中1数学|正負の数【Step 1c】
中1 数学|正負の数|Step 1c
この記事のポイント
- 正負の数のかけ算・わり算・累乗の符号
- マイナス×マイナスを考える背景
- かけ算の符号ルール
※ この記事は上の授業動画の内容をテキストで整理したものです。
学習マップ
この単元の位置づけです。
今日のテーマ
正負の数:かけ算・わり算・累乗の符号
マイナス×マイナスを考える背景
100m上がるごとに気温が−0.6℃下がる山
500m登ったら → (−0.6) × 5
逆に500m下るなら → (−0.6) × (−5)
『負 × 負』はどうなる?
500m登れば気温変化は (-0.6)×5、逆に500m下れば (-0.6)×(-5) です。この「マイナス×マイナス」の意味を理解することが今日の目標です。数学は**マイナス**という概念を使って「逆向きの変化・過去にさかのぼる」といった現象も式で表現できるよう発展してきました。
かけ算の符号ルール
符号の決め方(かけ算)
・同じ符号どうし → +
・ちがう符号どうし → −
符号と絶対値(数の大きさ)を
分けて考えるのがコツ
計算の手順は「① 符号を先に決める、② **絶対値**を普通にかけ算する」の二段構えです。例:(+2)×(-3) は異符号なのでマイナス、絶対値 2×3=6 より答えは -6。**負×負**は「逆向きの逆向き」でプラスに戻り、(-2)×(-3)=+6 となります。
わり算の符号ルール
わり算もかけ算とまったく同じ
・同符号 → +
・異符号 → −
注意! ÷0 は計算できない
(5÷0 = 0をかけて5になる数 → ない)
| 式 | 符号 | 答え |
|---|---|---|
| (+12) ÷ (-4) | 異符号 | -3 |
| (-12) ÷ (+4) | 異符号 | -3 |
| (-12) ÷ (-4) | 同符号 | +3 |
同符号ならプラス、異符号ならマイナス。「符号を先に決めてから絶対値をわり算する」手順も同じです。一点だけ注意:**0でわる計算は定義されていない**ため、÷0 の形はつくれません(0にどんな数をかけても0にしかならないため、答えとなる数が存在しません)。
3つ以上のかけ算の符号
3つ以上のかけ算は
①符号 → 『負の数の個数』で決める
・偶数個 → +
・奇数個 → −
②絶対値 → 普通にかけ算
二段構えで考えると速い
負の数が**偶数個**ならプラス、**奇数個**ならマイナスです。例:(-2)×(+3)×(-4)×(-1) は負の数が3個(奇数)なのでマイナス、絶対値 2×3×4×1=24 より答えは -24。全符号を順追いするより、符号と絶対値を分けて処理するほうがミスを防げます。
累乗とその符号
累乗 = 同じ数のくりかえしかけ算
2 × 2 × 2 = 23 (『2の3乗』)
└ 指数(かける回数)
└ 底(くりかえす数)
2^3 は「2の**3乗**」と読み 2×2×2 を意味します。右上の小さい数を**指数**、下の数を**底**と呼びます。負の数の累乗では、指数が**偶数**ならプラス、**奇数**ならマイナスになります(前節の「負の数の個数」と同じ考え方です)。例:(-4)^2=+16、(-2)^3=-8。
括弧あり・なしの違い(最重要)
★ここは超重要!
指数の手前に括弧があれば
→ 括弧の中ぜんぶを何回もかける
括弧がなければ
→ その数だけを何回もかけて
最後にマイナスをつける
**括弧あり**の (-3)^2 は (-3) 全体を2回かけるため (-3)×(-3)=+9。**括弧なし**の -3^2 は 3 だけを2回かけてからマイナスをつけるため -(3×3)=-9。括弧の有無だけで符号が逆転します。これは数学の表記の約束であり、式を見るたびに括弧の位置を確認する習慣をつけてください。
計算の順序
計算の順序は『約束』
①括弧の中
②累乗
③ × ・ ÷
④ + ・ −
この順番で計算すれば答えは一通り
例:2+3×(-4)^2 の手順は、① 累乗 (-4)^2=16、② 乗算 3×16=48、③ 加算 2+48=50。左から順に計算すると誤答になります。同じ優先順位の演算(×と÷どうし、+と−どうし)は左から右に進めます(例:6÷2×3=9)。この順序は「誰が計算しても同じ答えになる」ための世界共通の約束です。
分配法則
分配法則
a × (b + c) = a × b + a × c
・括弧の中を先に計算してもよい
・展開してから足してもよい
→ どちらでも答えは同じ
例:(-5)×(13+7) は括弧内を先に計算すれば (-5)×20=-100、展開すれば (-5)×13+(-5)×7=-65+(-35)=-100 と一致します。(-4)×98 のように「100に近い数」のときは (-4)×(100-2)=-400+8=-392 と変形すると計算が簡単になります。この性質は文字式の計算でも頻繁に使います。
よくあるミス3選
よくあるミス3つ
手を動かす前にチェック!
| 式 | × ありがちなミス | ○ 正解 |
|---|---|---|
| (-2) × (-3) | -6(負×負を負と判定) | +6 |
| -32 | +9(括弧なしを2乗) | -9 |
| 2 + 3 × (-4) | -20(左から計算) | -10 |
① (-2)×(-3) を -6 とするミス → 同符号どうしは**プラス**、正解は +6。② -3^2 を +9 とするミス → 括弧なしの場合、指数の対象は 3 のみ、正解は -9。③ 2+3×(-4) を左から計算して -20 とするミス → 乗算が優先のため 3×(-4)=-12、正解は 2+(-12)=-10。それぞれ「そう考えたくなる理由」があるため、仕組みを理解して修正してください。
確認問題1
問1:次の計算結果として正しいものを選ぼう
(-4) × (+7) = ?
- ア: -28
- イ: +28
- ウ: -11
- エ: +3
確認問題1・解答
答え:ア -28
異符号なのでマイナス、絶対値 4×7=28 より -28。なお -11 は 4+7=11 と足し算してしまったミスです。
確認問題2
問2:次の式を計算しよう
(-36) ÷ (-9) = ?
確認問題2・解答
答え:4
同符号なのでプラス、絶対値 36÷9=4 より +4。わり算もかけ算と同じ二段構えで解けます。
確認問題3
問3:計算結果が +9 になるものを
すべて選ぼう(複数選択)
- ア: (-3)2
- イ: -32
- ウ: (-3)3
- エ: (-1) × (-9)
確認問題3・解答
答え:ア,エ
ア:括弧つきで (-3)×(-3)=+9(○)、イ:括弧なしで -(3×3)=-9(×)、ウ:奇数乗で -27(×)、エ:同符号で +9(○)。
確認問題4
問4:次の式を計算しよう
2 + 3 × (-4) = ?
確認問題4・解答
答え:-10
乗算を先に 3×(-4)=-12、次に 2+(-12)=-10。左から計算して 5×(-4)=-20 とするのは順序の誤りです。
確認問題5
問5:次の計算は正しい?
(-2)3 = -8
○か×か答えよう
- ○ 正しい
- × 間違い
確認問題5・解答
答え:○ (正しい)
(-2) を3回かけると負の数が奇数個でマイナス、絶対値 2^3=8 より -8。指数が偶数なら符号はプラスに戻ります((-2)^2=+4、(-2)^4=+16)。
確認問題6
問6:分配法則で計算しよう
空欄ア・イ・ウを埋めて!
確認問題6・解答
答え
ア = -60, イ = -18, ウ = -78
(-6)×10=-60、(-6)×3=-18、合計 -60+(-18)=-78。括弧内を先に計算する方法でも (-6)×13=-78 と一致します。
まとめ
今日のポイント
- かけ算・わり算:同符号→+,異符号→−
- 3つ以上の積:負の個数が偶数→+,奇数→−
- (-3)2 = +9,-32 = -9(括弧の有無に注意)
- 順序:括弧 → 累乗 → ×÷ → +−
- 分配法則:a × (b+c) = a × b + a × c
① かけ算・わり算の符号:同符号→プラス、異符号→マイナス。② 複数のかけ算:負の数が偶数個→プラス、奇数個→マイナス。③ (-3)^2=+9、-3^2=-9(括弧の有無で変わる)。④ 計算順序:括弧→累乗→×÷→+−。⑤ **分配法則**:a×(b+c)=a× b+a× c。この5つを繰り返し使うことで、文字式の計算に進んだときも自然に応用できるようになります。
よくある質問
負の数どうしをかけるとなぜプラスになるのですか?
「逆向きの逆向きは元の向きに戻る」というイメージです。気温が下がる山を下る変化(マイナス)を逆方向(マイナス)に巻き戻すと気温は上がります。この性質を数体系全体で矛盾なく成り立たせるために、負×負=正と定義されています。
(-3)^2 と -3^2 の違いをすぐに見分けるコツはありますか?
指数のすぐ手前に括弧があるかどうかを確認してください。括弧があれば中身ごとべき乗((-3)^2=+9)、括弧がなければ数だけべき乗してからマイナスをつけます(-3^2=-9)。式を書くとき・読むときの両方で、この確認を習慣にすることが大切です。
計算順序(括弧→累乗→×÷→+−)はなぜこの順番なのですか?
誰が計算しても同じ答えになるよう、世界共通で決められた約束です。数学的に深い理由というより表記の一貫性を保つための取り決めなので、まずはルールとして覚え、反射的に適用できるようにしてください。






