中1数学|平面図形(作図・移動)【Step 1b】
中1 数学|平面図形(作図・移動)|Step 1b
この記事でわかること
- 4種類の移動はそれぞれ「ずらす・回す・折り返す・半回転」と定義が異なる
- 対称移動だけが図形を裏返し、残り3種類は向きを保ったまま動かす
- どの移動でも形と大きさは変わらず、移動前後の図形は必ず合同になる
※ この記事は上の授業動画の内容をテキストで整理したものです。
学習マップ
この単元の位置づけです。
図形を『動かす』4つの方法
— 平行・回転・対称・点対称 —
見分けるコツは『どう動かしたか』。
[POINT] 平行 → スライド/回転 → 回す/対称 → 折り返す
移動のイメージをつかむ
床にぴったり同じ形のタイルが並んでいる。
手元の1枚を、別のタイルの位置に重ねたい。
相手の位置によって『動かし方』が変わる。
- 隣のタイル → 横にスライド(平行移動)
- 向かいのタイル → 1点を中心に回す(回転移動)
- 鏡像(向きが逆)のタイル → 線で折り返す(対称移動)
相手のタイルの位置によって動かし方が変わります。隣のタイルはそのままスライド(**平行移動**)、回転した向かいのタイルは1点を中心に回転(**回転移動**)、鏡のように向きが逆のタイルは直線で折り返す(**対称移動**)ことで重なります。同じ形でも動かし方が異なるという感覚が、4種類の移動を区別する出発点です。
平行移動
【平行移動】
図形を、一定の向きに、
一定の距離だけ ずらす移動。
性質:対応する点を結ぶ線分は
・どれも平行
・長さもどれも等しい
**平行移動**とは、図形を一定の向きに一定の距離だけずらす移動です。「どの向きに・どれだけ」の2つが決まれば移動が定まります。対応する点を結んだ線分(AA’・BB’・CC’)はすべて**平行**で長さも等しくなります。これはすべての点が同じ向き・同じ距離だけ動くという定義から直接導かれる性質です。
回転移動
【回転移動】
1つの点(回転の中心)を中心に、
一定の角度(回転角)だけ回す移動。
性質:中心から対応点までの距離は等しい
回転角もどれも等しい
※中心はどこに取ってもよい
(図形の外でも頂点上でもOK)
**回転移動**とは、**回転の中心**と呼ぶ1点を中心に一定の**回転角**だけ回す移動です。「中心・角度・向き(時計回り/反時計回り)」の3つが定まると移動が決まります。性質として、中心から対応する点までの距離は等しくなります(OA=OA’、OB=OB’など)。また、各対応点が回転する角度もすべて等しくなります。
対称移動
【対称移動】
1つの直線(対称の軸 ℓ)を
折り目として折り返す移動。
性質:対称の軸 ℓ は
対応点を結ぶ線分の
垂直二等分線になる。
注意:図形の向きが裏返る
(鏡に映したような形)
**対称移動**とは、**対称の軸**(直線ℓ)を折り目として図形を折り返す移動です。対称の軸は、対応する点を結ぶ線分の**垂直二等分線**になります。折り目に対して線分が垂直に立ち、かつ折り目が線分の中点を通ることで、折り返したときにぴったり重なるためです。「垂直」と「二等分」の両方の条件をセットで押さえておきましょう。
点対称移動
【点対称移動】
1つの点(対称の中心 O)を中心に、
図形を 180°回転 させる移動。
= 回転移動の特別な場合(回転角180°)
性質:O は対応点を結ぶ線分の中点
注意:裏返らない(半回転だけ)
→ 対称移動とは別物!
**点対称移動**とは、**対称の中心**と呼ぶ1点を中心に図形を**180°回転**させる移動です。これは回転移動の特別な場合(回転角=180°)に当たります。対称の中心Oは対応する点を結ぶ線分の**中点**となり、A・O・A’が一直線上に並びます。対称移動が「折り返し」で図形が裏返るのに対し、点対称移動は「半回転」なので裏返りません。
4種類の移動を比べる
✓ 4つに共通すること
形と大きさは 変わらない
→ 移動の前と後は『合同』
✓ 違いは『動かし方』と『裏返るか』
・平行/回転/点対称 → 裏返らない
・対称移動 → 裏返る
**平行移動**は向きと距離でずらし、対応点を結ぶ線分が平行かつ等長になります。**回転移動**は点と角度で回し、中心から対応点までの距離が等しくなります。**対称移動**は直線(軸)で折り返し、軸が対応点の**垂直二等分線**になります(向きが裏返る)。**点対称移動**は点を中心に180°回転し、中心が対応点を結ぶ線分の中点になります。4種類すべてに共通するのは、形と大きさが変わらず移動前後の図形が**合同**になることです。
移動の組み合わせと合同
離れた合同な図形を重ねるには
移動を組み合わせる。
① 平行移動で 近づける
② 回転移動で 向きをそろえる
③(裏返ってたら)対称移動で 裏返す
移動の組み合わせで重なる = 合同
例えば平行移動で位置を近づけ、回転移動で向きをそろえ、必要に応じて対称移動で裏返すという手順で、任意の合同な図形を重ねられます。「移動の組み合わせで重ねられる」ことと「**合同**である」ことは同値であり、この考え方は中学2年の合同の証明にもつながります。
しきつめ模様と移動
タイルのしきつめ模様も
3つの移動の組み合わせで読み解ける。
・矢印で結べる → 平行移動
・弧で結べる → 回転移動
・軸で折り返せる → 対称移動
**しきつめ**模様は、基準となる図形を平行移動・回転移動・対称移動で繰り返し動かすことで構成されています。基準のタイルを選び、他のタイルに重なるための動かし方を考えることで、日常の模様を数学的な視点で読み解くことができます。
確認クイズ①:移動の名前と定義
次の動かし方の説明と、
移動の名前を結びつけなさい。
【動かし方】
ア.一定の向きに一定の距離だけずらす
イ.1つの点を中心に一定の角度だけ回す
ウ.1つの直線を折り目として折り返す
【移動の名前】
平行移動 / 回転移動 / 対称移動
ア→**平行移動**、イ→**回転移動**、ウ→**対称移動**。「向きと距離」「点と角度」「直線で折り返す」が各移動のキーワードです。
確認クイズ②:平行移動の性質
△ABC を平行移動して △A’B’C’ にしたとき、
3本の線分 AA’、BB’、CC’ は
すべて平行で、長さも等しい。
○ か × か?
○。すべての点が同じ向き・同じ距離だけ動くため、対応点を結ぶ線分は平行かつ等長になります。
確認クイズ③:回転移動の性質
△ABC を点 O を中心に回転移動させて
△A’B’C’ にした。必ず成り立つ関係は?
ア.OA = OA’、OB = OB’、OC = OC’
イ.AA’ // BB’ // CC’ で 3本の長さが等しい
ウ.ある直線が AA’、BB’、CC’ の垂直二等分線
エ.OA = OB = OC
正解は**ア**。回転移動では中心から対応する点までの距離が等しくなります。イは平行移動、ウは対称移動の性質で、エは対応しない頂点間の比較のため誤りです。
確認クイズ④:対称移動の性質
△ABC を直線 ℓ について対称移動して
△A’B’C’ にした。線分 AA’ と ℓ の関係は?
ア.ℓ は AA’ と垂直、中点を通るとは限らない
イ.ℓ は AA’ の垂直二等分線
ウ.ℓ は AA’ の中点を通る、垂直とは限らない
エ.ℓ は AA’ と必ず点 A で交わる
正解は**イ**。対称の軸は対応する点を結ぶ線分の**垂直二等分線**(垂直+中点を通る)になります。垂直のみ・中点のみではそれぞれア・ウとなり不十分です。
確認クイズ⑤:点対称移動の定義
点対称移動とは、どんな移動?
最も適切な説明を選びなさい。
ア.1つの点を折り目として図形を折り返す移動
イ.1つの点で図形を裏返す移動
ウ.1つの点を中心に、図形を 180°回転 させる移動
エ.1つの点を中心に、図形を 90°回転 させる移動
正解は**ウ**。点対称移動は180°の回転移動です。折り返す(裏返る)のは対称移動で、点対称移動は半回転なので裏返りません。
まとめ
■ 図形の移動は 3+1 種類
・平行移動 … 向き+距離でずらす
・回転移動 … 中心+角度で回す
・対称移動 … 軸で折り返す(裏返る)
・点対称移動 … 180°回転(回転の特別な場合)
■ どの移動でも形と大きさは変わらない
→ 移動の前と後は『合同』
**平行移動**は向きと距離でずらす、**回転移動**は中心と角度で回す、**対称移動**は軸で折り返す(向きが裏返る)、**点対称移動**は180°回転(回転移動の特別な場合)。どの移動でも形と大きさは保たれ、移動前後の図形は**合同**です。この「移動=合同」の関係は今後の図形の証明でも繰り返し使われます。次の単元の記事では、より実践的な作図問題に取り組みます。
よくある質問
対称移動と点対称移動はどう違うのですか?
対称移動は直線(対称の軸)を折り目に図形を折り返すため向きが裏返りますが、点対称移動は1点を中心に180°回転させる移動なので裏返りません。「対称」という語が共通しますが、対称移動は「折り返し」・点対称移動は「回転」と覚えると区別しやすいです。
回転移動で「OA=OA’」と「OA=OB」を混同してしまいます。
「OA=OA’」は移動前後の対応する点への距離が等しいという性質で、回転移動では常に成り立ちます。「OA=OB」は同じ図形の異なる頂点への距離の比較であり、正三角形などの特別な図形でのみ成り立ちます。「対応するペアで比べているか」を確認するのがポイントです。
対称移動の軸はなぜ「垂直」と「二等分」の両方の条件が必要なのですか?
折り返してぴったり重なるには、折り目(軸)にAA’が垂直に立つ「垂直の条件」と、AとA’が軸から等距離で軸がAA’の中点を通る「二等分の条件」が同時に必要です。どちらか一方だけでは重ならないため、必ずセットで成り立ちます。
この単元の授業
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