に 5 をたす)
4x−5+5=7+5
4x=12
(両辺を 4 でわる)
x=3
確かめ 4×3−5=7
【注意】解く途中の書き方
1 行に 1 つの等式を、上から下へ書く
「=」は、左右が等しいときにだけ使う
× 4x=12=12÷4=3 とつながない
4x−5 のように、x に数をかけてから、たす・ひくした形
→ たす・ひくを先に、かける・わるを後にすると手間が少ない
先に 4 でわると x−5/4=7/4
間違いではないが、分数が出て手間が増える
4x−5=7 → 4x=12
−5 が右辺に +5 として移ったように見える → 移項(次の回)
外す順番を考える
4x−5 は、x に 4 をかけて 4x にし、そこから 5 をひいて作られた式です。x には「×4」と「−5」の 2 つがくっついています。
外すときは、最後にくっついた物から外すと、手間が少なく解けます。 先に「−5」を外し、次に「×4」を外す、という順番です。これは楽に解くための進め方で、守らないといけない決まりではありません。ほかの順番(先に 4 でわる)で解いても間違いではありません(このあとの「たす・ひくを先にすると手間が少ない」で説明します)。
- 両辺に 5 をたします。4x−5+5=7+5 で、4x=12
- 両辺を 4 でわって、x=3
確かめると、4×3−5=12−5=7 です。右辺の 7 と等しいので、合っています。
解く途中の書き方
書き方にも気をつけましょう。
- 解く途中は、1 行に 1 つの等式を、上から下へ書く
- 「=」は、左と右が等しいときにだけ使う
だから、4x=12 と x=3 は、行を変えて書きます。
「4x=12=12÷4=3」のように続けてつなぐと、「4x と 12÷4 が等しい」「12 と 3 が等しい」という意味になってしまいます。12 と 3 は等しくないので、これは正しくない書き方です。
計算の流れとしては合っているので、自分では間違いに気づきにくいところです。気をつけてください。
たす・ひくを先にすると手間が少ない
4x−5 のように、x に数をかけてから、たす・ひくをした形の式は、たす・ひくを先に、かける・わるを後にすると、手間が少なく解けます。
先に 4 でわった人もいるかもしれません。それも等式の性質をちゃんと使えています。その場合は x−5/4=7/4(x ひく 4 分の 5 イコール 4 分の 7)と分数が出てきます。間違いではなく、続ければ同じ x=3 になりますが、手間が増えます。
次の回へ:移項
最後に、4x−5=7 と 4x=12 を見比べてみてください。両辺に 5 をたした結果、左辺の −5 が、右辺に +5 として移ったように見えませんか。これを移項といいます。次の回で詳しく学びます。
まとめ
- 解:方程式を成り立たせる x の値
- 解かどうかの確かめ方:代入して、左辺と右辺を別々に計算して比べる。負の数は、かっこをつけて代入する
- 解き方:等式の性質を使って、両辺に同じことをしながら「x=数」の形にする
- 4x−5 のような形:たす・ひくを先に、かける・わるを後にすると、手間が少ない
この 4 つを自分の言葉で言えたら、この回の内容は身についています。あやしいところがあったら、そこを読み直してみてください。
よくある質問
Q. 4x−5=7 を、先に 4 でわって解いたら間違いですか?
A. 間違いではありません。等式の性質を正しく使えています。ただ、x−5/4=7/4(x ひく 4 分の 5 イコール 4 分の 7)と分数が出てきて、手間が増えます。たす・ひくを先に、かける・わるを後にすると、楽に解けます。
Q. −4x=28 は、4 でわってはだめですか?
A. 4 でわると、左辺が −x のまま残ってしまいます。x にかかっている −4 ごとわって、x=−7 にします。−x=5 のような形も同じで、−x は (−1)×x なので、両辺を −1 でわって x=−5 です。
Q. 自分の答えが合っているか、どうすれば分かりますか?
A. 求めた数を元の方程式の x に代入して、左辺と右辺を別々に計算してみましょう。等しくなれば正解です。負の数を代入するときは、かっこをつけるのを忘れないでください。
解答・解説つきの演習プリント(別ページ)
この単元の授業
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