中1数学|平面図形(作図・移動)【Step 1a】
中1 数学|平面図形(作図・移動)|Step 1a
この記事でわかること
- 直線・半直線・線分は端の有無で、垂直二等分線と角の二等分線はひし形の対角線の性質で説明できる
- 垂直二等分線は2点から等距離、角の二等分線は2辺から等距離の点の集まりとして作図に応用できる
- コンパスで等しい長さを写すとひし形が生まれ、その対角線が垂直と二等分を同時に保証する
※ この記事は上の授業動画の内容をテキストで整理したものです。
学習マップ
この単元の位置づけです。
コンパスでなぜ直角や二等分の線がかけるの?
――手順を呪文みたいに覚えてない?
今日のコツはひとつ。
「コンパス=等しい長さを写し取る道具」。
ひし形ができる⇒対角線は垂直に二等分。
だから垂直二等分線も角の二等分線も同じ仕組みでかける。
問題提示:定規とコンパスだけで等距離の点を求める
【場面】
街道(直線ℓ)沿いに消防署を建てたい。
古い集落A、Bの両方から「等しい距離」になる地点を選ぶ。
手元には定規(直線を引くだけ)とコンパスだけ。
目盛りも分度器も使えない――どうやって決める?
- ヒント1:『A、Bから等距離の点』を集めると、ある1本の線になる
- ヒント2:その線と街道ℓが交わる点が答え
- 今日はこの線(=垂直二等分線)を、定規とコンパスだけで作る方法を学ぶ
「AとBから等距離の点」を集めると1本の直線、すなわち垂直二等分線になります。その直線と目的の直線との交点が答えです。この記事ではその作図方法を学びます。
直線・半直線・線分の違い
【まずは用語】端のあり方で3種類
・直線AB……両方向に限りなくのびる(端なし)
・半直線AB……Aから出てB方向へ限りなくのびる(端はAだけ)
・線分AB……AとBで止まる(両端あり)
直線ABは両方向に限りなくのびます(端なし)。半直線ABはAが始点でB方向にのびます(端はAのみ)。線分ABはA・B両端で止まります。ふだん「2点を結ぶ」というときは線分を指します。
距離・記号の基本
【2点間の距離】
線分ABの長さ = 2点A、Bの距離
【図形の記号】
・∠AOB……頂点はOの角。「角AOB」と読む(真ん中の文字が頂点)
・△ABC……頂点A、B、Cの三角形。「三角形ABC」と読む
| 記号 | 意味 | 頂点 |
|---|---|---|
| ∠AOB | 角AOB | O(真ん中) |
| △ABC | 三角形ABC | A、B、C |
2点間の距離とは線分の長さのことです。∠AOBの頂点は真ん中の文字O、△ABCはA・B・Cを頂点とする三角形を表します。「角の記号は真ん中が頂点」と覚えてください。
2直線の位置関係:交わる・平行・垂直
【2直線の関係は2パターン】
・交わる……1点で交わる
└ そのうち、角が直角=垂直 ⊥(AB⊥CD)
・平行 //……どこまでのばしても交わらない(AB//CD)
※ 平行と垂直は同時には起こらない。
平面上の2直線は「交わる」か「平行(//)」かのいずれかです。交わる角がちょうど直角のとき、その関係を特別に「垂直(⊥)」と呼びます。垂直は交わりの特別な場合であり、平行とは別物です。
点と直線の距離
【距離はいつも最短】
・点と直線の距離 = 点から直線へおろした垂線の長さ
斜めに引いた線は「距離」ではない
【平行線の間の距離】
・平行な2直線の間の距離は、どこではかっても同じ
点Pから直線ℓへの距離は、Pからℓへ垂直におろした線(垂線)の長さです。斜めに引いた線は必ず垂線より長くなるため距離にはなりません。平行な2直線間の距離はどこで測っても一定です。
垂直二等分線の定義と性質
【定義】
・中点M……線分ABを2等分する点(AM=MB)
・垂直二等分線……線分の中点を通り、その線分に垂直な直線
※「中点を通る」だけではダメ、「垂直」も必要
【性質(軸上の点は両端から等距離)】
線分ABの垂直二等分線ℓ上の点Pは、いつでも
PA = PB
が成り立つ。Mのときも、Mから離れていても成立。
線分ABの中点(AM=MB)を通り、ABに垂直な直線を垂直二等分線といいます。この直線ℓ上の任意の点Pについて常にPA=PBが成り立つのが最重要の性質です。
角の二等分線の定義と性質
【定義】
∠XOYを2等分する半直線OZ
→ ∠XOZ = ∠ZOY
【性質(軸上の点は2辺から等距離)】
OZ上の点P(Oを除く)から
OXへの垂線の長さ = OYへの垂線の長さ
PH = PK
∠XOYを2等分する半直線OZを角の二等分線といいます(∠XOZ=∠ZOY)。OZ上の点P(Oを除く)から辺OX・OYへの垂線の長さをPH・PKとすると、常にPH=PKが成り立ちます。垂直二等分線が「2点から等距離」であるのに対し、角の二等分線は「2辺から等距離」です。
作図のルール:定規・コンパス・分度器
【作図のルール】
定規とコンパスだけで図形をかく。
・定規 → まっすぐな直線を引く(目盛りで測らない)
・コンパス → 等しい長さを写し取って、等距離の点を作る
(円や弧が見えるのはその副産物)
※ 目盛り・分度器は使用禁止
| 道具 | 本当の役割 | 禁止 |
|---|---|---|
| 定規 | 直線を引く | 目盛りで長さを測る |
| コンパス | 等距離の点を作る | なし(OK) |
| 分度器 | (使えない) | 角度を測る・作る |
定規は直線を引くだけで目盛りによる測定は禁止。コンパスは等しい長さを写し取るのが本来の役割であり、円弧はその副産物です。分度器は作図での使用が禁止されています。
垂直二等分線の作図手順
【なぜ正しい?】
AP=PB=BQ=QA=r → APBQはひし形
ひし形の対角線は直交し、たがいに中点で交わる
⇒ PQ⊥AB かつ Mは中点
①Aを中心に半径rの弧、②Bを中心に同じ半径rの弧を描く(r>AB÷2)。③2弧の交点P・Qを直線で結ぶと垂直二等分線になり、ABとの交点が中点Mです。
AP=PB=BQ=QA=rより四辺形APBQはひし形。ひし形の対角線は互いに垂直かつ中点で交わるため、直線PQはABを垂直に二等分します。
角の二等分線の作図手順
【なぜ正しい?】
OA=OB、AP=BP → OAPBはひし形
ひし形の対角線は頂点の角を二等分する
⇒ OPは∠XOYを二等分
①頂点Oを中心に弧を描き辺OX・OYとの交点A・B(OA=OB)をとる。②A・Bを中心に同じ半径rで弧を描き角の内側の交点Pをとる(OA=OB=AP=BP)。③半直線OPが角の二等分線。OA=OB=AP=BPより四辺形OAPBはひし形となり、対角線OPが∠XOYを二等分します。
垂線の作図(垂直二等分線の応用)
【①直線ℓ上の点Pからの垂線】
Pを中心にℓ上で等距離の2点A、Bをとる
→ A、Bから等半径の弧で交点Qを作り、直線PQを引く
【②直線ℓ外の点Pからの垂線】
Pからかいた弧でℓとの交点A、Bを作る
→ A、Bから等半径の弧で交点Qを作り、直線PQを引く
【本質】どちらも線分ABの垂直二等分線をかいているだけ!
直線ℓ上の点Pから垂線:Pを中心にℓ上の2点A・Bをとり(PA=PB)、A・Bから等半径の弧で交点Q→直線PQ⊥ℓ。ℓ外の点Pから垂線:PからℓとA・Bをとり(PA=PB)、A・Bから等半径の弧で交点Q→直線PQ⊥ℓ。どちらも本質は線分ABの垂直二等分線を引くことです。
等距離の作図の応用
【消防署の答え】
集落A、Bから等距離の点を集めた線
= 線分ABの垂直二等分線
街道ℓとの交点が、消防署の位置!
- 2点A、Bから等距離の点 ⇒ 線分ABの垂直二等分線をかく
- ∠XOYの2辺OX、OYから等距離の点 ⇒ ∠XOYの二等分線をかく
- 「ある直線上で」など条件があれば、その直線との交点が答え
「2点A・Bから等距離」→線分ABの垂直二等分線を作図し条件の直線との交点をとる。「2辺OX・OYから等距離」→∠XOYの角の二等分線を作図し条件の直線との交点をとる。この2パターンで等距離問題に対応できます。
よくある間違いと注意点
| ×まちがい | ○正しくは |
|---|---|
| ∠AOBの頂点はA | 頂点は真ん中のO |
| 点と直線の距離を斜めの線で測る | 必ず垂線の長さ |
| AB⊥CDは「平行」を表す | ⊥は垂直、//が平行 |
【作図のNG】
× 目盛りや分度器を使う
× A、Bからの半径を変えて弧をかく(→ 交点が垂直二等分線にならない)
× 半径が短すぎて弧が交わらない(→ rは線分の半分より大きく)
①∠AOBの頂点はO(真ん中の文字、Aではない)。②距離は垂線の長さ(斜めの線は不可)。③⊥は垂直、//は平行。作図では弧の半径を必ずA・B両方同じにし、rはABの半分より大きくとってください。
確認問題1
Q1. 「直線AB」「半直線AB」「線分AB」の3種類について、
端のあり方の説明として正しい組み合わせはどれ?
- ア:直線AB=両方向に限りなく/半直線AB=AからB方向/線分AB=両端で止まる
- イ:直線AB=両端で止まる/半直線AB=AからB方向/線分AB=両方向に限りなく
- ウ:直線AB=両方向に限りなく/半直線AB=BからA方向/線分AB=両端で止まる
- エ:直線AB=AからB方向/半直線AB=両方向に限りなく/線分AB=両端で止まる
問題1の答え
答え:ア
・直線AB → 両方向に限りなくのびる(端なし)
・半直線AB → Aから出てB方向へ(始点A、もう一方は限りなく)
・線分AB → AとBが両端
確認問題2
Q2. 記号 ∠AOB の読み方と意味として正しいものは?
- ア:頂点をAとする角で、「角AOB」と読む
- イ:頂点をOとする角で、「角AOB」と読む
- ウ:頂点をBとする角で、「角AOB」と読む
- エ:3点A、O、Bを頂点とする三角形を表す
問題2の答え
答え:イ
∠AOB = 頂点はO(真ん中の文字が頂点)
読みは「角AOB」
| 記号 | 頂点 | 図形 |
|---|---|---|
| ∠AOB | O | 角 |
| △ABC | A、B、C | 三角形 |
確認問題3
Q3. AB⊥CD と表されているとき、ABとCDの関係として正しいのは?
- ア:どこまでのばしても交わらない
- イ:どんな角度でも交わっていればよい
- ウ:交わっていて、交わる角が直角である
- エ:CDはABの中点を通り、ABの長さを2等分している
問題3の答え
答え:ウ
⊥は「垂直」、つまり交わっていて角が直角。
(//は平行、⊥は垂直。⊥は中点や二等分とは関係ない)
確認問題4
Q4. 直線ℓと、ℓ上にない点Pがある。
『点Pと直線ℓとの距離』として正しいのは?
- ア:Pから直線ℓへ下ろした垂線の長さ
- イ:Pからℓ上のどこか1点までひいた線分の長さ
- ウ:Pからℓへ斜めにひいた線分の長さ
- エ:Pからℓへひける線分のうち、最も長くなるものの長さ
問題4の答え
答え:ア
距離はいつも『最短』。
点Pから直線ℓに引いた線で一番短いのは垂線。
→ 点と直線の距離 = 垂線の長さ
確認問題5
Q5. 線分ABの垂直二等分線をℓとする。
ℓ上にどこに点Pをとっても、いつでも PA=PB が成り立つ。
〇か、×か?
問題5の答え
答え:〇
中点Mだけでなく、ℓ上のどの点Pでも
PA = PB
が成り立つ。これが垂直二等分線の最大の性質。
【なぜ】Pをℓ上に取ると、PA、PBはA、Bから垂直二等分線上の同じ点までの距離。
AとBは中点Mから等距離、Mを通って垂直だから対称になり、自動的にPA=PB。
確認問題6
Q6. ∠XOYの二等分線OZ上に、Oと異なる点Pをとる。
Pをどこにとってもいつでも成り立つのは?
(「点Pと半直線の距離」=その半直線への垂線の長さ)
- ア:PX=PY(Pは2点X、Yから等距離)
- イ:OX上のどんな点A、OY上のどんな点Bでも PA=PB
- ウ:Pから半直線OXまでの距離 = Pから半直線OYまでの距離
- エ:線分OPの長さ = Pから半直線OXまでの距離
問題6の答え
答え:ウ
角の二等分線OZ上の点Pは、
OXへの垂線の長さ = OYへの垂線の長さ(PH=PK)
が成り立つ。
ア:「2点X、Yから等距離」は垂直二等分線の話(混同に注意)
イ:辺上の任意の点までの距離は等しくならない
エ:OPは「頂点までの長さ」で、距離(垂線の長さ)とは別物
確認問題7
Q7. 作図では定規とコンパスだけを使う。
コンパスが果たしている本質的な役割として最も適切なのは?
- ア:円を描くため
- イ:1点から等しい長さを写し取り、等距離の点を作るため
- ウ:角度を正確に作るため
- エ:2点間の距離をセンチメートル単位で測るため
問題7の答え
答え:イ
コンパスの本質は『1点から等しい長さを写し取る』こと。
円や弧が見えるのはその副産物。
→ だから垂直二等分線も角の二等分線も同じ仕組みで作図できる。
この記事のまとめ
- 用語:直線・半直線・線分は『端の有無』で区別/∠は真ん中が頂点
- 位置関係:// は平行、⊥ は垂直(直角に交わる)
- 距離:いつも最短=垂線の長さ
- 垂直二等分線 ⇔ 2点から等距離の点の集まり
- 角の二等分線 ⇔ 2辺から等距離の点の集まり
- 作図のコツ:コンパスで等しい長さを写す → ひし形ができ、対角線が垂直・二等分
今日の合言葉:
「等しい長さを写すと、ひし形ができる」
主な用語:直線・半直線・線分は端の有無で区別。∠の頂点は真ん中の文字。2直線の関係は平行(//)か垂直(⊥)か。距離は垂線の長さ(最短)。垂直二等分線は2点から等距離の点の集まり、角の二等分線は2辺から等距離の点の集まり。コンパスで等しい長さを写すとひし形が現れ、その対角線が垂直かつ二等分を保証します。
よくある質問
垂直二等分線と角の二等分線はどう使い分けますか?
「2点A・Bから等距離の点を求める」場合は線分ABの垂直二等分線を、「∠XOYの2辺から等距離の点を求める」場合は角の二等分線を引きます。問題文が「2点から」か「2辺から」かを確認するのがポイントです。
作図でコンパスの半径をそろえないとどうなりますか?
A・Bからの半径が異なると、弧の交点を結んでも線分ABの垂直二等分線になりません。4辺が等しいひし形が成立しないため、垂直・二等分のどちらの性質も保証されなくなります。
点と直線の距離がなぜ垂線の長さなのですか?
距離は「最短の長さ」と定義されます。点Pから直線ℓへ引ける線分の中で最も短いのが垂線であるため、垂線の長さが距離となります。斜めに引いた線は常に垂線より長くなります。
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