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中1数学|平面図形(作図・移動)【Step 1b】

栞先生

中1 数学|平面図形(作図・移動)|Step 1b

この記事でわかること

  • 4種類の移動はそれぞれ「ずらす・回す・折り返す・半回転」と定義が異なる
  • 対称移動だけが図形を裏返し、残り3種類は向きを保ったまま動かす
  • どの移動でも形と大きさは変わらず、移動前後の図形は必ず合同になる
https://www.youtube.com/watch?v=qu0CCwn1iLY

※ この記事は上の授業動画の内容をテキストで整理したものです。

栞先生
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図形を「動かす」という視点を手に入れると、合同な図形の見え方が大きく変わります。

学習マップ

この単元の位置づけです。

図形を『動かす』4つの方法
— 平行・回転・対称・点対称 —

見分けるコツは『どう動かしたか』。
[POINT] 平行 → スライド/回転 → 回す/対称 → 折り返す

 小4 角度
  ↓
 小4 垂直と平行
  ↓
 小5 合同な図形
  ↓
▶ 中1 平面図形(今回はここ)
  ↓
 中1 空間図形
  ↓
 中2 平行線と合同

移動のイメージをつかむ

栞先生
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床のタイルを手元の1枚でぴったり重ねるには、どう動かせばよいでしょうか?

床にぴったり同じ形のタイルが並んでいる。
手元の1枚を、別のタイルの位置に重ねたい。

相手の位置によって『動かし方』が変わる。

  • 隣のタイル → 横にスライド(平行移動)
  • 向かいのタイル → 1点を中心に回す(回転移動)
  • 鏡像(向きが逆)のタイル → 線で折り返す(対称移動)

相手のタイルの位置によって動かし方が変わります。隣のタイルはそのままスライド(**平行移動**)、回転した向かいのタイルは1点を中心に回転(**回転移動**)、鏡のように向きが逆のタイルは直線で折り返す(**対称移動**)ことで重なります。同じ形でも動かし方が異なるという感覚が、4種類の移動を区別する出発点です。

平行移動

栞先生
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「ずらす」移動に必要な情報は、向きと距離の2つだけです。

【平行移動】
図形を、一定の向きに、
一定の距離だけ ずらす移動。

性質:対応する点を結ぶ線分は
   ・どれも平行
   ・長さもどれも等しい

平行移動:△ABC → △A’B’C’ A B C A’ B’ C’ AA’ // BB’ // CC’ かつ AA’ = BB’ = CC’

**平行移動**とは、図形を一定の向きに一定の距離だけずらす移動です。「どの向きに・どれだけ」の2つが決まれば移動が定まります。対応する点を結んだ線分(AA’・BB’・CC’)はすべて**平行**で長さも等しくなります。これはすべての点が同じ向き・同じ距離だけ動くという定義から直接導かれる性質です。

回転移動

栞先生
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コンパスで円を描くイメージが、回転移動の性質をそのまま表しています。

【回転移動】
1つの点(回転の中心)を中心に、
一定の角度(回転角)だけ回す移動。

性質:中心から対応点までの距離は等しい
   回転角もどれも等しい

※中心はどこに取ってもよい
 (図形の外でも頂点上でもOK)

点Oを中心とする90°回転(時計回り) A B C A’ B’ C’ 90° O 対応する点と中心の距離は等しい:OA = OA’ , OB = OB’ , OC = OC’ 回転角はどれも等しい: ∠AOA’ = ∠BOB’ = ∠COC’ = 90°

**回転移動**とは、**回転の中心**と呼ぶ1点を中心に一定の**回転角**だけ回す移動です。「中心・角度・向き(時計回り/反時計回り)」の3つが定まると移動が決まります。性質として、中心から対応する点までの距離は等しくなります(OA=OA’、OB=OB’など)。また、各対応点が回転する角度もすべて等しくなります。

対称移動

栞先生
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4種類の移動の中で、図形の向きが裏返るのは対称移動だけです。

【対称移動】
1つの直線(対称の軸 ℓ)を
折り目として折り返す移動。

性質:対称の軸 ℓ は
   対応点を結ぶ線分の
   垂直二等分線になる。

注意:図形の向きが裏返る
   (鏡に映したような形)

対称移動:△ABC → △A’B’C’ A B C A’ B’ C’ 向きが裏返る ℓ は AA’・BB’・CC’ の垂直二等分線

**対称移動**とは、**対称の軸**(直線ℓ)を折り目として図形を折り返す移動です。対称の軸は、対応する点を結ぶ線分の**垂直二等分線**になります。折り目に対して線分が垂直に立ち、かつ折り目が線分の中点を通ることで、折り返したときにぴったり重なるためです。「垂直」と「二等分」の両方の条件をセットで押さえておきましょう。

点対称移動

栞先生
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「対称移動」と「点対称移動」は名前が似ていますが、まったく異なる移動です。

【点対称移動】
1つの点(対称の中心 O)を中心に、
図形を 180°回転 させる移動。

= 回転移動の特別な場合(回転角180°)

性質:O は対応点を結ぶ線分の中点

注意:裏返らない(半回転だけ)
   → 対称移動とは別物!

180°の回転移動(点対称移動) △ABC を点 O を中心に 180° 回転 → △A’B’C’ A B C A’ B’ C’ O OA = OA’ O は AA’・BB’・CC’ の中点 180°回転 = 点対称移動 回転移動の特別な場合(回転角 180°)

**点対称移動**とは、**対称の中心**と呼ぶ1点を中心に図形を**180°回転**させる移動です。これは回転移動の特別な場合(回転角=180°)に当たります。対称の中心Oは対応する点を結ぶ線分の**中点**となり、A・O・A’が一直線上に並びます。対称移動が「折り返し」で図形が裏返るのに対し、点対称移動は「半回転」なので裏返りません。

4種類の移動を比べる

栞先生
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4種類の移動を「何を使って動かすか」と「主な性質」の観点で整理します。

✓ 4つに共通すること
 形と大きさは 変わらない
  → 移動の前と後は『合同』

✓ 違いは『動かし方』と『裏返るか』
  ・平行/回転/点対称 → 裏返らない
  ・対称移動      → 裏返る

4種類の移動の比較 比較項目 平行移動 回転移動 対称移動 点対称移動 動かし方 対応点の 特徴 向き (裏返るか) 一定の向きに ずらす AA’ // BB’ // CC’ AA’ = BB’ = CC’ 平行で長さが等しい 変わらない 1点を中心に 回す OA = OA’ OB = OB’ OC = OC’ 中心からの距離が等しい 変わらない 直線を折り目に 折り返す ℓ は AA’・BB’・CC’ の垂直二等分線 対称の軸が垂直二等分 裏返る 1点を中心に 180°回転 O は AA’・BB’・CC’ の中点 回転移動の特別な場合 変わらない \ 4つに共通すること / 形と大きさは変わらない(合同)

**平行移動**は向きと距離でずらし、対応点を結ぶ線分が平行かつ等長になります。**回転移動**は点と角度で回し、中心から対応点までの距離が等しくなります。**対称移動**は直線(軸)で折り返し、軸が対応点の**垂直二等分線**になります(向きが裏返る)。**点対称移動**は点を中心に180°回転し、中心が対応点を結ぶ線分の中点になります。4種類すべてに共通するのは、形と大きさが変わらず移動前後の図形が**合同**になることです。

移動の組み合わせと合同

栞先生
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位置も向きも異なる2つの合同な図形は、移動を組み合わせることで必ず重ねられます。

離れた合同な図形を重ねるには
移動を組み合わせる。

 ① 平行移動で 近づける
 ② 回転移動で 向きをそろえる
 ③(裏返ってたら)対称移動で 裏返す

移動の組み合わせで重なる = 合同

合同な△ABCと△DEFを重ねる 平行移動 → 回転移動 → 対称移動 ① △ABCと△DEFを表示 A B C D E F 合同だが位置も向きも違う ② 平行移動で近づける 平行移動 A B C D E F 位置は近づいたが、向きが違う ③ 回転移動で向きをそろえる 回転 B A C D E F 向きは似たが、まだ裏返っている ④ 対称移動で裏返して重ねる 対称の軸 A D B E C F ぴったり重なる 移動の組み合わせで重なる = 合同

例えば平行移動で位置を近づけ、回転移動で向きをそろえ、必要に応じて対称移動で裏返すという手順で、任意の合同な図形を重ねられます。「移動の組み合わせで重ねられる」ことと「**合同**である」ことは同値であり、この考え方は中学2年の合同の証明にもつながります。

しきつめ模様と移動

栞先生
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タイル模様を「移動の目」で見ると、美しい模様の中に数学的な構造が見えてきます。

タイルのしきつめ模様も
3つの移動の組み合わせで読み解ける。

 ・矢印で結べる  → 平行移動
 ・弧で結べる   → 回転移動
 ・軸で折り返せる → 対称移動

タイルの敷きつめ模様に見る 3つの移動 基準 平行移動 O 回転移動 (180°回転) 対称の軸 ℓ 対称移動 平行移動:矢印 回転移動:弧 対称移動:破線(軸)

**しきつめ**模様は、基準となる図形を平行移動・回転移動・対称移動で繰り返し動かすことで構成されています。基準のタイルを選び、他のタイルに重なるための動かし方を考えることで、日常の模様を数学的な視点で読み解くことができます。

確認クイズ①:移動の名前と定義

栞先生
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次の説明に当てはまる移動の名前を答えてください。ア「一定の向きに一定の距離だけずらす」、イ「1つの点を中心に一定の角度だけ回す」、ウ「1つの直線を折り目として折り返す」。

次の動かし方の説明と、
移動の名前を結びつけなさい。

【動かし方】
 ア.一定の向きに一定の距離だけずらす
 イ.1つの点を中心に一定の角度だけ回す
 ウ.1つの直線を折り目として折り返す

【移動の名前】
 平行移動 / 回転移動 / 対称移動

ア→**平行移動**、イ→**回転移動**、ウ→**対称移動**。「向きと距離」「点と角度」「直線で折り返す」が各移動のキーワードです。

確認クイズ②:平行移動の性質

栞先生
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△ABCを平行移動して△A’B’C’にしたとき、「AA’・BB’・CC’はすべて平行で長さも等しい」は正しいですか(○か×か)。

△ABC を平行移動して △A’B’C’ にしたとき、
3本の線分 AA’、BB’、CC’ は
すべて平行で、長さも等しい。

    ○ か × か?

平行移動:△ABC → △A’B’C’ A B C A’ B’ C’ AA’ // BB’ // CC’ AA’ = BB’ = CC’

○。すべての点が同じ向き・同じ距離だけ動くため、対応点を結ぶ線分は平行かつ等長になります。

確認クイズ③:回転移動の性質

栞先生
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△ABCを点Oを中心に回転移動して△A’B’C’にしたとき、必ず成り立つ関係を選んでください。ア「OA=OA’・OB=OB’・OC=OC’」、イ「AA’‖BB’‖CC’かつ等長」、ウ「ある直線がAA’等の垂直二等分線になる」、エ「OA=OB=OC」。

△ABC を点 O を中心に回転移動させて
△A’B’C’ にした。必ず成り立つ関係は?

 ア.OA = OA’、OB = OB’、OC = OC’
 イ.AA’ // BB’ // CC’ で 3本の長さが等しい
 ウ.ある直線が AA’、BB’、CC’ の垂直二等分線
 エ.OA = OB = OC

点Oを中心に90°回転:△ABC → △A’B’C’ 90° O A B C A’ B’ C’ 同じ印どうしは等しい長さ OA = OA’ OB = OB’ OC = OC’

正解は**ア**。回転移動では中心から対応する点までの距離が等しくなります。イは平行移動、ウは対称移動の性質で、エは対応しない頂点間の比較のため誤りです。

確認クイズ④:対称移動の性質

栞先生
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△ABCを直線ℓについて対称移動して△A’B’C’にしたとき、線分AA’と直線ℓの関係として正しいものを選んでください。ア「垂直だが中点を通るとは限らない」、イ「垂直二等分線」、ウ「中点を通るが垂直とは限らない」、エ「必ず点Aで交わる」。

△ABC を直線 ℓ について対称移動して
△A’B’C’ にした。線分 AA’ と ℓ の関係は?

 ア.ℓ は AA’ と垂直、中点を通るとは限らない
 イ.ℓ は AA’ の垂直二等分線
 ウ.ℓ は AA’ の中点を通る、垂直とは限らない
 エ.ℓ は AA’ と必ず点 A で交わる

対称移動:△ABC → △A’B’C’ A B C A’ B’ C’

正解は**イ**。対称の軸は対応する点を結ぶ線分の**垂直二等分線**(垂直+中点を通る)になります。垂直のみ・中点のみではそれぞれア・ウとなり不十分です。

確認クイズ⑤:点対称移動の定義

栞先生
栞先生
点対称移動の説明として正しいものを選んでください。ア「1つの点を折り目として折り返す移動」、イ「1つの点で図形を裏返す移動」、ウ「1つの点を中心に180°回転させる移動」、エ「1つの点を中心に90°回転させる移動」。

点対称移動とは、どんな移動?
最も適切な説明を選びなさい。

 ア.1つの点を折り目として図形を折り返す移動
 イ.1つの点で図形を裏返す移動
 ウ.1つの点を中心に、図形を 180°回転 させる移動
 エ.1つの点を中心に、図形を 90°回転 させる移動

正解は**ウ**。点対称移動は180°の回転移動です。折り返す(裏返る)のは対称移動で、点対称移動は半回転なので裏返りません。

まとめ

栞先生
栞先生
4種類の移動を整理できれば、図形問題で「どの移動か」を見抜く力が身につきます。

■ 図形の移動は 3+1 種類
 ・平行移動 … 向き+距離でずらす
 ・回転移動 … 中心+角度で回す
 ・対称移動 … 軸で折り返す(裏返る)
 ・点対称移動 … 180°回転(回転の特別な場合)

■ どの移動でも形と大きさは変わらない
   → 移動の前と後は『合同』

**平行移動**は向きと距離でずらす、**回転移動**は中心と角度で回す、**対称移動**は軸で折り返す(向きが裏返る)、**点対称移動**は180°回転(回転移動の特別な場合)。どの移動でも形と大きさは保たれ、移動前後の図形は**合同**です。この「移動=合同」の関係は今後の図形の証明でも繰り返し使われます。次の単元の記事では、より実践的な作図問題に取り組みます。

よくある質問

対称移動と点対称移動はどう違うのですか?

対称移動は直線(対称の軸)を折り目に図形を折り返すため向きが裏返りますが、点対称移動は1点を中心に180°回転させる移動なので裏返りません。「対称」という語が共通しますが、対称移動は「折り返し」・点対称移動は「回転」と覚えると区別しやすいです。

回転移動で「OA=OA’」と「OA=OB」を混同してしまいます。

「OA=OA’」は移動前後の対応する点への距離が等しいという性質で、回転移動では常に成り立ちます。「OA=OB」は同じ図形の異なる頂点への距離の比較であり、正三角形などの特別な図形でのみ成り立ちます。「対応するペアで比べているか」を確認するのがポイントです。

対称移動の軸はなぜ「垂直」と「二等分」の両方の条件が必要なのですか?

折り返してぴったり重なるには、折り目(軸)にAA’が垂直に立つ「垂直の条件」と、AとA’が軸から等距離で軸がAA’の中点を通る「二等分の条件」が同時に必要です。どちらか一方だけでは重ならないため、必ずセットで成り立ちます。

この単元の練習問題ページ(準備中)

この単元の授業

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