中1数学|文字と式【Step 1a】
中1 数学|文字と式|Step 1a
この記事のポイント
- 文字式の「かける」「わる」省略ルールを整理しよう
- 事前確認:累乗・分数・負の数
- なぜ文字を使うのか
※ この記事は上の授業動画の内容をテキストで整理したものです。
学習マップ
この単元の位置づけです。
事前確認:累乗・分数・負の数
| 用語 | 意味 | 例 |
|---|---|---|
| 累乗 | 同じ数を何回かけたかを右上に書く | 3×3=32=9 |
| 分数の形 | ÷を横棒で書ける | 6÷2= |
| 負の数 | 0より小さい数。−1×a の扱いに注意 | −1, − |
ピンと来なかった人は
概要欄の前提単元リンクから
サッと戻ってきてOK!
**累乗**とは、同じ数を繰り返しかけた結果を右上に小さな数字(指数)で表す記法です(例:3×3=3²、3×3×3=3³)。**分数の形**では、わられる数が分子(上)・わる数が分母(下)になります(例:6÷2=6/2)。**負の数**とは0より小さい数のことで、-1×aのような形がルール②で登場します。
累乗や負の数に不安がある場合は、「正負の数」の単元を先に確認してから本記事に進むとよいでしょう。
なぜ文字を使うのか
1個 a 円のおかしを5個買うと…
代金 = a × 5(円)
a=100 → 500円
a=80 → 400円
→ 1つの式でいくつもの場面を表せる!
- 便利な分、書き方にルールがある
- それが今日の「文字式の約束」
- 後ろに練習5問あるよ
たとえば1個a円のお菓子を5個買う場合、代金はa×5円と表せます。aが100円なら500円、80円なら400円と、値が変わっても式は1つで済みます。これが文字を使う最大のメリットです。しかし書き方が人によってバラバラでは読みにくいため、**文字式の表記ルール**が定められています。今回はその4つの約束を順番に解説します。
ルール① かける記号を省略する
3×aは×を省略して**3a**、a×b×cは**abc**と書きます。ただし、+(プラス)や-(マイナス)は省略しません。a+bを「ab」と書くと足し算がかけ算を表す式に変わってしまい、意味が全く異なります。省略できるのは×のみです。
ルール② 数は文字の前・係数1は省略
b×3は数を前に出して**3b**と書きます(b3はNG)。**係数が1**のとき、1×aは1を書かずに**a**とします(1aはNG)。-1×aの場合は1を省略しますが、マイナス符号は意味を持つため残し、**-a**と書きます。
ルール③ 同じ文字の積は累乗で表す
a×aは**a²**(aの2乗)、a×a×aは**a³**(aの3乗)と書きます。右上の数字は「何個かけたか」を示します。異なる文字が混在する場合は、文字ごとに個数を数えてください。a×a×b×b×bはaが2個・bが3個なので**a²b³**となります。異なる文字を1つの累乗にまとめることはできないため、「文字ごとに分けて数える」という意識を持ちましょう。
ルール④ わる記号を分数の形に直す
a÷3は**a/3**(3分のa)、6÷aは**6/a**(a分の6)と書きます。わられる数が分子(上)、わる数が分母(下)です。カッコを含む式では、(x+1)÷2のようにカッコ内をまるごと分子に置いて**(x+1)/2**と書きます。「÷の記号が分数の横棒に変身する」というイメージで覚えると分かりやすいでしょう。
よくある間違いと注意点
| ✗ NG | ○ OK | ポイント |
|---|---|---|
| 1a | a | 係数1は省略 |
| a3 | 3a | 数は文字の前 |
| a+b → ab | a+b | +−は省略しない |
境界に注意!
・数どうしは計算する
例:3×4 は 12(34ではない)
・0.1a を 0.a と書かない
①**1aと書く**:係数の1は省略するため正しくはa。②**a3と書く**:数は文字の前に書くため正しくは3a。③**a+bをabと書く**:+は省略しないためそのまま残します。また、3×4のような数どうしのかけ算は文字式のルールを使わずに計算して12とします(「34」とは書きません)。0.1aを「0.a」のように係数の数字内を省略することも誤りです。
確認問題①
3×a を文字式の約束に
したがって表したものは?
- ア 3+a
- イ 3a
- ウ a3
- エ 3×a
ア.3+a イ.3a ウ.a3 エ.3×a
解答①
正解:イ 3a
- × を消すだけ → 3a
- ア:×を+と読み違え
- ウ:数は文字の前 (a3はNG)
- エ:×を残してしまった
×を省略するだけです。アは×を+と読み違え、ウは数が後ろ、エは×が残っています。
確認問題②
y×y×y を文字式の約束に
したがって表したものは?
- ア 3y
- イ y3
- ウ y3
- エ yyy
ア.3y イ.y3 ウ.y³ エ.yyy
解答②
正解:ウ y3
- y が3個 → y³
- ア:3y は y を3回足した形(3個分とは別物)
- イ:y3 は形が違う
- エ:yyy は省略のみで累乗にしてない
yが3個かけられているため累乗で表します。アの3yはy+y+yの略記でかけ算とは別物、イは数が後ろ、エは累乗に変換していません。
確認問題③
a÷4 を文字式の約束に
したがって、分数の形で書こう
- ア
- イ
- ウ 4a
- エ a÷4
ア.4/a(a分の4) イ.a/4(4分のa) ウ.4a エ.a÷4
解答③
正解:イ
- わられる数(a)が分子、わる数(4)が分母
- ア:分子と分母が逆
- ウ:÷を×と勘違い
- エ:÷が消えていない
わられる数aが分子、わる数4が分母です。アは分子と分母が逆、ウは÷をかけ算と混同、エは÷が残っています。
確認問題④
○か×か?
「1×x は文字式の約束で
書くと 1x になる」
解答④
正解:×(バツ)
1×x は x(1は省略)
- 係数 1 は書かない
- (−1)×x なら −x(マイナスだけ残す)
- 「1x」と書く人が多い→今ここで卒業!
係数の1は省略するため正しくはxです。なお-1×xは符号のみ残して-xとなります。
確認問題⑤(総合)
次の式と、約束にしたがった形を
線で結ぼう
| 左の式 | 右の選択肢 |
|---|---|
| ① a×3 | A. y |
| ② b×b×b | B. 3a |
| ③ 1×y | C. |
| ④ x÷5 | D. b3 |
① a×3 ② b×b×b ③ 1×y ④ x÷5 / A.y B.3a C.x/5(5分のx) D.b³
解答⑤
正解:①-B ②-D ③-A ④-C
- ①数を前へ → 3a
- ②同じ文字3個 → b3
- ③係数1は省略 → y
- ④÷は分数に →
①はルール①②(かける省略・数を前に)、②はルール③(累乗)、③はルール②(係数1省略)、④はルール④(わるを分数に)をそれぞれ使います。
まとめ:文字式の4つの約束
①**かける記号は省略**する(a×b→ab)。②**数は文字の前に書き、係数1は省略**する(b×3→3b、1×a→a、-1×a→-a)。③**同じ文字の積は累乗**で表す(a×a→a²)。④**わる記号は分数の形**に直す(a÷3→a/3)。この4か条は一次方程式や比例・反比例でも繰り返し使うため、ここでしっかり身につけておくことが大切です。
よくある質問
かける記号は省略できるのに、足す記号や引く記号は省略できないのはなぜですか?
省略のルールは「式を読みやすくするため」の約束です。a+bを「ab」と書くと、それは足し算ではなくa×bを意味する別の式になってしまいます。記号ごとに役割が異なるため、省略できるのは×(かける)だけと定められています。
1×aはaになるのに、0×aはなぜ「a」と書かないのですか?
係数1の省略は「書き方のルール」であり、計算結果は変わりません。0×aは計算すると結果が0になるため、表記を省略するのではなく「0」と書きます。係数の省略は1(と-1の1部分)だけに適用されるルールです。
a²とb³をかけ合わせるとどうなりますか?
そのままかけ合わせてa²×b³と書くか、文字ごとに並べてa²b³と書きます。異なる文字の累乗をまとめて1つの累乗にすることはできません。指数を合計するルール(指数法則)は、同じ文字どうしのかけ算にのみ適用されます。
この単元の授業
- Step 1a(この記事)
- Step 1b
- Step 1c(準備中)





