中1数学|文字と式【Step 3】
中1 数学|文字と式|Step 3
この記事でわかること
- a<0のとき−aは必ず正の数――「−」は符号を逆にする記号だから
- 証明は文字で一般化して3×(整数)の形を示せば「すべての場合に成り立つ」と言える
- 碁石の規則性は2通りの数え方で式を作り、整理して同じ式になることで確認できる
※ この記事は上の授業動画の内容をテキストで整理したものです。
学習マップ
この単元の位置づけです。
今日のギモン「−aは正?負?」
答え:aの値によって変わる。a<0のとき、−aは必ず正の数になる
文字と式 応用編
証明・符号判断・規則性
基礎ルールの確認
Step1・2で学んだ約束をサッと確認
| 表記の約束 | 例 |
|---|---|
| ×は省略する | 3×a → 3a |
| ÷は分数の形にする | a÷5 → a/5 |
| 数は文字の前、πは数の後 | 2×π×a → 2πa |
| ルール | OKな例/NGな例 |
|---|---|
| 負の数の代入はかっこをつける | a=-3のとき2a→2×(-3)=-6(○)/2-3=-1(×) |
| 同類項は文字部分が同じ項どうし | 3a+2a=5a(○)/3a+2b=5ab(×) |
| 分配法則でかっこをはずしてから同類項をまとめる | 2(a+3)=2a+6(○)/2(a+3)=2a+3(×、3にかけ忘れ) |
主な約束:(1)×は省略し係数を文字の前に書く(1aは誤り、aと書く)、(2)÷は分数で書く(a÷5=a/5)、(3)負の数を代入するときはかっこ必須、(4)同類項は文字部分が同じ項どうしでまとめる、(5)かっこをはずすときは中の全項に掛ける。
ウォームアップ:a<0のときa²の符号
【例題】a<0 のとき、a2 の符号を考えよう
a=−2を代入すると(−2)²=4となり正の数です。乗法の同符号の積は正というルールから、aがどんな負の数であってもa²は必ず正の数(0にはなりません)と一般化できます。この「代入で確認→ルールで一般化」の流れは、以降の問題すべてに共通します。
問題1:a<0のとき必ず負になる式はどれか
【問題1】a<0 のとき、次のア〜オの式のうち、aがどんな負の数であっても、その値が必ず負の数になるものをすべて選びなさい。
- ア: -a
- イ: a2
- ウ: -a2
- エ: a+1
- オ: a3
a<0のとき、ア(−a)・イ(a²)・ウ(−a²)・エ(a+1)・オ(a³)のうち必ず負の数になるものを選びます。正解はウとオ。ア:−aは符号が逆になるので正の数。イ:a²は同符号の積なので正の数。ウ:−a²は正の数の符号を逆にするので負の数。エ:a=−0.5のときa+1=0.5となり正になるため、必ず負とは言えない。オ:負の数が奇数個かけられた奇数乗は必ず負の数になります。
問題2:aと−aの大小関係を不等号で表す
【問題2】a<0 のとき、aと-aの大小関係を、不等号を使った式で表しなさい。また、そのように言える理由を1〜2文で説明しなさい。ただし、aに具体的な数を1つ代入して確かめるだけの説明は認めません。「aが負の数のとき、-aの符号がどうなるか」にふれて説明すること。
a<0のとき、aと−aを不等号で比べます。正解:a<−a。a<0よりaは負の数、−aはその符号を逆にした正の数であり、負の数は常に正の数より小さいためa<−aが成り立ちます。具体的な数の代入だけでなく「−aの符号がどうなるか」に触れた説明が求められます。
問題3:碁石の規則性を文字式で表す
【問題3】碁石を、正方形の周上(辺の上だけ)に、1辺の碁石の個数がn個になるように並べます(nは2以上の整数)。角の碁石は、となり合う2つの辺の両方にふくまれています。図はn=2、3、4のときの並べ方です。
- (1) 碁石全体の個数を表す式を、異なる2通りの数え方で、それぞれnを使って作りなさい。どのように数えたのかの説明も、それぞれ1文ずつ添えること。
- (2) (1)で作った2つの式がどちらも同じ個数を表すことを、かっこをはずして整理することで確かめなさい。また、整理した式にn=3を代入した値が、図のn=3の並びの碁石の個数と一致することを確かめなさい。
正方形の周上に1辺n個(n≧2)の碁石を並べるとき、全体の個数を2通りの式で求めます。数え方①:各辺をn個ずつ4回数え、重複する角4個を引く→4n−4。数え方②:角を1つだけ含む(n−1)個のまとまりを4辺分数える→4(n−1)。4(n−1)のかっこをはずすと4n−4となり、数え方①と一致します。n=3で確認すると4×3−4=8個、実際に並べた碁石も8個で一致します。
問題4:連続する3整数の和が3の倍数であることの証明
【問題4】「連続する3つの整数の和は、いつでも3の倍数になる」ということがらについて、太郎さんは「1+2+3=6、4+5+6=15で、どちらも3の倍数だから、正しいと説明できた」と言っています。しかし、この説明では十分ではありません。太郎さんの説明で十分でない理由に1文でふれたうえで、下の手順で説明しなさい。
| 説明の手順 | 内容 |
|---|---|
| ① | 連続する3つの整数のうちもっとも小さい整数をnとして、nを使った式で表す |
| ② | 和を計算して整理する |
| ③ | 3×(整数)の形になることを示し、結論を書く |
例示は特定の場合を確かめるだけで、すべての整数で成り立つとは示せません。最小の整数をnとすると3つの整数はn・n+1・n+2と表せます。和はn+(n+1)+(n+2)=3n+3=3(n+1)。n+1は整数なので3(n+1)は3の倍数です。このようにnで一般化して3×(整数)の形を導くことで、どんな整数でも成り立つと示せます。この証明の型は入試でも頻出です。
問題5:料金プランの比較
【問題5】あるオンライン学習サービスには、2つの料金プランがあります。1か月にダウンロードする追加教材の冊数をx冊とします。
| プラン | 基本料金 | 1冊ごとの追加料金 |
|---|---|---|
| A | 月額500円 | 80円 |
| B | 月額900円 | 30円 |
- プランA・プランBの1か月の料金を、それぞれxを使った式で表しなさい。
- 「プランAのほうが安くなる」「2つのプランの料金が等しくなる」「プランBのほうが安くなる」のは、それぞれxがどんな値のときかを、不等号または等号を使った式を示して説明しなさい。
月額500円+1冊80円のプランA(500+80x円)と、月額900円+1冊30円のプランB(900+30x円)を比較します。基本料金の差は400円、1冊あたりの差は50円なので、400÷50=8冊で両者が等しくなります(各1140円)。x<8ではプランAが安く(500+80x<900+30x)、x>8ではプランBが安くなります(500+80x>900+30x)。
問題6:計算の誤りを指摘する
【問題6】次は、ある生徒がx=-3のとき、式2(4x-5)-3(2x-7)の値を求めた計算です。この計算には誤りが1か所あります。
- 誤っている箇所を指摘し、その誤りがどのような考え方から起こったのかを説明しなさい。
- そのうえで、正しい式の値を求めなさい。
式2(4x−5)−3(2x−7)を整理すると2x+11(この部分は正しい)。x=−3を代入する際の誤りは「2x+11を2−3+11と計算した」箇所です。2xは2×xの略記なので、代入時は×を書き戻しかっこを付けて2×(−3)+11と計算しなければなりません。正しい式の値は−6+11=5です。
よくある計算ミス3選
演習で引っかかりやすいポイント
| よくある間違い(×) | 正しい考え方(○) |
|---|---|
| 1×a を 1a と書く | 係数1は省略して a と書く |
| 3a+2b を 5ab のようにまとめる | 文字の部分がちがう項は同類項ではないためまとめられない |
| 2x+11 に x=-3 を代入して 2-3+11 と計算する | ×を書き戻し、負の数にかっこをつけて 2×(-3)+11 と計算する |
(1)係数1は省略する(1aとは書かずaと書く)。(2)異なる文字の項はまとめられない(3a+2bを5abにはできない――aとbは同類項ではない)。(3)負の数の代入にはかっこをつける(2xにx=−3を代入するとき「2×(−3)」と書く)。
まとめ:文字と式・応用のポイント
・aの符号は代入して確かめるだけでなく符号のルールで判断する(-aは必ずしも負ではない)
・規則性は複数の数え方で式を作り、かっこをはずして同じ式になることを確かめる
・証明はn, n+1, n+2のように文字で一般化して示す
・文章題は求めたい量をxと置き、等式・不等式で条件を表す
自己点検:「なぜ-aが正になることがあるのか」を自分の言葉で説明できたら今日はOK。あやしい人は問題1・2に戻ろう
a<0のとき−a>0、a²>0、a³<0。規則性の問題は複数の数え方で式を立て、整理して一致を確かめる。証明はnで一般化して3×(整数)の形を導く。式の値の計算では代入時のかっこを忘れない。これらは次の単元(一次方程式)でも土台となる考え方です。
よくある質問
a<0のとき−aが正の数になるのはなぜですか?
「−a」はaの符号を逆にする操作を表します。aが負の数のとき符号を逆にすると正の数になるため、−aは正になります。「−が付いているから負」という思い込みを捨て、「符号を逆にする操作」と捉えることが重要です。
具体的な数を代入して確かめるだけでは、なぜ証明にならないのですか?
特定の例で成り立つことを示しても、すべての整数で成り立つかどうかは保証できません。nを使った文字式で一般化することで、どんな整数にも当てはまると示すことができます。
碁石の規則性問題で、2通りの式が本当に同じかどうかはどう確かめますか?
かっこをはずして展開・整理し、両者が同じ式になることを確認します。さらに具体的な値(例:n=3)を代入して計算結果が一致することも確かめると確実です。
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